高速ビジョンが創る未来~高速画像処理の可能性
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高速ビジョンが創る未来~高速画像処理の可能性(6)夢のロボットが実現
石川正俊(東京理科大学学長/東京大学名誉教授)
「打率10割のバッティングロボット」「絶対負けないじゃんけんロボット」「時速20キロメートルで走る二足歩行ロボット」。東京大学大学院情報理工学系研究科教授・石川正俊氏が、超高速画像処理の技術を活用した夢のロボットを実現した。(全7話中第6話)

※テキストの文中に参考動画(YouTube)へのリンクがありますので、併せてご覧ください。
時間:12分11秒
収録日:2016年1月7日
追加日:2016年8月13日
≪全文≫

●打率10割のバッティングロボット


 こうした高速の画像処理は、当然ロボットにも使うことができます。ロボットに使うことによって、視覚で捉えた情報でロボットを的確に動かすことが可能になります。しかも、ここに高速の画像処理を使えば、そのビジュアルフィードバックは高速にビジュアルフィードバックができるということになるので、視覚の情報に対して的確な動きをつくり出せます。

 最初にお見せしたいのは、バッティングロボットというものです。

【参考動画1】バッティングロボット

Batting Motion
https://www.youtube.com/watch?v=wPCYm-Js0WY


 このビデオの中にはカメラが2台あり、しかもアクティブビジョン、つまりキョロキョロと動く目があります。このキョロキョロする目の二つのカメラで捉えますので、真ん中を通るボールの3次元の位置が、1000分の1秒ごとに分かります。1000分の1秒ごとにボールの3次元位置が分かりますから、その情報を得たバッティングロボットは、そのボールにバットを合わせればいいということになります。ストライクゾーンに入り、バッティングロボットが届く範囲にボールが来れば、それは100パーセント当てることができるというものです。

 この場合、1000分の1秒ごとのボールの位置が分かりますので、ボールがどこへ来るだろうという大幅な推測や予測、それから学習は必要がなくなります。得たデータに合わせてバットを振ることで、ボールに当てることができます。ただ、6センチメートルのバットで9センチメートルのボールを打っていますが、残念ながら、3次元のボールの位置の精度がまだ1センチメートルほどしかないので、1センチずれるとどこへ飛ぶか分かりません。しかし、ボールには必ず当たります。

 丸いバットではなくて平らなバットですれば、同じ方向に打ち返すこともできますので、この場合は、ホームランを打てということであればホームランも打てる、あるいは、ヒットを出せといえばヒットも打てるバッティングシステムになります。ビデオでは、そういうところもご覧いただけます。


●3本指でストライクを投げるスローイングロボット


 また、...

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