森と都市の共生~木材活用の豊かな社会
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
木はレンガと一緒――このやわらか発想が鍵!
森と都市の共生~木材活用の豊かな社会(4)西欧で木造建築が進化する理由
腰原幹雄(東京大学生産技術研究所 教授)
東京大学生産技術研究所教授・腰原幹雄氏による、木造建築を知り・考えるシリーズ講話第4話目。今回は、多くの足かせゆえに、なかなか木造の可能性を広げられない日本と、どんどん高層の木造建築を建てている西欧の違いについて考える。(2015年11月19日開催日本ビジネス協会JBCインタラクティブセミナー「森と都市の共生~都市木造の役割」より、全8話中第4話)
時間:11分05秒
収録日:2015年11月19日
追加日:2016年4月28日
≪全文≫

●建築基準法改正が木造にもたらしたメリット


 時代が少し変わると、1980年代に貿易摩擦が激化し、日本は輸出大国になってあまり輸入をしない、と言われるようになりました。木材関係でいえば、「お前ら、木造建築を造るわりに、木を輸入しないな」ということです。なぜかというと、日本の建築基準法の規制で、木造では2階建てまでしか造ってはいけない、あるいは大きい建築を造ってはいけない、と書いてあったからです。それを撤廃しようということで、1987年に建築基準法が改正され、3階建ての木造住宅が建てられるようになると、こういう大きい屋根の建築が造れるようになる。ドームや体育館といったものです。その時に、大断面集成材という小さい材を接着して大きくした材が出てきます。

 そして、ここで実はいいことと悪いことが起きるのです。いいことは何かというと、このように、鉄骨造やRC造(鉄筋コンクリート造)と同じように構造計算できる木造建築が生まれるようになる。ですから、前回もお話ししましたが、これから出てくる都市木造は都市部に建っているのだから、木造だからといって、今まで通りに造ればいいというわけではなく、鉄骨や鉄筋コンクリートで造っている建物と同じような性能の建物を造らないといけないわけです。そのためには、構造計算、耐震性というものを検証しなければいけない。ここでその技術がスタートをするわけです。


●改正の悪影響-「屋根の建築」という思い込み


 ただ、一方で悪い面もあるのです。何かというと、「木造は屋根の建築だ」と思い始めてしまったのです。見上げるものや、細かい材をたくさん束ねたガチャガチャしたもの。よく民家や農家で、天井を張っていない所で屋根を見ると、「おっ、すげー太い材がある」などと言って感心する、そういう文化になってしまったのです。「文化になってしまった」と言うと後のオチになってしまうのですが、なぜか屋根の建築というのが木造だということになってしまったわけです。

 でも、都市部にはこんな建築はいらないのです。都市部には、屋根の建築ではなくて床の建築が欲しいのです。床がたくさんあるような建築でなければ困るのです。だから、実は「この写真のイメージが木造です」と言われると、都市部には絶対、木造は建たないのです。ですから、これも駄目なわけで、要は過去から学ぶものは実はあまりない...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
火山の仕組みを知る(1)火山の世界的分布と噴火の仕組み
火山噴火が起こるメカニズムと日本の火山の特徴
藤井敏嗣
もっと知りたいイヌのこと(1)イヌの歴史を振り返る
オオカミはいつイヌになったか…犬の起源と家畜化の歴史
長谷川眞理子
発酵はマジックだ!
色を消し、脂を溶かし、水を分解―スゴすぎる発酵の力!
小泉武夫
知能と進化(1)知性と身体性
AI、ディープラーニングとは…知能と身体性は不可分か?
長谷川眞理子
本当によくわかる「量子コンピュータ入門」(1)量子コンピュータとは何か
「量子コンピュータ」はどういうもので、何に使えるのか
武田俊太郎
水から考える「持続可能」な未来(1)気候変動の現在地
最悪10メートル以上海面上昇…将来に禍根残す温暖化の影響
沖大幹

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(15)昭和の名将・樋口季一郎
【10min解説】ユダヤ人救出、奇跡の撤退…名将・樋口季一郎
テンミニッツ・アカデミー編集部
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
ウェルビーイングを高めるDE&I(2)人と組織を取り巻く環境変化:後編
なぜ日本の幸福度は低すぎるのか?会社任せで失われる自律性
青島未佳
イラン戦争と終末論(1)イラン戦争の戦略的背景と米国の政策
なぜイラン戦争がこのタイミングなのか?戦略的背景に迫る
東秀敏
百姓からみた戦国大名~国家の本質(1)戦国時代の過酷な生存環境
戦国大名と民衆の過酷な課題…飢饉の常態化をどう生き延びるか
黒田基樹
昭和の名将・樋口季一郎…キスカ・占守島編(1)キスカ島撤退作戦
5200人の将兵を救え…米軍も称賛した「キスカ島撤退作戦」の奇跡
門田隆将
昭和の名将・樋口季一郎…ユダヤ人救出編(2)オトポール事件と極東ユダヤ人大会
オトポール事件と極東ユダヤ人大会の真相…失脚覚悟の決断
門田隆将
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
天下人・織田信長の実像に迫る(1)戦国時代の日本のすがた
織田信長の「天下」とは…最新研究で激変する人物像・時代像
柴裕之
人の行動の「なぜ」を読み解く行動分析学(1)随伴性
三日坊主、部屋が片付かない…なぜできないか行動分析学で考える
島宗理