「働き方改革」の課題と展望
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
「スキルの陳腐化」に対処することが中長期的なポイント
「働き方改革」の課題と展望(3)スキルの陳腐化への対応
柳川範之(東京大学大学院経済学研究科・経済学部 教授)
東京大学大学院経済学研究科・経済学部教授の柳川範之氏が、働き方革命の本丸と位置付けるのが、生産性の向上だ。一人一人が、働く上で必要なスキルや知識をもっと身に付ける機会を十分に提供することが、改革の実現では不可欠だと言う。この背景にあるのは、急激な技術革新が引き起こす、「スキルの陳腐化」という現象だ。(全6話中第3話)
時間:9分06秒
収録日:2017年2月21日
追加日:2017年3月18日
≪全文≫

●スキルアップこそ、「働き方改革」の本丸だ


 次に、中長期的な課題も含めた方策に入っていきましょう。中長期的には、生産性を高めていくにはどうしたらいいのかが大きな課題になってきます。そしてずっといわれていることですが、これはなかなか難しい課題だろうと思います。

 私が重要視しているポイントは、必要な能力、必要な知識、必要なスキルを、もっと積極的に身に付けさせることです。働いている本人の視点からすると、そうしたものを身に付けていく努力をする必要があるということだろうと思います。

 広くいえば、これは教育の問題ということですし、会社の中では技能訓練や能力開発といわれていたものです。こういうものを、もっと幅広く、より積極的にやっていくことで、人々の能力を高め、生産性を上げて、より稼げるようにしていく。これが大事になっていると思います。


●社内教育を後退させてきた日本企業


 こういうことを改めて申し上げなければいけない理由は、大きく分けると二つあると思っています。一つは、日本企業の体質です。世界的に見れば、日本企業は伝統的に、社内教育や能力開発をかなり手厚くやってきた組織だと思います。そしてそれを通じて、能力の高い人材が配置されてきた部分があります。

 しかし、いろいろな国際競争が徐々に激しくなってくると、各企業も余裕がなくなってきます。例えば、今までは能力開発に人を割き、半年ほど研修を行っていたとします。これが、やがて3カ月になり、1カ月になり、1週間になり、3日になっていく。そして、研修を行わなくなった3カ月なり半年なりは、とにかく働いてくれ、ということになってきました。

 そうなると、それで働く時間は増えますから、業績が上がったように見えるわけです。しかし、そうやって皆が自転車操業のようにやっていくと、結局は将来必要な能力(への教育投資)がだんだんと細くなっていき、中長期的には稼げなくなります。こういう事態になってきているのだろうと思います。

 バブル期に比べて、社内訓練に充てられたお金は、場合によると10分の1ぐらいになっているという実証研究もあります。バブル期は、お金を出し過ぎていたぐらいかもしれませんが、確かに周りを見渡してみても、そういう教育訓練や研修に充てられている時間とお金は、随分削られていることが分かります。ここを、もう少し考え直さな...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
企業改革の核心は何か(1)組織の危機をいかに克服するか
V字回復のためには社員に「個人の痛み」を迫る覚悟を持て
三枝匡
ソニー流「人的資本経営と新規事業」成功論(1)人を真に活かす人事評価とは
ソニー流の「人材論」「新規ビジネス論」を具体的に語ろう
水野道訓
野獣の経営、家畜の経営(1)経営センスが育つ土壌
ファーストリテイリングで経営者が育つ理由
楠木建
ストーリーとしての競争戦略(1)当たり前の重要さ
柳井正氏の年度方針「儲ける」は商売の本筋
楠木建
ハラスメント防止に向けた風土づくり(1)ハラスメントの概要
増え続けるハラスメント…その背景としての職場の特徴
青島未佳
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(3)高市政権の行方と「明治維新」
高市政権の今後は「明治維新」の歴史から見えてくる!?
テンミニッツ・アカデミー編集部
「Fukushima50」の真実…その素顔と誇り(3)「吉田調書」問題と津波の予見
朝日新聞と「吉田調書問題」…所員の9割が命令違反で撤退?
門田隆将
高市政権の進むべき道…可能性と課題(4)外交力と防衛力の強化へ
求められる「能動的サイバー防御」、問われる本物の外交力
島田晴雄
こどもと学ぶ戦争と平和(4)人間はなぜ戦争をするのか
人間はなぜ戦争をするのか?2つの要因から問う平和の条件
小原雅博
明治維新から学ぶもの~改革への道(1)五つの歴史観を踏まえて
明治維新…官軍史観、占領軍史観、司馬史観、過誤論の超克
島田晴雄
インフレの行方…歴史から将来を予測する(4)10年後の物価…5つのシナリオ
5つのシナリオ分析…10年後の日本の物価水準はどうなる?
養田功一郎
これから必要な人材と人材教育とは?(1)人手の供給不足とマクロ経済への影響
ごく一部の人手不足が「致命的」になる…Oリング・セオリー
柳川範之
戦前、陸軍は歴史をどう動かしたか(1)総力戦時代の到来
日英同盟の廃棄、総力戦…世界秩序の激変に翻弄された日本
中西輝政
ソニー流「人的資本経営と新規事業」成功論(1)人を真に活かす人事評価とは
ソニー流の「人材論」「新規ビジネス論」を具体的に語ろう
水野道訓
AI時代と人間の再定義(5)AI親友論と「WE」という概念の問題
AI親友論って何?「Self-as-WE」と京都学派の思想
中島隆博