森と都市の共生~木材活用の豊かな社会
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森と都市の共生~木材活用の豊かな社会(7)いろいろな木をいろいろに使う
腰原幹雄(東京大学生産技術研究所 教授)
これまでの木造建築では、山から木を選ぶことが重要とされてきた。しかし、東京大学生産技術研究所教授・腰原幹雄氏が理事長を務めるNPO法人「team Timberize」では、「いろいろな木をいろいろに使う」ことを活動の一つとしている。社会システムや価値観が変化した現代の都市の中で、山を生かすために木を活用するさまざまな方法を語っていただく。(2015年11月19日開催日本ビジネス協会JBCインタラクティブセミナー「森と都市の共生~都市木造の役割」より、全8話中第7話)
時間:12分53秒
収録日:2015年11月19日
追加日:2016年5月19日
≪全文≫

●山に自生するいろいろな木を使う


 これまでの木造建築では、山で木を伐り出して丸太にし、柱や板に加工して住宅を造ってきましたが、あまり大した技術はありませんでした。ローテクの世界で、なんとなく造ってきたのです。

 伝統的な木造では山に行って木を選んでいたかもしれませんが、都市木造は規格材を前提にしますから、木を選ばない。林業では、真っすぐ育てようとか節を減らそうという努力はしますが、遺伝子操作をして強い木をつくろうというようなことは、やっていません。成果が出るのが50年後になるからだと聞きました。

 栽培植物は翌年に結果が出るからすぐに改良できるけれど、樹木はそうはいかない。現状はこういうことになっているわけです。今の世の中は、「山に行けば、こういう木があるだろう」という想定で規格材をつくっていく文化ですが、実際の山の中はこういう状態なので、いろいろな木があるわけです。

 山は、木をつくるためにあるわけではない。山を元気にするために木を植えているのだとすると、生えている全ての木を使うための仕組みもつくらなければいけないわけです。つまり、多様な木を多様な用途に使うということです。


●「間伐材」というブーム


 「山のために木を使う」というと、「間伐材」という言葉が連想されます。間伐材は専門用語ですから、本当は専門家しか知らないはずなのに、どこからかブームになってしまいました。「山には間伐材というのがあって、捨てられているから使ってあげると環境にいい」というのですが、それはうそです。

 間伐材とは、「主伐材」を高く売るために、周りで間引かれた木のことです。木を高くするために頑張っている木ですから、別に細い木や小さい木というわけではない。いくら太く育っていても、こちらを大事にするためにそちらを伐るというだけです。

 また、主伐材を高く売るために間伐しているわけですから、世の中の誰もが皆、間伐材ばかりを使っても困ります。しかし、まずは間伐材の使い道を考えようというので、細い木や短い木をどうやって使うかという話になっているのです。


●細い木、短い木を生かして使う


 通常、10.5センチから12センチあれば木造住宅ができます。それより細いものは住宅には使えないが、工事現場にある「現場小屋」ならいいのではないか。現場小屋を木造でできないかというので、...

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