テンミニッツTV|有識者による1話10分のオンライン講義
会員登録 テンミニッツTVとは
社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2022.03.05

外国人は日本人のここが「イヤ」!

 東京オリンピック開催決定以降、海外旅行客が急激に増え、インバウンドによる経済効果が高まった日本。それ以前から日本には、留学生や就業希望者、アニメや漫画、歴史、食といったジャパンカルチャーへの興味から来日する外国人が増加し、「行きたい国ランキング」や「好きな国ランキング」では常に上位に入っていました。

 しかし世界的なコロナ蔓延後の2021年3月~4月にアウンコンサルティング株式会社が実施した【世界10カ国の親日度調査】では、日本が「大好き」との回答はタイ、アメリカ、オーストラリアで前回調査と比較して大幅に減少。また、「嫌い」「大嫌い」と回答したのは、インドネシア以外の全ての国で増加傾向という結果に。同じく、日本人が「大好き」な国も大きく減り、「嫌い」「大嫌い」も8カ国で増加。どうやら日本、そして日本人の好感度が下がってきているのでは?という声も聞かれます。

10カ国の外国人の語る「日本人のここがイヤ!」

 日本人も他国のことをああだこうだ、好きだ嫌いだと話題にすることもありますが、日本人である自分たちがどう思われているかについてはそれほど考えたことはないのではないでしょうか?日本在住、または来日経験のある外国人の方々の「日本人のここがイヤ」という意見をこの機会に知っておきましょう。

1・本音と建前のギャップが大きい
 日本人の社交辞令や、本音と建前体質をイヤ!と思っている外国人が多いようです。「アルバイト先の日本人に”インドに興味がある”と言われ色々話したのに、全然聞いていなかった」「今度飲みに行こうと言われ楽しみにしていたけれど一度も誘ってくれないし、自分が誘ってもダメ」等、地味に傷ついた経験のある方々も結構います。

2・何を考えているのか分からない
 日本人の喜怒哀楽表現の少なさや、表情の乏しさが外国人の混乱を招く事も。「ある日本人女性はいつも笑顔で話してくれ好意があると思ったのに、会おうと言うと返信がこなくなり気持ちが分からない」「感情表現が少ないし無表情なので、楽しいのか怒っているのか分からず不安になる」というように、真意が分からない日本人に困惑する方もいます。

3・暗黙の了解が多く、ルールに厳しい
 「言われていないルールがあり、それが出来ないと不機嫌になる」「これは決まりだからと理由があっても例外を認めてくれず、あまり柔軟性がない」との声もあり、確かに日本には暗黙のルールが多く存在する事実にも気付かされます。外国人なら尚更言われないと分からなくて当然ですが、「察して動く」を求めるのも嫌われる日本人気質なのかもしれません。

4・周りの目を気にし過ぎている
 協調性が高く空気を読むのが上手い人が多い日本人。しかし外国人から見ると、「他人の意見に迎合するだけで、自分の意見を言えない」「みんな同じような服や髪型をしていて、周りから浮いたり目立ったりすることを恐れている」など、個性や意志を露にすることを良しとしない日本人の性質を苦手とする人も。

5・親しくなると優しいが赤の他人に冷たい
 「他の国では地図を見ていたり困っていると必ず声を掛けられるが、日本人は見て見ぬ振りする人が多い」「本当はとても親切なのに、人見知りって言うそうですが目が合っても笑顔や挨拶をしないし、仲良くなるまで時間が掛かる」等、距離感に関する苦言が。故に、日本に馴れるまでが長かったと言う人も。

6・学歴や地位のある人でも英語が喋れない
 日本では海外旅行客は英語で意思疎通するのが一般的ですが、まだまだ英語での意志の疎通に難があるという印象の日本人。「東京で一番と言われる私立大学に留学したけれど、生徒も先生もスタッフの人も半分くらいの人しか英語が通じない」「旅行会社の人なのに言葉が全然通じないのはびっくりしたし、だからなのか積極的にコミュニケーションも取ってくれない」と、不満の声も多数。

7・まじめに働き過ぎる
 「残業するのは当たり前、有給を使わないのでこっちもなかなか休めない」「お客さんがいない時なら本を読んでもいいしお菓子を食べてもいい自分の国と比べて、勤務中はずっと立って働いてるようなふりをしないといけない」など、貪欲なまでに勤勉さを大事にしている日本人の傾向が嫌い、それに合わせなくてはいけない雰囲気も苦手という声も。

「察する」「空気読む」日本人はコミュニケーション不足?

 上記のコメントは、中国、韓国、タイ、アメリカ(ハワイ)、イギリス、オランダ、ベトナム、インド、スペイン、ドイツから来日経験のある計16人に聞いた意見を紹介していますが、「日本人のここがイヤ!」と感じる多くには、日本人の「コミュニケーション不足」や「真面目さ」が起因となっているものが多い印象が。

 短期の観光旅行ならさておき、日本へ留学や就労にやって来る外国人の方々は並々ならぬ決心や強い意志を携えています。そんな人達からすると、余計に日本人の遠慮がちで人見知りな性分は「なぜ?」と感じてしまうことも多いはず。控え目、謙虚、照れ屋、まじめ、協調性の高さなど、長所として語られることも多い日本人の特質が、外国人からすると理解に苦しむ側面となることも多いようです。

 「嫌い」が「好き」に変わっていくには、まずはお互いを知り理解するところから。若いうちに海外へ行くという経験も世界を知り他国を理解するきっかけになりますし、入国制限等を設けているコロナ禍であっても日本の情報を発信し続けることも大切なこと。もっと日本人が外国人と積極的にコミュニケーションできるようになれば、好き度も自然と上昇していくのではないでしょうか。

<参考サイト>
【世界10カ国の親日度調査】日本への好感度、日本旅行前の情報収集について│アウンコンサルティング株式会社
https://www.auncon.co.jp/corporate/2021/0427.html

~最後までコラムを読んでくれた方へ~
自分を豊かにする“教養の自己投資”始めてみませんか?
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。 『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

青春期は脳のお試し期間!?社会的ニッチェと信頼の形成へ

青春期は脳のお試し期間!?社会的ニッチェと信頼の形成へ

今どきの若者たちのからだ、心、社会(2)思春期の成長、青春の脳

思春期にからだが急激に成長することを「思春期のスパート」と呼ぶ。先行して大きくなった脳にからだを追いつかせるための戦略である。脳はそれ以上大きくならないが、脳内の配線が変化する。そうした青春期の脳の実態を知るた...
収録日:2024/11/27
追加日:2025/07/12
長谷川眞理子
日本芸術文化振興会理事長
2

アベノマスク、ワクチン調達の決算は?驚きの会計検査結果

アベノマスク、ワクチン調達の決算は?驚きの会計検査結果

会計検査から見えてくる日本政治の実態(1)コロナ禍の会計検査

日本の財政をくまなく検査し、その収入と支出を把握する会計検査院。日本のメディア報道などでは、予算の決定や補助金などの政策決定については詳しく報じられるが、それがどのように実際に使われたかは、ほとんど言及がない。...
収録日:2025/04/14
追加日:2025/07/11
田中弥生
東京大学客員教授
3

正岡子規と高浜虚子の論争、その軍配と江藤淳暦年のテーマ

正岡子規と高浜虚子の論争、その軍配と江藤淳暦年のテーマ

AI時代に甦る文芸評論~江藤淳と加藤典洋(3)正岡子規と高浜虚子の「リアリズム」

正岡子規の死後、高浜虚子が回想で述べた師・子規との論争。そこに「リアリズムとは何か」のヒントが隠されていると江藤淳氏は言う。子規と虚子、それぞれの「リアル」とは何か、そしてどちらが本当の「リアル」なのか。近代小...
収録日:2025/04/10
追加日:2025/07/09
與那覇潤
評論家
4

AI時代の「真のリアル」は文芸評論の練達の手法にあり!

AI時代の「真のリアル」は文芸評論の練達の手法にあり!

編集部ラジオ2025(14)なぜAI時代に文芸評論が甦るのか

どんどんと進む社会のAI化。この大激流のなかで、人間の仕事や暮らしの姿もどんどん変わっていっています。では、AI時代に「人間がやるべきこと」とはいったい、何なのでしょうか? さらにAIが、驚くほど便利に何でも教えてく...
収録日:2025/05/28
追加日:2025/07/10
テンミニッツTV編集部
教養動画メディア
5

マネへの強烈なライバル意識…セザンヌ作品にみる現代性

マネへの強烈なライバル意識…セザンヌ作品にみる現代性

作風と評論からみた印象派の画期性と発展(1)セザンヌの個性と現代性

印象派の最長老として多くの画家に影響を与えたピサロ。その影響を多分に受けてきた画家の中でも最大の1人がセザンヌだが、その才覚は第1回の印象派展から発揮されていた。画面構成や現代性による解釈から、セザンヌ作品の特徴...
収録日:2023/12/28
追加日:2025/07/10
安井裕雄
三菱一号館美術館 上席学芸員