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DATE/ 2021.11.09

乗り鉄に撮り鉄…鉄道ファンはなぜ多い?

 鉄道クイズ、鉄オタ芸人、鉄子、そんな鉄道好きな人たちを取り上げた番組をテレビで見かける機会が増えました。時には熱い気持ちを抑えきれず進入禁止の線路内に入ってしまった鉄道ファンや、ベストポジションで列車の写真を撮ろうと喧嘩に発展した撮り鉄の騒ぎなどもニュースになることもありますが、日本には鉄道を愛してやまない鉄道ファンは多く、およそ150~200万人いると言われています。なぜこれほどまでに鉄道は多くの人を魅了するのでしょうか。

なぜ多いの? 鉄道ファン…その魅力と理由とは

 鉄道好きな皆さんに、なぜ鉄道ファンが多いのかについてお話を伺いリサーチしました。

【人生と切り離せない一番身近な乗り物だから】
 通学、通勤、旅と、多くの人にとって一番で利用回数が多い乗り物が鉄道ということもあり、子供の頃から馴れ親しんだ身近な電車に惹かれるという要素があります。電車の中で過ごした時間、車窓からの風景、ホームに鳴り響く音など、記憶の中に刻まれている人も多いのでは。鉄道は人生や生活と切っても切れない仲だと言えますね。

【路線や車輌の数が多くバラエティ豊富で飽きない】
 2021年10月現在、全路線数は564路線ほど。鉄道車両の種類は新旧合わせれば8万を超え、全国の駅数も1万に迫る9千駅以上。日本各地に血脈のように広がる鉄道網は、どこまで追いかけても終わりの見えない、飽きさせないバリエーションが豊富にあることも人気の要因。「鉄レコ」と称して、実際に観た・乗った・撮った鉄道を日々記録して更新する楽しみもあるそうです。

【モデルチェンジが短く、新型車等の話題性がある】
 モデルチェンジが短いのも日本の鉄道の特徴で、新型車が毎年10~20種類も誕生。数年に1度リニューアルする車輌も少なくなく話題に事欠きません。それだけモデルチェンジが多いのは、乗り心地、安全性、スピードなどを常に向上させていく日本の鉄道製造の技術力の証でもあり、そこも鉄道ファンの心を掴んでいると聞きます。

【時刻表、路線図、スペックなどの仕組みや様式美】
 当たり前のようですが、日本の鉄道は時間通りに来るという美しい「規則性」があり、また鉄道という「仕組み」の中で動いています。そこに様式美や世界観を見出す人も多く、システムやルールの面白さという沼に一度ハマると抜け出せないという声も。路線図や時刻表を肴に、旅や移動を想像しながらお酒を飲むのがたまらない、という人もいるそうです。

鉄オタそれぞれのたのしみ方。ハマったきっかけは?

 鉄道ファンといっても、乗る・撮るだけではなく、ニッチなたのしみ方を見出している人も多くいます。「音鉄」、「駅弁鉄」、「廃線鉄」と何となく想像のつくものから、役目を終える車輌を見送る「葬式鉄」、時刻表を愛する「スジ鉄」、鉄道周りのアイテムを集める「収集鉄」など、挙げればキリがないほど独自の方向で鉄道を楽しむファンが存在しているのです。鉄道ファンの数だけ、それぞれ自分だけのたのしみ方があるのかもしれません。そんなファンの中から3人に鉄道ファンになったきっかけとその魅力を聞いてみました。

・ママ鉄・車庫鉄 主婦Sさん(55歳)
 「鉄道好きは頭が良い」と言われているのを知り、初めは小さい息子を連れて見に行っていたら自分がハマってしまいました。帰ってから息子と一緒に調べる楽しさや、次は何を見たいと知的好奇心も満たされる。子供が巣立った今は車庫に眠る車輌にシンパシーを感じてしまい(笑)、よく1人でしみじみと眺めに行っています。

・小説鉄・スジ鉄 歯科医Aさん(40歳)
 大学生の頃に松本清張の『点と線』や、西村京太郎や内田康夫の小説を読む機会があり鉄道ファンになりました。鉄道小説を読むのはもちろん、実際にモデルとなった列車に乗りに旅をしたり、時刻表(スジ)を見て自分なりのトリックを考えてみたり、楽しみ方が無限大なのが鉄道の魅力です。鉄道には物語がよく似合うんです。

・旅鉄・路線鉄  会社員Yさん(35歳)
 子供の頃両親が離婚し、電車に乗って父親に会いにいく経験から鉄道ファンになりました。1人で乗れるのが大人になったようで嬉しかったのもあり、親から教えられたルートだけで行くのがもったいなくて、遠回りしてでも色々な路線や車輌に乗りたくて、その違いを夏休みの自由研究にしたことも。今も旅行する時は、目的地よりも乗りたい列車優先で旅程を楽しんでいます。

 多くの人の心を掴んで離さない日本の鉄道。幼少期から好きだった、という人がとても多いそうですが、大人になってふとしたきっかけでハマるケースも少なくありません。日本全国に私たちを運んでくれる鉄道は、ファンたちの想いや想像力も乗せて走っているのでは。そんな気持ちにさせてくれるのも鉄道の大きな魅力なのではないでしょうか。

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