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再生可能エネルギーが世界的潮流の中、原発に固執する日本

トモダチ作戦を忘れるな(4)原発への固執と「核のごみ」問題

概要・テキスト
元内閣総理大臣・小泉純一郎氏、東京大学第28代総長・小宮山宏氏、慶應義塾大学名誉教授・島田晴雄氏による鼎談では、原発に固執する政府のあり方が厳しく批判された。現在、原発の稼働はほぼゼロの状態だが、電力不足に陥ることはまずない。世界的な潮流は、省エネと再生可能エネルギーの拡大に進んでいる。こうした中で、なぜ政府は原発の維持にこだわるのか。(全6話中第4話)
時間:07:59
収録日:2016/10/24
追加日:2017/02/08
≪全文≫

●稼働原発がほとんどなくても、日本社会は困っていない


小泉 私が原発ゼロと発言した2013年は、「そんなことを言っても、将来ならともかく、直ちにゼロになんてできるわけがない」と言われました。ところが今、(2011年から)5年7カ月と、時間はかかったけれども、ほとんどゼロの状態です。実際に、2011年3月から2013年9月まで稼働した原発はたった2基。その前、54基もあったのに、です。あの事故の後、2013年9月から2015年9月までは稼働ゼロ。2015年9月から今までは、1基か2基でしょう。

 5年7カ月間、(原発は)ほとんどゼロという状態でしたが、全然困らないし、停電もなし、です。

島田 これは大変な実証例です。かつて日本は(原発が)約50基あり、日本の電力の3分の1を支えて初めて成り立つと言っていました。ところが実際にはなくても(困らないということです)。


●ここ10年で減り始めたエネルギー使用量


小宮山 大事な話があります。何かというと、ここ10年間ほど電力もエネルギーも(使用量は)減り始めていることです。エネルギー消費は年率1.6パーセントで減り始めています。しかし政府は、これを考慮していません。別に国民を我慢させているわけではありません。自動車の数や家の数がもう飽和状態で、車であればおよそ6,000万台、家もおよそ6,000万軒です。そこのところで飽和していて、効率はどんどん上がっているのです。

小泉 省エネ技術も発達していますしね。

小宮山 そうです。省エネが一番大きいのです。だから今のままいくと、大体2050年にはエネルギー消費は60パーセントほど減少するということです。政府案では、(2030年の)原子力比率を20~22パーセントとしていますが、それはエネルギーレベルでいくという話で考えているからで、その分がなくなってちょうど良い具合になるのです。エネルギー消費は減り、電力は余るのです。結局、使う人が少なくなるからです。

 しかも、生活のレベルはどんどん上がっていきます。ここが非常に大きな問題です。確かに省エネは一番重要です。パリでの(COP21の)話もそうで、1に省エネ、2に再生可能エネルギー、3が石炭をどうやって減らすか、です。しかし、原発の話はほとんど出ませんでした。

島田 (フランスも)原発はやっていますけれど、ね。

小宮山 フランスは(原発を)減らそうとしています。さすがにこれ以上進めてはいけない...
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