良質なリーダーをどう育てるか
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
今の選挙制度では当選後に教養を身につけることは難しい
良質なリーダーをどう育てるか(2)教養と選挙制度と改革
齋藤健(衆議院議員)
 良質なリーダーを育成するための課題として鍵となるのが、教養と選挙制度と改革である。選挙制度が教養にどう影響を与えているか。また、改革を進める上で何が障害となっているのか。齋藤健氏が日本の選挙制度と改革実行に向けての問題点を指摘する。(後編)
時間:10分30秒
収録日:2014年2月18日
追加日:2014年5月29日
≪全文≫

●欧米の指導者層と付き合うには教養ある話ができることが大事


齋藤 ヨーロッパやアメリカの指導者層の人たちというのは、エリートたちが持つ教養として、神藏さんと私が今話しているようなことを始終やっていると思います。

 例えば、あまり大きな声では言えないのですが、日本の国会議員の中で、こういう話でかみ合う人がいるのかというと、官僚も含めて、滅多にいません。ですから、神藏さんは、日本の社会の中では非常にユニークな方だと思います。

 ただ、ダボス会議などに行くと、皆、相当教養のある話をするといいますから。つまり、エリート同志で、ギリシャ、ローマの時代の話から、私たちがしているような話までしているということです。

 しかし、日本では、こういう話をすると、むしろ、「齋藤は変わっているね」とか、「あいつは物書きだね」と言われ、かえって蔑みの対象になります。これは、カルチャーの違いでしょう。

―― 恐ろしい社会ですね。

齋藤 恐ろしい社会です。勉強ばかりしている人だと。それがマイナスになるわけですから。

―― 一般教養がマイナスになる。

齋藤 マイナスになってしまうのです。

―― 相当まずいわけですね。

齋藤 まずいです。

―― しかし、そういう話が出来ない人が、海外に行くと、今度はお付き合いができないから、どんどん弾かれていきます。

齋藤 インドに行って、「私はカレーが好きです」というくらいの話しかできない日本人ばかりになってしまうわけです。


●今の選挙制度では当選後に教養まで身につけることは難しい


―― 相当まずいですよね。政界というのは、中選挙区制から小選挙区制になって、賢い人がもう少し昔より集約されて、良くなる予定でしたが、実際になかなかそうはなっていないわけですね。

齋藤 自分が選挙に出てみて分かりましたが、やはり選挙は厳しいです。

 例えば、私が東京で役職に就いて忙しくなるとします。お国のためだから、役に就いた以上はベストを尽くそうとするでしょう。そのため、地元にはなかなか戻れなくなる。そうなると、地元の人は、「頑張っている」ではなく、「さぼっている」と言うわけです。もちろん、「頑張っている」と見てくれる人もたくさんいますけれども、地元に戻ってこないと、「あいつはさぼっている」とか、「偉くなった」とか、「もう俺達の票はいらないのだ」と言う...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫
台湾有事を考える(1)中国の核心的利益と太平洋覇権構想
習近平政権の野望とそのカギを握る台湾の地理的条件
島田晴雄
お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法(1)銀行がお金を生む仕組み
信用創造・預金創造とは?社会でお金が流通する仕組み
養田功一郎
グローバル環境の変化と日本の課題(1)世界の貿易・投資の構造変化
トランプ大統領を止められるのは?グローバル環境の現在地
石黒憲彦
為替レートから考える日本の競争力・購買力(1)為替レートと物の値段で見る円の価値
ビッグマック指数から考える実質為替レートと購買力平価
養田功一郎
教養としての「人口減少問題と社会保障」(1)急速に人口減少する日本の現実
毎年100万人ずつ減少…急降下する日本の人口問題を考える
森田朗

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2025(32)哲学者たちが考えた平和追求
反EU、反国連の時代に再考!「哲学者たちの平和追求」
テンミニッツ・アカデミー編集部
逆境に対峙する哲学(3)修行・物語・語りの転換
武士道に学ぶ自己訓育――幻想としての順境に抗するために
津崎良典
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(3)秀吉出世譚の背景
武闘派・秀吉として出世…織田家中で一番の武略者の道
黒田基樹
「アメリカの教会」でわかる米国の本質(1)アメリカはそもそも分断社会
「キリスト教は知らない」ではアメリカ市民はつとまらない
橋爪大三郎
平和の追求~哲学者たちの構想(1)強力な世界政府?ホッブズの思想
平和の実現を哲学的に追求する…どんな平和でもいいのか?
川出良枝
葛飾北斎と応為~その生涯と作品(1)北斎の画狂人生と名作への進化
葛飾北斎と応為…画狂の親娘はいかに傑作へと進化したか
堀口茉純
戦争とディール~米露外交とロシア・ウクライナ戦争の行方
「武器商人」となったアメリカ…ディール至上主義は失敗!?
東秀敏
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
本当によくわかる「量子コンピュータ入門」(2)コンピュータの歴史
量子コンピュータの転機となった1990年代の発見とは何か
武田俊太郎
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(5)恐るべき台湾への「浸透」
浸透工作…台湾でスパイ裁判が約70件、それも氷山の一角
垂秀夫