高速ビジョンが創る未来~高速画像処理の可能性
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超高速画像処理の応用実例と可能性
高速ビジョンが創る未来~高速画像処理の可能性(4)ヒューマンインターフェース
石川正俊(東京理科大学学長/東京大学名誉教授)
時速150キロを超える速球派メジャーリーガーの投球をストップモーションのように細かく追うことができる。超高速画像撮影は、それほど「速い」のだ。その技術は、手の動きだけで遠隔操作できるロボットや、動く対象へのプロジェクションマッピングにも展開が可能。今回は、そうした技術の応用実例と可能性について、超高速画像処理の応用の実際を東京大学大学院情報理工学系研究科教授・石川正俊氏が解説する。(全7話中第4話)

※テキストの文中に参考動画(YouTube)へのリンクがありますので、併せてご覧ください。
時間:12分49秒
収録日:2016年1月7日
追加日:2016年7月29日
≪全文≫

●高速ビジョンで何が可能になるのか


 では、高速ビジョンの応用についてお話ししたいと思います。

 高速のビジョンをアルゴリズムから見ると、今までと異なるアルゴリズムを導入することが可能になります。今までの遅い画像処理の場合は、最初にこのような絵(仮にAの状態とする)があったとき、次の絵はここ(仮にBの状態とする)まで飛んでしまう。処理が遅いので、高速に動くものに対しては、Aの次が遠く離れたBになってしまうということです。そうすると、2つの情報だけで、AからBへものが動いたことを理解する必要があります。ところが、間の情報が全部欠落していますから、相当に大変な処理をして、予測をして、いろいろなマッチングをして、やっとBを見つける処理ができます。

 ところが、高速化されますと、Aの絵の次はすぐ横のここ(仮にAダッシュとする)の絵になります。AからAダッシュを抽出すればいいわけですから、高速化することはアルゴリズムを簡素化することになります。この簡素化されたアルゴリズムを、時間的な密度を高くして、Aの次はAダッシュ、その次はここ(そのすぐ横)、さらにその次はここ(そのまたすぐ横)というように連続的につないでいくことによって、この対象(A)がここ(B)まで移ったことが容易に分かるようになります。これが高速化の威力です。

 この高速化した威力をうまく使うことによって、アルゴリズムが簡素化されますから、簡素化されたアルゴリズムは簡単な処理回路でも大きな効果を得ることができます。これが高速化画像処理の大きなポイントになります。それを利用して、いろいろな応用が展開されています。今日はその一つとして、ヒューマンインターフェースの話をしたいと思います。


●人の動きをタイムラグなく追い掛ける


 ヒューマンインターフェース、すなわち、人間の手の動きを高速のビジョンで捉えて、その動きに合わせて何らかのロボットやディスプレイや機械を動かしたい場合、人間の動きを撮ることが基本になります。

 例えば、大リーグのピッチャーなどは時速150キロメートルのボールを投げられるわけですから、手の動きはそれに近いスピードで動きます。仮に時速150キロメートルの対象の動きを撮るとすれば、30分の1秒の画像処理だと、1.4メートルおきのデータしか撮れません。ところが、1秒間に1000枚(1000分の1秒)の画像処...

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