社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
海外に日本の薬は持っていけるのか?
今年こそは海外へと旅行熱が高まっている人も多いのでは。コロナ禍を経験してから、やはり気になるのは海外で急な発熱など、体調不良に陥ったときの対処法です。現地の医療環境は不明なコトも多いので、用意としてどんな薬を持参すればよいかということになります。しかし、手荷物検査や税関で止められることなくクスリを持ち込めるかというのが気になるところですね。今回は、そんな日本から持ち込む薬剤事情をテーマにします。
一口に薬といっても、市販の常備薬と、医師から処方される処方薬があります。それぞれのケースについて、また、出国から機内持ち込み、税関と入国といったシチュエーションで判断が分かれます。
機内持ち込みで注意しておきたいのは、消毒液やドリンクタイプといった液状の薬剤です。国際線では、液体の機内持ち込みに際して、『100mlまたは100gの容量以下の容器に入っており、それらすべてを容量1リットル以下の再封可能な透明プラスチック袋に収納しなければならない』という規定があります。医薬品は例外として扱われるため、こうした規定の対象外となりますが、空港の保安検査場で「医薬品」であることを保安員に伝える必要があります。その際、「医薬部外品」と記載されている製品は医薬品としては扱われないので注意しましょう。
出国は問題なくても、帰国の空港の保安検査場や保安員によっては。薬の説明書や成分表などの提示を求める場合があります。スムーズに出入国できるように、医師の診断書や処方箋、薬の説明書や成分表など、常備薬はパッケージごと手荷物にしておきたいです。
特に注意が必要なのは、精神疾患の治療に用いられる向精神薬、がんなど疼痛緩和などの目的で使用される医療用麻薬です。トラブル回避のため、処方箋や医師による英文証明書を必ず用意しましょう。医療用麻薬は、居住地域の管轄である地方厚生(支)局長から許可を得ておくことで、海外へ持っていくことが可能となります。
なお、持ち込む薬剤の量が旅程に対してあまりにも多過ぎると、あらぬ疑いをかけられてしまうことも。そんなトラブル回避のためにも、必要かつ適正な分量を持ち込むようにしたいものです。加えて、渡航先で所持している薬について、スムーズな対応ができるよう、必要な英会話を覚えておけば万全となります。海外事情は刻々と変化しているので、最新のデータ収集するようにしたいものです。
一口に薬といっても、市販の常備薬と、医師から処方される処方薬があります。それぞれのケースについて、また、出国から機内持ち込み、税関と入国といったシチュエーションで判断が分かれます。
機内持ち込みから注意しておきたいこと
緊張感や食事などでお腹をこわしてしまったり、ケガや発熱や頭痛といった、急な体調悪化などへの備えとなるのが常備薬です。具体的には、胃腸薬、整腸薬、下痢止め、便秘薬、解熱・鎮痛剤、風邪薬、酔い止め、目薬、虫刺され・かゆみ止め薬、消毒薬が想定されます。基本的に、使い慣れて自分にあった薬剤を準備しましょう。なお、機内においては、頭痛や腹痛など体調が悪くなることも考えられるので、そうした常備薬は機内に持ち込みするようにしましょう。機内持ち込みで注意しておきたいのは、消毒液やドリンクタイプといった液状の薬剤です。国際線では、液体の機内持ち込みに際して、『100mlまたは100gの容量以下の容器に入っており、それらすべてを容量1リットル以下の再封可能な透明プラスチック袋に収納しなければならない』という規定があります。医薬品は例外として扱われるため、こうした規定の対象外となりますが、空港の保安検査場で「医薬品」であることを保安員に伝える必要があります。その際、「医薬部外品」と記載されている製品は医薬品としては扱われないので注意しましょう。
出国は問題なくても、帰国の空港の保安検査場や保安員によっては。薬の説明書や成分表などの提示を求める場合があります。スムーズに出入国できるように、医師の診断書や処方箋、薬の説明書や成分表など、常備薬はパッケージごと手荷物にしておきたいです。
粉薬、服用中の処方薬で注意しておきたいこと
医師からの処方薬で注意したいのは、粉状の薬剤です。海外では麻薬など違法薬物の疑いをかけられるケースがあります。粉薬を服用している場合には、他の剤形の薬に変更できないか、事前に医師や薬剤師に相談しておきたいところ。加えて、英文の「薬剤証明書」を主治医や薬剤師に書いてもらえるとトラブル回避に有効です。主治医の薬剤証明書が間に合わない場合は、最寄りの日本旅行医学会認定医に依頼すれば用意してもらえます。特に注意が必要なのは、精神疾患の治療に用いられる向精神薬、がんなど疼痛緩和などの目的で使用される医療用麻薬です。トラブル回避のため、処方箋や医師による英文証明書を必ず用意しましょう。医療用麻薬は、居住地域の管轄である地方厚生(支)局長から許可を得ておくことで、海外へ持っていくことが可能となります。
トラブル回避のために、
持ちこむ薬剤の英文証明書類があっても、渡航先によっては薬剤に含まれる成分や含有量などにより持ち込みが禁じられるケースもあります。持病などで継続的に服用しなければならない場合は、渡航先の駐日外国公館に事前に確認しておくことをおすすめします。なお、書類発行の手続きや確認などは意外と時間がかかるものです。海外渡航が決まっているなら、すみやかに必要な手続きを進めておくと安心です。なお、持ち込む薬剤の量が旅程に対してあまりにも多過ぎると、あらぬ疑いをかけられてしまうことも。そんなトラブル回避のためにも、必要かつ適正な分量を持ち込むようにしたいものです。加えて、渡航先で所持している薬について、スムーズな対応ができるよう、必要な英会話を覚えておけば万全となります。海外事情は刻々と変化しているので、最新のデータ収集するようにしたいものです。
<参考サイト>
・厚生労働省:海外渡航先への医薬品の携帯による持ち込み・持ち出しの手続きについて
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/yakubuturanyou/index_00005.html
・厚生労働省:海外渡航先への医薬品の携帯による持ち込み・持ち出しの手続きについて
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/yakubuturanyou/index_00005.html
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
「学ぶことが楽しい」方には 『テンミニッツTV』 がオススメです。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。
『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
習近平への権力集中…習近平思想と中国の夢と強国強軍
習近平―その政治の「核心」とは何か?(1)習近平政権の特徴
国際社会における中国の動きに注目が集まっている。新冷戦ともいわれる米中摩擦が激化する中、2021年7月に中国共産党は創立100周年を迎えた。毛沢東以来、初めて「思想」という言葉を党規約に盛り込んだ習近平。彼が唱える「中...
収録日:2021/07/07
追加日:2021/09/07
熟睡のために――認知行動療法とポジティブ・ルーティーン
熟睡できる環境・習慣とは(1)熟睡のための条件と認知行動療法
「熟睡とは健康な睡眠」だと西野氏はいうが、健康な睡眠のためには具体的にどうすればいいのか。睡眠とは壊れやすいもので、睡眠に影響を与える環境要因、内面的要因、身体的要因など、さまざまな要因を取り除いていくことが大...
収録日:2025/03/05
追加日:2025/11/23
史料読解法…豊臣秀吉による秀次粛清の本当の理由とは?
歴史の探り方、活かし方(4)史実・史料分析:秀吉と秀次編〈上〉
実際に史料をどうやって読み解いていけばいいのか。今回から具体的な史料の読み解き方をケース・スタディしていく。最初は『太閤記』に関する参考資料を用いて、太閤・豊臣秀吉と関白・秀次の関係を考える。そもそも『太閤記』...
収録日:2025/04/26
追加日:2025/11/22
密教の世界観は全宇宙を分割せずに「つないでいく」
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(4)全てをつなぐ密教の世界観
岡本浩氏、長谷川敏彦氏の話を受けて、今回から鎌田氏による講義となる。まず指摘するのは、空海が説く『弁顕密二教論』の考え方である。この著書で空海は、仏教の顕教は「中論」「唯識論」「空観」など世界を分割して見ていく...
収録日:2025/03/03
追加日:2025/11/20
ギャングの代わりに弁護士!? 壮絶なアメリカ労働史の変遷
内側から見たアメリカと日本(4)アメリカ労働史とトランプ支持層
労働経済を学んでいた島田氏は、ウィスコンシン大学留学中、労働者の教化運動に参加している。アメリカ産業史を学習する中、労働運動の実態を触れ、ウォルター・ルーサーとヘンリー・フォードの熾烈な闘いを知ったからだ。労働...
収録日:2025/09/02
追加日:2025/11/18


