ユリウス・クラウディウス朝~ローマ史講座Ⅵ
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
意外な行政手腕を発揮した4代皇帝クラウディウスの弱点
ユリウス・クラウディウス朝~ローマ史講座Ⅵ(3)弟の弱点
本村凌二(東京大学名誉教授/文学博士)
早稲田大学国際教養学部特任教授の本村凌二氏が、ローマ帝国初期ユリウス・クラウディウス家の5人の皇帝を中心に古代ローマ史を解説。3代皇帝カリグラが暗殺され、かつぎ出されたのはゲルマニクスの弟、クラウディウスだった。彼は前評判こそあまり良くなかったが、皇帝として優れた行政手腕を発揮する。しかし、彼には弱点があった。(全6話中第3話)
時間:14分00秒
収録日:2017年8月7日
追加日:2017年9月14日
カテゴリー:
≪全文≫

●4代皇帝は見劣りのするクラウディウス


 カリグラの暗殺の後に登場してくるのが、何とゲルマニクスの弟に当たるクラウディウスです。それくらいゲルマニクスに対する期待があったのかもしれません。ただクラウディウスという人は、お兄さんほどには見かけも良くありませんでした。今われわれが彫像で見るものはそれなりに理想化されていますが、伝えられている文献でいえば、非常に良くなく、特に女性からあまり評判が良くありませんでした。大体自分の祖母や母親、それから妹たちからも何となく好ましからざる子どもみたいに扱われていたところがあるのです。その中にあって、クラウディウスは自分に対して唯一、非常に優しい兄であったゲルマニクスを非常に尊敬していたのです。そういう伝説が残っているぐらいゲルマニクスという人のいろいろないい面があり、それが民衆に伝わっていたので、結局、その弟のクラウディウスが引っ張り出されて、皇帝になったわけです。

 クラウディウスは、それまで宮廷でゲルマニクスの息の掛かった人間が非常に危険な目に遭って、処刑されたり暗殺されたりということがあったため、一説によれば、わざと愚鈍で目立った性格ではないように演技をしていたのではないかという見方もされています。つまり、皇帝の位など狙いそうな器ではないと思わせることで、彼はむしろ生き延びてきたというのです。そんな中、ティベリウスが亡くなり、カリグラも殺されるということになって、結局誰もいないからということで彼が引っ張り出されて、皇帝になったのです。

 

●エトルリア・カルタゴ史研究から為政者へ-行政能力を発揮


 ところが、皇帝になってからのクラウディウスはある種、為政者としてかなりの行政担当能力を見せています。皇帝になるまで彼は何をやっていたかというと、表立って政治家・軍人としての功績などを挙げていれば、どんな疑いをかけられるか分からないということで、学業に専念していました。

 彼は、われわれが知らないエトルリア人、つまりローマ人の前にいたエトルリア人の歴史と、カルタゴ人の歴史も書いています。しかし、彼が書いたエトルリア史とカルタゴ史は、残念ながら全く残っていません。残っていないのは、結局大した作品ではなかったから残らなかったのではないかということです。それなりに優れた作品であれば、やはりそれは何十年、何百年と受け継がれ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
『三国志』から見た卑弥呼(1)『魏志倭人伝』の邪馬台国
異民族の記述としては異例な『魏志倭人伝』と邪馬台国
渡邉義浩
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
オスマン帝国とは何か~その繁栄と共生の秘密~
オスマン帝国とは何か?その繁栄の理由
山内昌之
概説・縄文時代~その最新常識(1)縄文時代のイメージと新たな発見
高校日本史で学んだ縄文時代のイメージが最新の研究で変化
山田康弘
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
「三国志」の世界とその魅力(1)二つの三国志
三国志の舞台、三国時代はいつの・どんな時代だったのか?
渡邉義浩

人気の講義ランキングTOP10
伊福部昭で語る日本・西洋・近代(1)チェレプニン賞に輝いた無名の作曲家
映画『ゴジラ』の作曲家・伊福部昭が直面した「日本と東洋と西洋」そして「近代の超克」
片山杜秀
編集部ラジオ2026(38)アメリカ中間選挙と民主主義
【10min解説】第2期のトランプ大統領と中間選挙を考える
テンミニッツ・アカデミー編集部
「良き対話」とは?――哲学から考える(1)対話とは何か――会話・説教との違い
「良き対話」のヒントを哲学から考える…「対話」の大前提とは、そして「会話」「説教」「場回し」とは何が違うのか?
納富信留
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(3)ヴァイキング招致説とキエフ・ルーシ
ロシアの起源はヴァイキング?…キエフ・ルーシの興亡と、ロシアとウクライナの決定的な「歴史的溝」
上月豊久
「満洲」から考える日本とアジア(1)「満洲」を知る意義とは
「満洲史」はなぜ現代日本でタブー視されるのか?…王道楽土の夢とアヘンなどの裏面から見えてくる現代への教訓
宮脇淳子
チームパフォーマンスを高める心理的安全性(1)心理的安全性が注目される理由
なぜ今「心理的安全性」なのか、注目を集める背景に迫る
青島未佳
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(1)老年病科と高齢者の疾患・病態の特徴
頻尿、低栄養、転倒、誤嚥、フレイル…増える老年症候群と高齢者の疾患・病態の特徴
小川純人
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(3)「覚り」とは?「空」とは?
「覚り」「因果」「空」とはどういうものか…仏教の本質と変遷
橋爪大三郎
生成AI「Round 2」への向き合い方(1)生成AI導入の現在地
生成AIの利活用に格差…世界の導入事情と日本の現状
渡辺宣彦