「危機の時代」の気候変動
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
「エネルギー危機」問題につきまとう理想と現実のジレンマ
「危機の時代」の気候変動(6)エネルギーの安定供給のために
小原雅博(東京大学名誉教授)
各国が化石燃料から再生可能エネルギーに移行する中で立ちはだかるのは、電力の安定供給をどのように担保するかという問題である。特にエネルギー価格の高騰など世界が危機に瀕した時に、その問題は顕わになる。再生可能エネルギーへの移行期をどう乗り切るかについて、注視すべき点を見ていく。(全6話中6話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:15分56秒
収録日:2022年2月16日
追加日:2022年5月12日
≪全文≫

●「電力供給の安定性」という難題


―― では順次、質問をしていきたいと思います。まず前提として、今回のシリーズ講座の冒頭でお話しいただいたように、各国の科学者が研究をした結果、現状においては気温上昇を1.5度以内に収めなければならず、そこに至るまでの削減量なども算出されたということですね。

小原 はい。そういうことです。

―― それがまさに「総論賛成」の総論部分になってくるということですが、最後にお話しくださったように、実際それをどうやって実現していくかというところで、かなり難しい問題が出てきているということですね。

小原 はい。特に今、世界が直面しているのがエネルギー価格の高騰です。特に化石燃料においてです。これは、やはり一気に再生可能エネルギーに転換しようとする中で生じている問題だと思います。先ほど言ったように、再生可能エネルギーは供給が不安定です。不安定な局面になったときに、どうやって電力供給を安定させるのかという非常に難しい問題に今、世界は直面しているのです。

 したがって、移行期(再生可能エネルギーに完全に移行するまでの間)をどうつないでいくのか。その間に起きるエネルギー危機にどう対応していくのか。これらを考えると、経済の問題あるいは地政学の問題などが関係してきます。そういう意味で難しいところがあります。

 だけど、その問題を乗り越えながら、なんとか気温上昇を1.5度以内に抑えていかなければいけません。今、全ての政治的な目標が達成されたとしても、科学者からすれば、1.5度以内に抑えるのは絶望的だといわれています。従って、この大きな目標を達成し、人類の危機に打ち勝つためには、もっともっと努力をしなければいけません。

 そこには技術革新が必要ですし、途上国支援が必要です。そしていろいろな制度づくりも必要です。J-クレジット制度など排出権取引あるいは税制も含めて、国家の役割も重要になってくると思います。


●技術革新と化石燃料市場とのバランスがカギ


―― そうしますと、今後のエネルギー政策、ないしは産業政策を考えるときに当然、資源価格がどうなるのかが重要となります。そこで、ぜひ長期的な見通しをお聞きしたいのですが、小原先生は今後の資源価格についてはどうお考えですか。

小原 第2話で「parity」の話をしましたが...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
教養としての「人口減少問題と社会保障」(1)急速に人口減少する日本の現実
毎年100万人ずつ減少…急降下する日本の人口問題を考える
森田朗
ハーディングとトランプ~100年前の米大統領選を読む(1)米国第一主義の台頭
1920年のアメリカファースト…ハーディング大統領の勝利
東秀敏
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(1)ポピュリズムの台頭と社会の分断化
デモクラシーは大丈夫か…ポピュリズムの「反多元性」問題
齋藤純一
お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法(1)銀行がお金を生む仕組み
信用創造・預金創造とは?社会でお金が流通する仕組み
養田功一郎
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫
政治思想史の古典『法の精神』と『社会契約論』を学ぶ(1)二人の思想家
モンテスキューとルソー…二人の思想家の共通の敵とは?
川出良枝

人気の講義ランキングTOP10
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(3)孤食リスクと加齢に伴うホルモン変化
「孤食」が危ない…独身男性の一人の食事はうつのリスク2倍以上に
小川純人
現代人に必要な「教養」とは?(1)そもそも教養とは何か
教養とは…本質を捉える知、他者を感じる力、先頭に立つ勇気
小宮山宏
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
「満洲」から考える日本とアジア(1)「満洲」を知る意義とは
「満洲史」はなぜ現代日本でタブー視されるのか?…王道楽土の夢とアヘンなどの裏面から見えてくる現代への教訓
宮脇淳子
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子
「アカデメイア」から考える学びの意義(1)学びを巡る3つの危機
「学びの危機」こそが現代社会と次世代への大きな危機
納富信留
キリンでつかんだ「幸せになる」仕事術(2)どうすれば好循環が生まれるか
「お客様のため」に心が向かうとイノベーションも起きる
田村潤
中国春秋戦国時代と始皇帝(3)戦国時代初期――戦国七雄と合従連衡
戦国七雄とは?合従連衡とは?…各国の勢力拡大と小国家の運命
鶴間和幸
日本の財政の真実を検証する(1)膨らむ借金の知られざる実態
日本の財政の「真実」をデータで徹底検証…国際機関の分析は?
宮本弘曉
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉