森と都市の共生~木材活用の豊かな社会
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
建築はみんなのお祭り、素人も手を出せるのが木造の魅力
森と都市の共生~木材活用の豊かな社会(6)都市木造の街並に向けて
腰原幹雄(東京大学生産技術研究所 教授)
2000年から始まった都市木造の取り組みだが、現実にはまだ一部の人にしか知られていない。木の香りと手触りを身近に取り戻せば、私たちの暮らしはどんなに変わるだろう。東京大学生産技術研究所教授・腰原幹雄氏に、都市木造を啓蒙活動の側面から語っていただく。(2015年11月19日開催日本ビジネス協会JBCインタラクティブセミナー「森と都市の共生~都市木造の役割」より、全8話中第6話)
時間:8分10秒
収録日:2015年11月19日
追加日:2016年5月12日
≪全文≫

●木造の魅力を引き出す技術と「木」の外壁


 現在の都市木造技術はまだ「竪穴式住居」状態で模索中ですが、一歩先にある魅力の部分も足さなければなりません。では、どんな外観をしていたら格好がいいのだろうと考え始めると、実は少しずつですが、もう出てきています。

 都市の中で、建物自体は木造でなくても、木の外壁を使おうという動きが出始めているのです。例えば浅草の観光センターもそうですし、こちらは表参道の交差点にある商業施設です。

 建築家は、どういうわけか細い木をたくさん並べるのが好きです。いろいろな都市部で木の外壁のビルの写真を撮ると、大概似たような趣きになります。これは何かというと、町家の「千本格子」とか柱梁の線なのです。

 昔のような2階建てぐらいなら、傷んでも梯子を使えば交換できますが、ここまで高い建物になると、上の方が腐ってきたときにはどうやって交換するのかも考えなければいけない。残念ながら、今のところは、まだその技術が確立されていません。


●技術を開発するには案件が必要というジレンマ


 ここに4枚写真があります。木がたくさん見えている左側の2枚は木造ではなくて、木の見えない右側の2枚が木造の建物です。なぜこうなるのかというと、木を構造材として使った場合、外に露出すると「雨掛かり」の高いハードルがあるので、なかなか前面には出せない。でも、鉄筋コンクリート造であれば、木は交換できる前提なので、見えるようにできるということです。この辺りが技術のジレンマなのですが、将来的にはこういう建物も本当に木造で完成できるようになるかもしれません。

 今後問題になるのは、このような技術開発は案件、課題がないと全く前に進めない点です。まさに「鶏が先か、卵が先か」のようなものです。建てたいけれども「建てられる技術がないから、建てません」と言われてしまうのですが、「建てたい」と言われないと、技術もなかなか進歩しないわけです。

 日本初の本格的な木造オフィスは、誰が建ててくれることになるのでしょうか。こういう講演会などでお話しするときに私は必ず、「皆さん、ぜひ本社ビルを木造にしてください。今なら『日本初』という冠がいくらでもついてきます」と言っています。ぜひやっていただきたいと思います。


●「木の風景」を伝えるイベントは都会の中心で


 私たちの活動では、「風景...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
「宇宙の創生」の仕組みと宇宙物理学の歴史(1)宇宙の階層構造
「宇宙の階層構造」誕生の謎に迫るのが宇宙物理学のテーマ
岡朋治
レアメタルの光と影(1)イントロ
イノベーションがレアメタルをコモンメタルにする
岡部徹
進化生物学から見た「宗教の起源」(1)宗教の起源とトランス状態
私たちにはなぜ宗教が必要だったのか…脳の働きから考える
長谷川眞理子
知能と進化(1)知性と身体性
AI、ディープラーニングとは…知能と身体性は不可分か?
長谷川眞理子
進化的人間考~ヒトの性質と異様な現代社会(1)進化のスパンと現在の人間生活
ヒトの進化史を文明の発展の時間軸から考える
長谷川眞理子
社会はAIでいかに読み解けるのか(1)経済学理論の役割
AIやディープラーニングによって社会分析の方法が変わる
柳川範之

人気の講義ランキングTOP10
昭和の名将・樋口季一郎…ユダヤ人救出編(5)陸軍悪玉論の中の名将たち
武力を持ったエリート官僚たち…陸軍悪玉論と個々人の決断
門田隆将
イラン戦争と終末論(1)イラン戦争の戦略的背景と米国の政策
なぜイラン戦争がこのタイミングなのか?戦略的背景に迫る
東秀敏
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
ロシアのハイブリッド戦争と旧ソ連諸国(1)ロシアの勢力圏構想とNATO拡大
「ハイブリッド戦争」の実像…ロシアが考えていることとは何か?
廣瀬陽子
ウェルビーイングを高めるDE&I(1)人と組織を取り巻く環境変化:前編
人材はコストではない!人的資本経営が注目されている背景
青島未佳
編集部ラジオ2026(13)心の「柔軟性」を高めるヒント
【10minでわかる】心の「柔軟性」を高めるヒント
テンミニッツ・アカデミー編集部
オリエント 東西の戦略史と現代経営論に学ぶ(1)ビジネスのヒントは歴史にあり
『失敗の本質』、中国古典…ビジネスのヒントを歴史に学ぶ
三谷宏治
イラン戦争とトランプ大統領の戦争指導(1)米軍式戦略リーダーシップによる評価
イラン戦争…トランプ大統領の戦争指導のどこが問題なのか?
東秀敏
「心から幸せになるためのメカニズム」を学ぶ(1)心理学研究と日本の幸福度
実は今、「幸せにも気をつける」べき時代になっている
前野隆司
人の行動の「なぜ」を読み解く行動分析学(1)随伴性
三日坊主、部屋が片付かない…なぜできないか行動分析学で考える
島宗理