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車のETCが使えなくなるのは本当?
高速道路を走る際たいへん便利なETCは、2001年の11月からサービスが開始されました。現在では高速道路利用者のおよそ9割が利用しています。かなり世の中に浸透したシステムとなっています。しかしこのETCには、実は「2022年問題」と「2030年問題」という2つの大きな壁があります。これはその年に一部のETCが使えなくなるというものです。それぞれどういうものが使えなくなるのでしょうか、ここで少し詳しく見てみましょう。
この不要な電波を「スプリアス」と呼びます。この「スプリアス」が多いと電波に障害がおこるリスクがあることから、国は許容値を定めています。この許容値が2005年12月の電波法改正で新しくなり、2007年12月からの適用されることとなりました。ただしその後、猶予措置として2022年11月まで延長されたという経緯があります。加えてここで新型コロナウイルスが流行したことによって、設備や機器の製造などに時間がかかる状況となってしまいました。このことから混乱を避けるため、期日未定で再延期となったというのが一連の流れです。
ではどういったETCが影響を受けるのでしょうか。国土交通省によると「2007年以前の技術基準適合証明・工事設計認証(旧スプリアス認証)を受け、製造されたETC車載器」が使用できなくなるとされています。ただし実際には2007年以前に発売されたものであっても、多くは現在の電波法に対応しています。使えなくなるのは、サービス開始間もなくの機種のみです。つまり、現在一般的に利用されているものが該当する可能性は低いようです。
自身のETCが古くて心配な人はメーカーに問い合わせて確認するのが最も確実かもしれません。もしくは使用できなくなる型番が載っているウェブサイトもあるので、使用している機種の型番を確認して、ウェブからよく調べてみましょう。ちなみにトヨタ、ホンダ、スズキのメーカー純正ETC車載器は、過去のものも含めて新規格に対応しているので問題ないとのことです。
ただし「よくわからないから」と放置するのはやや危険です。もし旧スプリアス規格のものを、改正された電波法の適用以降にそのままにしていた場合、つまり、電波を発する状態にし続けた場合は、電波法に引っかかる可能性が出てきます。もし自身の車に搭載している機器が旧規格だった場合、使っていない状態であったとしても機器は確実に車から取り外しておきましょう。
ただし見分け方は難しくありません。まずは取り扱い説明書に記載されている「車載器管理番号」をチェックします。これが「1」から始まっていれば、問題ありません。もしこれが「0」から始まっていれば新しいセキュリティ規格に未対応であることを意味しています。これは取り扱い説明書以外では本体の裏面シールにも記載されています。また、本体記載の数字がうまく読み取れない場合は、以下の識別マークからも確認できます。
ETC(ETC1.0)の車載器の場合、カード挿入口付近に「●●●」と黒丸3つのマークがあれば対応しています。またETC2.0の車載器であれば、カード挿入口付近に「■」のマークが「なければ」対応しています。さらに、もし「DSRC」と記載されていたら旧型のセキュリティ機種であることを意味しています。
問題が起きるのは少しだけ先になるかもしれません。しかし古いセキュリティ規格のものはいずれ使えなくなります。ある日突然使えなくなれば、焦ることは間違いありません。高速道路でそういった不測の事態は避けたいところです。また、2022年問題に関して言えば、気づかずに放置することで違法になる可能性があります。気づいた段階で忘れないうちに、新しいセキュリティ規格のETCに買い替えておいたほうが安心かもしれません。
2022年問題で影響が出るのはごく一部
ETCの2022年問題とは、「2007年より前に製造された一部のETC車載器が、2022年12月1日以降使用できなくなる」というものす。ただし新型コロナウイルス感染拡大の影響による混乱を避けるため、現在は「当分の間」延長されています。ETCは車載器と料金所のシステムが無線で通信して、キャッシュレスで料金が支払われるシステムです。これにより料金所の通行はたいへんスムーズになったのですが、問題は古い機器では必要周波数帯以外の不要電波が多く発せられてしまう点です。この不要な電波を「スプリアス」と呼びます。この「スプリアス」が多いと電波に障害がおこるリスクがあることから、国は許容値を定めています。この許容値が2005年12月の電波法改正で新しくなり、2007年12月からの適用されることとなりました。ただしその後、猶予措置として2022年11月まで延長されたという経緯があります。加えてここで新型コロナウイルスが流行したことによって、設備や機器の製造などに時間がかかる状況となってしまいました。このことから混乱を避けるため、期日未定で再延期となったというのが一連の流れです。
ではどういったETCが影響を受けるのでしょうか。国土交通省によると「2007年以前の技術基準適合証明・工事設計認証(旧スプリアス認証)を受け、製造されたETC車載器」が使用できなくなるとされています。ただし実際には2007年以前に発売されたものであっても、多くは現在の電波法に対応しています。使えなくなるのは、サービス開始間もなくの機種のみです。つまり、現在一般的に利用されているものが該当する可能性は低いようです。
自身のETCが古くて心配な人はメーカーに問い合わせて確認するのが最も確実かもしれません。もしくは使用できなくなる型番が載っているウェブサイトもあるので、使用している機種の型番を確認して、ウェブからよく調べてみましょう。ちなみにトヨタ、ホンダ、スズキのメーカー純正ETC車載器は、過去のものも含めて新規格に対応しているので問題ないとのことです。
ただし「よくわからないから」と放置するのはやや危険です。もし旧スプリアス規格のものを、改正された電波法の適用以降にそのままにしていた場合、つまり、電波を発する状態にし続けた場合は、電波法に引っかかる可能性が出てきます。もし自身の車に搭載している機器が旧規格だった場合、使っていない状態であったとしても機器は確実に車から取り外しておきましょう。
2030年問題はETC2.0だからOKではない
「2030年問題」は、現状のまま行けばより広範囲に影響が及ぶことが考えられます。こちらは2030年ごろを目途に、ETCを新しいセキュリティ規格に変更するというものです。現在ETCにはETC1.0(表記上は「ETC」)とETC2.0の2種類がありますが、どちらにせよ新しいセキュリティ規格を満たしていなければ使用不可です。つまり、新しい規格であるETC2.0であれば、そのまま新しいセキュリティ規格に対応しているというわけではありません。この点は注意が必要です。ただし見分け方は難しくありません。まずは取り扱い説明書に記載されている「車載器管理番号」をチェックします。これが「1」から始まっていれば、問題ありません。もしこれが「0」から始まっていれば新しいセキュリティ規格に未対応であることを意味しています。これは取り扱い説明書以外では本体の裏面シールにも記載されています。また、本体記載の数字がうまく読み取れない場合は、以下の識別マークからも確認できます。
ETC(ETC1.0)の車載器の場合、カード挿入口付近に「●●●」と黒丸3つのマークがあれば対応しています。またETC2.0の車載器であれば、カード挿入口付近に「■」のマークが「なければ」対応しています。さらに、もし「DSRC」と記載されていたら旧型のセキュリティ機種であることを意味しています。
問題が起きるのは少しだけ先になるかもしれません。しかし古いセキュリティ規格のものはいずれ使えなくなります。ある日突然使えなくなれば、焦ることは間違いありません。高速道路でそういった不測の事態は避けたいところです。また、2022年問題に関して言えば、気づかずに放置することで違法になる可能性があります。気づいた段階で忘れないうちに、新しいセキュリティ規格のETCに買い替えておいたほうが安心かもしれません。
<参考サイト>
ETCが使えなくなるって本当? 2022年問題と2030年問題について徹底解説!|SmartDrive
https://smartdrive.co.jp/fleet/useful-info/etc2020/
旧スプリアス規格※に基づいて製造されたETC車載器について|国土交通省
https://www.mlit.go.jp/road/yuryo/etc/spurious/index.html
「ETC使えなくなる?」 ETC車載器「10年以上使用」は要注意!? 確認方法は「ETC2022年問題」コロナ禍で影響も|くるまのニュース
https://kuruma-news.jp/post/579374
「あなたの車のETC車載器は大丈夫?」“2022年”と“2030年”のETC問題とは?|MOBY
https://car-moby.jp/article/news/etc-problem-2022year-and-2030year/
ETCが使えなくなるって本当? 2022年問題と2030年問題について徹底解説!|SmartDrive
https://smartdrive.co.jp/fleet/useful-info/etc2020/
旧スプリアス規格※に基づいて製造されたETC車載器について|国土交通省
https://www.mlit.go.jp/road/yuryo/etc/spurious/index.html
「ETC使えなくなる?」 ETC車載器「10年以上使用」は要注意!? 確認方法は「ETC2022年問題」コロナ禍で影響も|くるまのニュース
https://kuruma-news.jp/post/579374
「あなたの車のETC車載器は大丈夫?」“2022年”と“2030年”のETC問題とは?|MOBY
https://car-moby.jp/article/news/etc-problem-2022year-and-2030year/
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