地球温暖化問題~温室効果と異常気象
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
緩和策と適応策で地球温暖化に伴う気候変動に備える
地球温暖化問題~温室効果と異常気象(4)排出削減から適応策へ
住明正(理学博士/東京大学名誉教授/東京大学未来ビジョン研究センター 客員研究員)
長期・短期の予測と問題意識を踏まえ、では、地球温暖化の具体的な対策として、何をどうしていくべきなのか。また、実際問題として、何が可能なのか。すぐできること、時間をかけてしていくこと。国がすること、個人ができること。国立研究開発法人国立環境研究所理事長・住明正氏が、さまざまな角度から温暖化対策の希望を語る。シリーズ「地球温暖化問題」最終回。(全4話中第4話目)
時間:12分59秒
収録日:2015年9月28日
追加日:2015年12月14日
≪全文≫

●適応策への注目が高まってきた


 それでは、温暖化に対してどうしたらいいかというと、従来は、いわゆる排出削減を中心とした緩和策が中心でした。基本的にはCO2を出さないようにする。そのためにはどうしたらいいか、ということが中心でした。

 それに対して、最近では、適応策をもっと考えるべきだという意見がどんどん強くなってきましたし、現に今回のCOP21(気候変動枠組み条約第21回締約国会議)でも、その話が非常に大きな課題になると思います。

 では、なぜ適応策が従来あまり議論されなかったかというと、「適応で対処できるのなら、何も削減などしなくていい」という声が上がるのではないかという危惧からでした。これはいわゆるモラル・ハザード(倫理の欠如)と言いますが、「適応できるのなら別にもう何でもいいじゃないか」となってしまうのではないかという懸念があって、あまりそういうこと(適応策の議論)は言わないでおこうという雰囲気でした。

 ところが、ここに至って、そんなに簡単に削減は進みませんし、皆、頑張ってはいるものの、「やはり温暖化は避け難い」と、多くの人が考えるようになってきました。そうなると、実際に起きてから、「さあ、どうしましょうか」では間に合わないことが結構ありますので、今の時点から、将来の温暖化に対応してどうすべきか、今のうちから手段を練っておく必要があるという時代になったと言えます。


●緩和策と適応策は車の両輪


 また、もう一方、温暖化の問題は、すでに発展をした日本を含む先進国と、これから国づくりをしていく発展途上国との立場の違い、対立だと言われています。発展途上国に発展をやめろとは言えませんので、世界中の全ての国がちゃんとそれなりに新しい国づくりに向かえるような手立てを考える必要があります。そうすると、何はともあれ、やはり開発は避けがたいのです。ですから、国連などでもそうですが、現在では、サステイナブル・ディベロップメント・ゴールズ(持続可能な発展目標)というように、基本的に持続可能な発展をどう展開するかと考えるのが、現在の世界の潮流になっています。そういう持続可能な発展を考える際に、温暖化適応、気候変動に十分考慮して発展性を考えましょうという意味で考えられています。

 適応策だけやれば緩和策はしなくていいというわけではなく、当然、緩和策も頑張って...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
断熱から考える一年中快適で健康な住環境(1)日本の住宅の実態と問題点
なぜ日本は夏暑く、冬寒いのか…断熱から考える住宅の問題
前真之
社会はAIでいかに読み解けるのか(1)経済学理論の役割
AIやディープラーニングによって社会分析の方法が変わる
柳川範之
ブラックホールとは何か(1)私たちが住む銀河系
太陽系は銀河系の中で塵のように小さな存在でしかない
岡朋治
培養肉研究の現在地と未来図(1)フェイクミート市場とリアルミート研究
食肉3.0時代に突入、「培養肉」研究の今に迫る
竹内昌治
レアメタルの光と影(1)イントロ
イノベーションがレアメタルをコモンメタルにする
岡部徹
ヒトの性差とジェンダー論(1)「性」とは何か
MLBのスーパースターも一代限り…生物学から迫る性の実態
長谷川眞理子

人気の講義ランキングTOP10
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
聖徳太子「十七条憲法」を読む(1)十七条憲法を学ぶ現代的意義
聖徳太子の「和」は議論の重視…中華帝国への独立の気概
賴住光子
これから必要な人材と人材教育とは?(2)AI時代に必要とされる能力
AI時代に必要なのは「問いを立てる能力」…いかに育成するか
柳川範之
これからの社会・経済の構造変化(1)民主主義と意思決定スピード
フラット化…日本のヒエラルキーや無謬性の原則は遅すぎる
柳川範之
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(6)政治と経済をつなぐ公共哲学
どのような経済レジームを選ぶか…倫理資本主義の可能性
齋藤純一
平和の追求~哲学者たちの構想(7)いかに平和を実現するか
国際機関やEUは、あまり欲張らないほうがいいのでは?
川出良枝
ソニー流「人的資本経営と新規事業」成功論(3)「現場の熱」こそ多角化の要点
新規事業を成功させるリーダーとは…上意下達はなぜダメか
水野道訓
「次世代地熱発電」の可能性~地熱革命が拓く未来
地熱革命が世界を変える――次世代地熱の可能性に迫る
片瀬裕文
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
2026年大河ドラマ『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の実像に迫る
黒田基樹