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DATE/ 2018.05.24

週休3日制、その可能性と問題点は?

 「働き方改革」の盛り上がりとともに、就労制度が見直されています。中でも注目されているのが、一部の大手企業が導入を始めている「週休3日制」です。従来の週休2日制からどのように変わるのでしょうか。そしてその効果のほどは。導入事例をもとに検証します。

週休4日を認める企業も!取り組み方は三者三様

 ひとくちに週休3日制といっても、その呼び方や仕組みについては各社さまざまです。そのため一概にはいえませんが、労働時間と給与の点から、大きく2タイプに別れます。

 ひとつは一週間の労働時間を減らした分、給与も一定の割合で減らす「時短」パターン。もうひとつは一週間の労働時間は変えないまま休日を増やし、給与も同額支払うという「労働時間の分配」パターンです。

「時短」パターンを取っている企業はヤフーや日本IBMなどが知られています。ヤフーの場合、制度を利用できるのは育児や介護のためなど一定の条件を満たした場合に限るとしていますが、日本IBMでは原則条件を設けず、必要であれば週休4日でもOKとしています。

「労働時間の分配」パターンを導入している代表的な企業は、「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングや佐川急便などです。通常の週休2日制で設定している1日8時間×5日間(計40時間)の労働時間はそのままに、週休3日制度では1日10時間×4日間という形を取るのが一般的です。

 また「週休3日制」という形にこだわらず、休み方に柔軟性を持たす企業も。大手広告代理店である電通は、仕事でよりよい成果を出すため勉強や自己啓発、コンディションの調整に充てる目的で休む「インプットホリデー」を2018年6月から毎月1回、試験導入することを発表しました。休み方に関する新しい考え方を提示したといえるでしょう。

休みは欲しいけど…週休3日制に対する不安

 週休3日制に対し、世間はどのように受け止めているでしょうか。

「はたらこねっと」を運営するディップが3月22日に発表した「週休3日制(週4日勤務)について」のアンケートを見てみると、「自分の時間ができる」「役所や銀行に行きやすくなる」「勉強や副業ができる」と週休3日制を歓迎する人が多いいっぽう、「給料が減る」「一日が激務になりそう」と金銭面、体力面に関する指摘が見られました。また「(制度としてあっても)実態は休めなさそう」という意見もあり、現代の働き方そのものを問題視する声も。

 しかし「週休3日制を取得したいか」という質問に対し「取得したい」と答えた人が58%と全体の約半数にのぼり、「今後、休日と働く日のバランスがどのようになってほしいか」という質問に対して最も多く回答が集まったのは「週休3日」(51%)で、次は従来の「週休2日」(39%)という結果に。週休3日制に不安はあるものの、本音では「週2日以上の休みが欲しい」と考える人が多いようです。

 企業側としても、週休3日制はイメージアップや人材流出の防止、生産性の向上につながると考える反面、管理体制やクライアントとの関係性に弊害が起こりかねないため、導入には慎重にならざるを得ないのが実情。多くの人が気兼ねなく休める制度として浸透するには、政府主導での公的なバックアップ、そして社会全体の意識改革が必須といえるでしょう。

休みが増えても給与はそのまま!ある精米器メーカーの挑戦

 収入への不安は週休3日制の課題のひとつですが、広島県の精米機メーカー・サタケでは「週休3日でも給与はそのまま」の勤務態勢の実現に向け、2017年から試験的に週休3日制を導入しています。

 サタケでは社員だけでなく顧客からの意見も取り入れ、営業面を考慮して月曜休みは控えて金・土・日曜を休みとするなど、試行錯誤を重ねているようです。真の意味での「週休3日制」の前例となるよう、ぜひ実現してほしいですね。

週休3日制について本格的に議論するタイミング!?

 ということで、週休3日制の実現には課題も多いですが、試験的に実施する企業も続々と増えています。いずれにしても一人一人が安心して働くために、週休3日制について本格的に議論するタイミングに来ているのかもしれません。

<参考サイト>
・YAHOO!ニュース:電通、月1回の平日休業 全社で6月から試験導入
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180416-00000091-zdn_n-sci
・はたらこねっと:「週休3日制(週4日勤務)」について
https://www.hatarako.net/contents/enquete/result/201803/
・株式会社サタケ:2018年も週休3日制を試験的実施
https://satake-japan.co.jp/news/new-release/20183.html
(10MTV編集部)

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