ワシントン発、安全保障の未来像
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
いまだ政変が起きず衝突が長期化する国を米国は最も懸念
ワシントン発、安全保障の未来像(2)中東政変を分析
吉田正紀(元海上自衛隊佐世保地方総監/一般社団法人日本戦略研究フォーラム政策提言委員)
ロシアと並んでアメリカにとっての大きな脅威は、中東情勢だ。元海上自衛隊佐世保地方総監・吉田正紀氏は、2011年に起こった中東政変の展開では、当該国指導者の在位年数がカギを握ったと述べる。そして政変が長期化した地域に、ロシアの思惑やイスラム国が加わったことで、事態はさらに悪化している。(全5話中2話目)
時間:8分14秒
収録日:2015年11月11日
追加日:2015年12月21日
≪全文≫

●アメリカの安全保障にとって、もう一つの脅威は中東だ


 次に、アメリカにとってもう一つの脅威の認識である中東について述べます。中東も、昔から紛争が絶えないところです。ここも、バラク・オバマ大統領が政権を取った後というところから見ると、2011年1月のチュニジアでの政変に端を発した、中東における一連の革命・改革の流れ、いわゆる「ジャスミン革命」とも呼ばれる革命が(変化の)一つの契機になっています。

 これは細かく述べますときりがないので簡単に言いますと、チュニジアの政変を受けてデモが拡大した国と、それからデモがいったん広がった後に収束した国、情勢が悪化した国、まだ続いている国といった分類ができるかと思います。


●中東政変の分析1:デモが早期に収束した国/しなかった国


 まず大きくは、結果的にこの時のデモが収束していない国と、デモが早期に収束した国に分類することができます。収束した国と収束しなかった国の違いの一つに、その国の指導者の在位年数が挙げられます。収束しなかった国の指導者は、在位30年以上という長期にわたって統治をしており、いずれの国も原則として政治的自由の希求が認められていたにもかかわらず、実際には独裁政権が続いていた。このような、建前と現状の乖離に対する国民の不満が爆発したものとして分析が可能です。

 余談になりますが、この時に中国やロシアがこの「ジャスミン革命」に着目したのは、まさにこの部分です。特に中国は、長い間こういった(独裁の)状態が続いている。革命が我わが国に波及するのではないかということで、ここに注目したわけです。話を本筋に戻します。

 では、収束した国の場合はどうかといいますと、これは王制や首長制などにより、誰もが国の最高指導者になれるわけではない、というそもそもの前提があった国が多数でした。そのためデモ隊は、国家体制の根幹を覆すほどの変化を要求することなく、デモは収束したわけです。一方、政治的自由が認められているアルジェリアやジブチでは、在位年数が比較的許容範囲であったと見られ、国のトップの辞任を求める前にデモは収束しています。


●中東政変の分析2:デモが政変に変化した国


 次に、デモが収束しなかった国を、さらにデモが政変に変化した国とデモ・衝突が長期化している国に分類して考察します。デモが政変に変化した国が、エジ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
こどもと学ぶ戦争と平和(1)私たちに必要な想像力と戦争体験
なぜ戦争が起こるのだろう…大切なのは想像力と生の声
小原雅博
緊急提言・社会保障改革(1)国民負担の軽減は実現するか
国民医療費の膨張と現役世代の巨額の「負担」
猪瀬直樹
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博
グローバル環境の変化と日本の課題(1)世界の貿易・投資の構造変化
トランプ大統領を止められるのは?グローバル環境の現在地
石黒憲彦
過激化した米国~MAGA内戦と民主党の逆襲(1)米国の過激化とそのプロセス
トランプ政権と過激化した米国…MAGA内戦、DSAの台頭
東秀敏
戦略的資本主義と日本~アメリカの復活に学ぶ5つの提言
戦略的資本主義とは?日本再生へアメリカに学ぶ5つの提言
片瀬裕文

人気の講義ランキングTOP10
日本人とメンタルヘルス…心のあり方(4)甘えない子が心の病気になる
二宮尊徳はヤングケアラー!?なぜ甘えない子が心を病むのか
與那覇潤
新撰組と幕末日本の「真実」(8)戊辰戦争~明治期の新撰組の魂
受け継がれる魂…戊辰戦争での奮戦と自由民権運動の情熱
堀口茉純
人生100年時代の「ライフシフト概論」(1)人生100年時代のインパクト
80歳まで現役でいるために大切なこと…人生100年時代の発想法
徳岡晃一郎
『還暦からの底力』に学ぶ人生100年時代の生き方(1)定年制は要らない
仕事をするのに「年齢」は関係ない…不幸を招く定年型思考
出口治明
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
ラフカディオ・ハーン『神国日本』を読む(3)祖先崇拝の5つの特徴
夢魔の重圧?…なぜ「バチあたりの人間」が村八分になるのか
賴住光子
定年後の人生を設計する(1)定年後の不安と「黄金の15年」
不安な定年後を人生の「黄金の15年」に変えるポイント
楠木新
性はなぜあるのか~進化生物学から見たLGBT(1)有性生殖と無性生殖
なぜ雄と雌の2つの性別があるのか…「性」の謎とLGBT
長谷川眞理子
ドンロー・ドクトリンの台頭(1)トランプ系論と2025年度版NSS
ドンロー・ドクトリンとは?トランプ系論と西半球の重要性
東秀敏
これから必要な人材と人材教育とは?(1)人手の供給不足とマクロ経済への影響
ごく一部の人手不足が「致命的」になる…Oリング・セオリー
柳川範之