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DATE/ 2022.05.31

車に貼ってある「ステッカー」は剥がして良い?

車に貼ってあるステッカーが気になる…

 新車を購入すると、フロントガラスやリアガラスにいろいろなステッカーが貼られていますよね。せっかくのお気に入りの車なのに自分の意図しないものが貼られていたら、剥がしたいと思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。実は、ほとんどのステッカーは剥がしてしまっても大丈夫です。しかし、なかには剥がすと法律違反となり、罰金対象になるものもあるので注意しましょう。

 車に貼られているステッカーはおおまかに、法律をクリアしていると示すためのものと、車の性能やセールスポイントをアピールするためのものがあります。フロントガラスやリアガラスに貼ってあれば目立つので、どちらのステッカーも似たような位置に貼られていますが、後者は剥がしても大丈夫なのです。

 実際、海外の車にはステッカーがついていることはほとんどありません。むしろ日本車が好きな外国人の間では、自分の車を日本車テイストにするためにあえてステッカーを貼る人もいるほどです。最近は排出ガスや燃費に関するステッカーの貼り付けを終了しているメーカーもありますが、ステッカーのネットオークションやフリマアプリへの出品は続いており、根強い人気を持っています。

剥がしたらダメなステッカーとは

 それでは、具体的なステッカーの種類を見てみましょう。まず、剥がしてはいけないステッカーを以下にご紹介します。

 検査標章:最も注意が必要なステッカー。「車検ステッカー」、「車検シール」という呼び方でご存知の方も多いでしょう。すべての車に義務づけられている自動車検査登録制度いわゆる車検を受けて、国が定める保安基準をクリアしていることを示すステッカーです。道路運送車両法によってフロントガラスへの表示が定められているため、このステッカーを剥がしてしまうと50万円以下の罰金が科せられます。基本的に、車検を担当した業者がフロントガラスに貼ってくれるので、そのままの状態にしておくとよいでしょう。

 保管場所標章:一般的に「車庫証明ステッカー」と呼ばれることが多いです。所轄の警察署に届け出て、車の保管場所をきちんと確保していることを示すステッカーです。道路交通法によってリアガラスへの表示が定められています。ただしこのステッカーの表示は努力義務となっており、貼っていなくても罰金の対象とはなりません。それでも注意を受ける可能性はあるので、貼っておいたほうが無難です。

 以上のふたつが、剥がしてはいけないステッカーです。実は、このふたつ以外のステッカーは剥がしてしまって問題ありません。剥がしていいステッカーの代表的なものには以下があります。

 定期点検ステッカー:12ヶ月点検などの法定点検を受けると貼られるステッカーです。剥がしてはいけないようにも見えますが、車検と法定点検は別物で、こちらのステッカーに表示義務はありません。しかし、定期点検ステッカーには点検を受けた日付や次回の点検の目安になる日付などの重要な情報が書かれているので、きちんと保管しておきましょう。また、期限切れの定期点検ステッカーを貼りっぱなしにしていると罰金対象になってしまうので、期限が切れたらすぐに剥がしてください。

 低排出ガス車・燃費基準達成車ステッカー:国が定める排出ガス量や燃費の基準をクリアしている車に貼られるステッカーです。メーカーがアピールしたいポイントを見えやすい位置に貼っているだけなので、剥がしてしまって大丈夫です。表示していないとエコカー減税の対象外になるということはありません。トヨタ・ホンダ・日産など、貼り付けを終了するメーカーも出てきています。

 表示義務があるステッカーには注意しながら、不要なステッカーを剥がしてください。

ステッカーはきれいに剥がせるの?

 いざ、ステッカーを剥がすとなったら、大切な愛車にあとなど残したくありませんよね。剥がしていいステッカーは、フロントガラスやリアガラスに貼られていることがほとんどなので、ガラス用の方法を用いるときれいに剥がせますよ。具体的な道具と手順は次のようになります。

<用意するもの>
・ドライヤー
・スクレーパー(こそげ取るためのヘラ。柔らかめのプラスチック製のものやガラス専用のものだと傷つけにくい)
・ステッカー剥がし剤(車用のものだと万が一飛び散っても塗装に影響しにくい)
・雑巾

手順1:剥がしたいステッカーにドライヤーで熱をあてる。ステッカーの粘着剤が柔らかくなる。
手順2:スクレーパーをステッカーとガラスの間に入れ、こじ開けるようにステッカーを剥がす。
手順3:ステッカーの粘着剤部分が残るので、ステッカー剥がし剤をかけて浮かせる。
手順4:浮いてきた粘着剤をスクレーパーでこそげ取る。または雑巾でこすり取る。
手順5:粘着剤を取り除いたあとに、濡らした雑巾で剥がし剤を拭き取る。

 以上のやり方でフロントガラスやリアガラスに貼られたステッカーをきれいに剥がせます。ただし、寒い季節には高温の温風を当てるとガラスにひびが入ることもあるので、徐々に温度を上げましょう。重要な役割があるステッカーには注意したうえで、剥がしていいものはきれいに剥がし、愛車をさらに自分好みにしてくださいね。

<参考サイト>
・ancar.jp 車に貼ってあるステッカーは剥がしても大丈夫?剥がして良いステッカーとダメなステッカー
https://www.ancar.jp/channel/24717/
・Car Me 剥がすと罰金50万円?!車に貼ってあるシールで剥がしていいものとダメなものとは?
https://car-me.jp/articles/19262
・くるまのニュース トヨタが燃費・排ガスステッカー貼付を3月末で終了 ホンダも廃止へ 判断の理由は?
https://kuruma-news.jp/post/364316
・車買取・車査定のグー運営 剥がしても問題ない?車の点検ステッカーの持つ意味や貼るメリットを解説
https://www.goo-net.com/kaitori/kaitori-satei/tenken-syaken-gimon/4463/
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