天皇陛下のおことば~ご譲位について考える
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
生前退位の問題は摂政を置くことでは解決しない
天皇陛下のおことば~ご譲位について考える(1)天皇の「老い」と「終焉」
山内昌之(東京大学名誉教授/歴史学者/武蔵野大学国際総合研究所客員教授)
2016年8月8日、象徴としてのお務めについての天皇陛下のおことばが公表された。歴史学者で皇室制度に関する有識者ヒアリングのメンバーでもある山内昌之氏が、そのおことばのポイントが何であり、それを私たち日本国民はどう受け止めるべきなのかを解説する。今回のメッセージで特徴的だったのは、在世中の譲位を言外に含めつつ、「天皇の終焉」や「老い」による公務の難しさに触れたことだった。(全3話中第1話)
時間:11分28秒
収録日:2016年8月9日
追加日:2016年8月12日
≪全文≫

●8月8日のビデオメッセージ


 皆さん、こんにちは。皆さんもご存知のように、2016(平成28)年8月8日月曜日の午後3時に、今上天皇、すなわち現在の天皇陛下は、今の心の内をビデオメッセージとして、国民に対し広くお語りになりました。天皇陛下のこのおことばは、平成という時代を次の時代へと区切り、そして次の時代へと継承することになるような、大きな節目になるおことばではなかったかと思います。そしてそこでは、将来のご退位、あるいはご譲位に関わる可能性を含むおことばも、事実上含まれていたかのように思われます。

 今上天皇の28年間にわたるご在位の間のご苦労について、ほとんどの国民が実感をもって理解あるいは共感できるようなお気持ちの表明ではなかったかと私には思われます。天皇陛下は、憲法に規定された象徴としてのお立場を忘れずに、「個人的に」という限定の下で、人間天皇の心の内面を、個人として率直にお語りになりました。私はこのおことばを伺っていて、2011(平成23)年の東北地方・太平洋沖大震災の折のビデオメッセージ以来の感動・感銘を受け、かつ緊張感を覚えました。


●「象徴としての天皇」の到達点


 象徴天皇の地位に関わるご発言には、大変重いものがありました。天皇陛下が仰ったのは次のことです。まず個人として、二度の外科手術を経験し、加えて高齢化によって体力の低下を覚えるようになったということについて、率直に言及されました。そして「齢80を超え、健康であるとは申せ、次第に進む身体の衰えを考慮する時」という表現を使い、これまでのように、全身全霊をもって象徴天皇のお務めを果たしていくことが難しいのではないかということを、国民に向かって語られたのです。

 さらに天皇陛下は、これまで国民の安寧と幸せを祈ることを大切に考えてきたと同時に、国民の悲しみの時も、あるいは喜びの時も共に過ごしてきたというおことばを私たちに与えてくださいました。天皇の、象徴としてのこうしたご活動やご努力は、とりわけ日本各地、特に遠隔の地や島々への旅も、ご自身にとっては天皇の象徴的行為として大事であり、大切なものだとお感じになったがゆえのものです。皇后陛下とご一緒に、「象徴天皇とは何か」、「象徴としての行為をいかにすべきか」ということを、日々重ねられるようにして経験され、そして実践してこられました。

...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
高市政権の進むべき道…可能性と課題(1)高市首相の特長と政治リスク
歴史的圧勝で仕事人・高市首相にのしかかるリスク要因
島田晴雄
地政学入門 歴史と理論編(1)地政学とは何か
地政学をわかりやすく解説…地政学の「3つの柱」とは?
小原雅博
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博
教養としての「人口減少問題と社会保障」(1)急速に人口減少する日本の現実
毎年100万人ずつ減少…急降下する日本の人口問題を考える
森田朗
戦略的資本主義と日本~アメリカの復活に学ぶ5つの提言
戦略的資本主義とは?日本再生へアメリカに学ぶ5つの提言
片瀬裕文
会計検査から見えてくる日本政治の実態(1)コロナ禍の会計検査
アベノマスク、ワクチン調達の決算は?驚きの会計検査結果
田中弥生

人気の講義ランキングTOP10
お金とは何か?…金本位制とビットコイン(1)お金の機能とその要件
お金の「3大機能」とは何か? そしてお金のルーツとは?
養田功一郎
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(7)ポグロムとホロコースト
歴史の中のユダヤ人大量虐殺…ポグロムとホロコーストの違い
鶴見太郎
イラン戦争とトランプ大統領の戦争指導(1)米軍式戦略リーダーシップによる評価
イラン戦争…トランプ大統領の戦争指導のどこが問題なのか?
東秀敏
編集部ラジオ2026(11)日本史から読むメンタルヘルス
【10min解説】與那覇潤先生《日本人とメンタルヘルス》
テンミニッツ・アカデミー編集部
オートファジー入門~細胞内のリサイクル~(5)オートファジーと疾患の関係
がん治療にも応用、オートファジーによる疾患制御の方向性
水島昇
高市政権の進むべき道…可能性と課題(2)財政戦略3つの問題点
高市政権の財政政策の課題は…ポピュリズム政策をどうする?
島田晴雄
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
インフレの行方…歴史から将来を予測する(1)インフレの具体像を探る
270年の物価の歴史に学べ…急激な物価上昇期の特徴と教訓
養田功一郎
これから必要な人材と人材教育とは?(1)人手の供給不足とマクロ経済への影響
ごく一部の人手不足が「致命的」になる…Oリング・セオリー
柳川範之