地球温暖化問題~温室効果と異常気象
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
台風予測の精度がスーパーコンピュータで飛躍的に上がる
地球温暖化問題~温室効果と異常気象(3)季節予報の精度向上へ
住明正(理学博士/東京大学名誉教授/東京大学未来ビジョン研究センター 客員研究員)
近年、強い大型台風やゲリラ豪雨が頻発し、毎年、大きな被害を出している。2~3週間先、あるいは1カ月から半年前後の時間スケールで、より正確な気象予報ができれば、そうした災害対策にも有用性は高い。地球温暖化予測の研究をそうした短期予測に応用することで、何が見えてくるのか。国立研究開発法人国立環境研究所理事長・住明正氏のシリーズ「地球温暖化問題」第3回。(全4話中第3話目)
時間:9分58秒
収録日:2015年9月28日
追加日:2015年12月7日
≪全文≫

●短期の季節予報への活用


 ただ、「50年先、100年先もいいけれど、もっと利益につながる話をしろ」というのが最近の風潮でもあります。それで結局、人間というものは、また現代のビジネス社会においては、やはり100年先、200年先を考えるというよりも、半期、半年、1年といった期間の収益を基本的には考えています。そういう中で、長期のことを言っても、ほとんど行動指針にはならないのが現実です。やはり、長期の話をすると同時に短期的な目標を出してかないと、なかなか社会は変わっていかないというのが、われわれの実感です。

 そういう観点で、現在われわれの気象・気候の分野では、1カ月から半年前後の時間スケールの予測情報が、非常に大事なのではないかと考えています。それは、たかだか半年や1カ月と言いますが、やはり1カ月先が分かっていれば非常に役に立ちます。例えば、特に発展途上国等インフラの弱い所ではやはり台風の発生などが非常に重大で、2週間前でも1週間前もいいので事前に分かっていれば、それなりに対応がとれるわけです。そういう点では、やはり短期とはいえ、1カ月程度の予測は非常に大事だと考えています。

 そういう観点で、最近、とても大きな発展があります。日本では京コンピュータなどの大きな計算機も導入され、台風などの擾乱のエンジンとなる積乱雲なども十分に表現できる全球モデルが可能になってきました。それを使って計算してみると、思いのほか熱帯域の大きな変動がよく再現できることが分かってきました。

 皆さん、お気づきと思いますが、台風にしても、のべつ幕なしに出るわけではなく、あるとき台風が発生したら、少し休んで、また次の台風が発生するというように、熱帯の気候はいつも同じというわけではありません。およそ約1カ月から1カ月半程度の時間スケールで大きく変わっています。

 それは、地球規模の変動で、40~60日ぐらいかけて地球を一周します。そこで、発見者の名前を冠して「マッデン・ジュリアン振動」と呼んでいます。その変動を予測すると、それに伴って起きるような台風の発生などが割と予測できることが最近の結果で分かってきました。


●2~3週間先の台風発生を予測する


 実際の長期予報の基本は、地球規模の大きな流れによって、天候のベースを予測します。雨や低気圧などが、どこで起きるか、どのぐらいの...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
生成AI・大規模言語モデルのしくみ(1)生成AIとは何か
10年で劇的な進歩を遂げた生成AIと日本の開発事情
岡野原大輔
断熱から考える一年中快適で健康な住環境(1)日本の住宅の実態と問題点
なぜ日本は夏暑く、冬寒いのか…断熱から考える住宅の問題
前真之
社会はAIでいかに読み解けるのか(1)経済学理論の役割
AIやディープラーニングによって社会分析の方法が変わる
柳川範之
水から考える「持続可能」な未来(1)気候変動の現在地
最悪10メートル以上海面上昇…将来に禍根残す温暖化の影響
沖大幹
ブラックホールとは何か(1)私たちが住む銀河系
太陽系は銀河系の中で塵のように小さな存在でしかない
岡朋治
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子

人気の講義ランキングTOP10
「進化」への誤解…本当は何か?(4)ダーウィンの進化論と自然淘汰の理論
『種の起源』…ダーウィンとウォレスの自然淘汰の理論
長谷川眞理子
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(6)秀吉との信頼関係と秀長の軍事能力
文武両道の名将…大大名たちを魅了した秀長の器量とは?
黒田基樹
逆境に対峙する哲学(8)白隠の覚悟
宮本武蔵「型を捨てろ」と「守破離」が教えてくれること
津崎良典
「次世代地熱発電」の可能性~地熱革命が拓く未来
地熱革命が世界を変える――次世代地熱の可能性に迫る
片瀬裕文
戦略的資本主義と日本~アメリカの復活に学ぶ5つの提言
戦略的資本主義とは?日本再生へアメリカに学ぶ5つの提言
片瀬裕文
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
エンタテインメントビジネスと人的資本経営(2)日本人が知らない世界エンタメ市場
実は「コンテンツ世界収益ベストテン」に日本勢が5つも!
水野道訓
巨大地震予知の現在地と私たちにできること(1)地震予知研究と前兆すべり
地震予知に挑む!確かな前兆現象を捉える画期的手法とは
梅野健
内側から見たアメリカと日本(4)アメリカ労働史とトランプ支持層
ギャングの代わりに弁護士!? 壮絶なアメリカ労働史の変遷
島田晴雄
健診結果から考える健康管理・新5カ条(1)血管をより長く守ることが重要な時代
健康診断の結果が悪い人が絶対にやってはいけないこと
野口緑