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小泉純一郎元総理が「脱原発」へと考えを変えた理由とは?

トモダチ作戦を忘れるな(1)原発容認から脱原発へ

概要・テキスト
2011年4月4日、空母ロナルド・レーガンにて「OPERATION TOMODACHI」と書かれた旗を贈られる北澤俊美防衛大臣(当時)
元内閣総理大臣・小泉純一郎氏、東京大学第28代総長・小宮山宏氏、慶應義塾大学名誉教授・島田晴雄氏による、豪華鼎談が実現した。第1回は、小泉氏が現在心血を注いでいる「トモダチ作戦」の支援へとつながる契機についての話だ。総理在任時、「原発は必要だ」と思っていた小泉氏は、なぜ脱原発へと考えを変えたのか。そこには、総理という立場ならではの理由があった。(全6話中第1話)
時間:07:32
収録日:2016/10/24
追加日:2017/02/04
≪全文≫

●「小泉さん」とトモダチ作戦


島田 今日はわれわれが最も尊敬する、そして日本の歴史の中で最も国民に愛されている小泉純一郎さんをお呼びしました。「総理」と呼ぶと「アイムソーリーは駄目だ」と言われているので、今日は「小泉さん」と呼びます。小泉さんをお招きして、われわれがこれから考えなくてはいけない最も重要な問題について、思い切ってお話しいただこうということです。

 それはどういうことかというと、他の世界の多くの国もそうですが、特に日本がこれから原発にどう向き合っていったらいいのか、ということです。あれ(核物質)は半減期が何億年ということですから、人類どころか地球が生まれる前からできていた、宇宙の中で最悪の物質です。それは、もともと戦争に使ったのですが、そのうちそれをエネルギーのため、医学のために使い出します。それは良いのですが、今度はその廃棄物その他がすごいことになってきました。ですから、やはり人類のためにも、原発はやめた方が良いのではないかということを、小泉さんはずっと言われているのです。

 今日の一番のポイントは「トモダチ作戦」です。皆さんご存じのように、アメリカの海軍の兵士でトモダチ作戦に参加してくれた、2万数千人の兵士がいるのですが、彼らがひどい目に遭っているという話を、小泉さんがお聞きになり、アメリカに行ったら、それは本当のことだったそうです。「これは何だ?」ということで、そのことについて、これから小泉さんにしっかり話していただきますが、人間としてこんなことは許されない、看過できないということで、大変な思いを持って帰ってこられました。われわれはそれを聞いて皆、感動したのです。ただ、感動しているだけではなく、同じ人間として、われわれも一緒になって手を差し伸べて何かすべきではないかという思いです。

 それでは小泉さん、ひとつ語ってください。


●原発賛成派から脱原発論者への転身


小泉 小宮山先生、島田先生のお二方と対談するのは今日が初めてですよね。

小宮山 よろしくお願いします。

小泉 知識面での神様的存在である大学の先生と一緒に対談ができるなんて、大変光栄に思っています。

 私は総理の時、原発は必要だと思っていました。しかし、2011年3月のあの地震、津波、原発メルトダウンを見て、原発は本当に安全なのか、コストは安いのか、永遠のクリーンエネ...
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