社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
コメの味や香りを評価するランキングとは
コメの美味しさを評価して「A」「特A」などとランクで呼ばれることがあります。何となく聞いたことはあっても、それがどこでどう評価されているのかはよく知らない、という方も多いでしょう。新潟県魚沼産『コシヒカリ』といった日本の代表格ともいえるブランド米は、どのような評価を受けているのでしょうか。
今回は知られざる“コメの格付けチェック”について解説いたします。
ランクは、その年の複数産地のコシヒカリをブレンドした「基準米」の数値と比較したうえで決定されます。試験対象のコメが、基準米よりも特に上等で品質良好であれば「特A」、良好であれば「A」、ほぼ同等の品質であれば「A’」となり、基準米よりもやや劣るものは「B」、劣るものは「B’」と評価されます。
今回は前回と比べ、「特A」のコメが1銘柄減り、8年連続で「特A」だった「あきたこまち(秋田県県南産)」や「ひとめぼれ(宮城県)」といった有名ブランド15銘柄が「特A」から「A」にランクダウンしたと発表されています。
とはいえ、50以上の銘柄が3年連続で「特A」を獲得、14銘柄が「特A」にランクアップし、愛知県三河中山間産のブランド米『ミネアサヒ』が愛知県初の「特A」に選ばれるなど、嬉しい結果も現れたようです。
コメは農作物ですから、当然その年の気候の影響などにより出来具合が変化します。それでもこれだけ多くの品種がすべて「A」以上の評価を受けるということは、それだけ日本のコメが高品質かつ安定して生産されていることの証左ではないでしょうか。日本のコメは、まさに“粒ぞろい”なのです。
ランクはあくまで目安とし、自分のニーズに合ったおコメを選びたいですね。
今回は知られざる“コメの格付けチェック”について解説いたします。
同じ品種でも毎年評価が変わる!「食味ランキング」
コメの格付けで最もよく知られているのが一般社団法人 日本穀物検定協会が毎年行っている「食味ランキング」です。味を評価する専門家20名が、実際に炊飯器で炊いた試験対象のコメを試食し(食味官能試験)、外観・香り・味・粘り・硬さ・総合評価の6項目を数値化。その数値の高さからランク付けをします。ランクは、その年の複数産地のコシヒカリをブレンドした「基準米」の数値と比較したうえで決定されます。試験対象のコメが、基準米よりも特に上等で品質良好であれば「特A」、良好であれば「A」、ほぼ同等の品質であれば「A’」となり、基準米よりもやや劣るものは「B」、劣るものは「B’」と評価されます。
「B」以下はなし!「特A」は3年連続で50以上
最新の2020年(令和2年)のランキングでは、試験対象となった全国154銘柄のコメのうち、全体のおよそ3分の1にあたる53銘柄が「特A」と評価。「B」や「B’」 のコメは該当なしという結果になりました。なお、新潟県の魚沼産『コシヒカリ』は3年連続、北海道の『ゆめぴりか』は10年連続で「特A」評価を受けています。今回は前回と比べ、「特A」のコメが1銘柄減り、8年連続で「特A」だった「あきたこまち(秋田県県南産)」や「ひとめぼれ(宮城県)」といった有名ブランド15銘柄が「特A」から「A」にランクダウンしたと発表されています。
とはいえ、50以上の銘柄が3年連続で「特A」を獲得、14銘柄が「特A」にランクアップし、愛知県三河中山間産のブランド米『ミネアサヒ』が愛知県初の「特A」に選ばれるなど、嬉しい結果も現れたようです。
コメは農作物ですから、当然その年の気候の影響などにより出来具合が変化します。それでもこれだけ多くの品種がすべて「A」以上の評価を受けるということは、それだけ日本のコメが高品質かつ安定して生産されていることの証左ではないでしょうか。日本のコメは、まさに“粒ぞろい”なのです。
ランクはあくまで目安。好みにあった銘柄を見つけよう
ランキングは食味のプロの評価ではありますが、その時に試験されたコメに限定されていますので、流通する商品そのものの評価と直接結びつけるのはやや安易でしょう。昨今は新品種も続々登場しているほか、「リゾットに最適」「GABAが豊富」など、特定の機能性を謳うコメも見かけます。もちろん、新米か古米かでも味に差が出てきます。ランクはあくまで目安とし、自分のニーズに合ったおコメを選びたいですね。
<参考サイト>
「2年産米の食味試験の実施及び概要」│一般社団法人 日本穀物検定協会
http://www.kokken.or.jp/data/ranking_hajime02.pdf
米の食味ランキングとはどのような内容なのか教えてください。│農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/heya/sodan/1803/03.html
お米の新品種│農研機構
http://www.naro.affrc.go.jp/publicity_report/season/054222.html
「2年産米の食味試験の実施及び概要」│一般社団法人 日本穀物検定協会
http://www.kokken.or.jp/data/ranking_hajime02.pdf
米の食味ランキングとはどのような内容なのか教えてください。│農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/heya/sodan/1803/03.html
お米の新品種│農研機構
http://www.naro.affrc.go.jp/publicity_report/season/054222.html
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
「学ぶことが楽しい」方には 『テンミニッツTV』 がオススメです。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,500本以上。
『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
単なる不況に非ず…破壊規模は「台風か気候変動か?」
[深掘り]世界を壊すトランプ関税(2)米国の自爆と中国の思惑
トランプ政権が発表した関税政策は、世界を大きな混乱に落とし込んでいる。はたして、トランプ大統領の「動機」や「思考」の淵源とはいかなるものなのか。そして世界はどうなってしまうのか。
島田晴雄先生には、...
島田晴雄先生には、...
収録日:2025/04/15
追加日:2025/04/26
危機の10年…2つのサイクルが初交差する2020年代の意味
トランプ2.0~アメリカ第一主義の逆襲(2)交差する2つのサイクル
アメリカには、80年周期の制度サイクルと50年周期の社会経済サイクルがあり、その2つの周期が初めて重なるのが2020年代なのだ。「危機の10年」ともいわれており、そのタイミングで始動したトランプ第二次政権。その動きの舵取り...
収録日:2025/03/21
追加日:2025/04/26
共生への道…ジョン・ロールズが説く「合理性と道理性」
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(5)共存・共生のための理性
フェイクが含まれた情報や陰謀論が跋扈する一方、多様性が尊重されるようになり多元化する人々の価値観。そうした現代社会で、いかにして私たちはともに公共性を保って生きていけるのか。多様でありながらいかに共存・共生でき...
収録日:2024/09/11
追加日:2025/04/25
『風と共に去りぬ』で表現されたアイルランド移民の精神史
アメリカの理念と本質(5)アメリカのアイルランド問題
アイルランド本国で始まったアングロ・サクソンからの差別は大西洋を越えても消えず、逆にアメリカへ移民するアイルランド人たちに不撓不屈の精神を植え付けた。名作『風と共に去りぬ』には、その姿がビビッドに描かれている。...
収録日:2024/06/14
追加日:2024/09/17
水にビジネスチャンス!?水道事業に官民連携の可能性
水から考える「持続可能」な未来(8)人材育成と水道事業の課題
日本企業の水資源に関するリスク開示の現状はどうなっているか。革新的な「超越人材」を生み育てるために必要な心構えとは何か。老朽化する水道インフラの更新について、海外のように日本も水道事業に民間資本が入る可能性はあ...
収録日:2024/09/14
追加日:2025/04/24