ユリウス・クラウディウス朝~ローマ史講座Ⅵ
この講義は登録不要で無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
優秀なゲルマニクスの息子、3代ローマ皇帝カリグラの残忍
ユリウス・クラウディウス朝~ローマ史講座Ⅵ(2)カリグラ
本村凌二(東京大学名誉教授/文学博士)
早稲田大学国際教養学部特任教授の本村凌二氏が、ローマ帝国初期ユリウス・クラウディウス家の5人の皇帝を中心に古代ローマ史を解説。ティベリウスの没後、3代皇帝に就いたのは理想的為政者として人望も厚かったゲルマニクスの末の息子カリグラだった。陰険で地味な印象のティベリウスとは異なり、就任当初民衆から人気を得たカリグラだったが、その人気は長く続かなかった。(全6話中第2話)
時間:12分28秒
収録日:2017年8月7日
追加日:2017年9月11日
カテゴリー:
≪全文≫

●ティベリウスの後継者・ゲルマニクスの不可解な死


 おそらくアウグストゥスの指示によるものだと思いますが、ティベリウスが亡くなった後、ゲルマニクスが継ぐようにという指令の下にティベリウスが皇帝になり、その後継者としてゲルマニクスが指名されるのです。しかし、ティベリウスが皇帝になった紀元14年から5年後、ゲルマニクスは亡くなってしまいます。

 非常に不可解な形で亡くなってしまったため、国民的な人気を博していたゲルマニクスですから、その死への疑いが皇帝であるティベリウスにかかりました。ティベリウスにとって、絶大な人気があったゲルマニクスはある意味で邪魔な存在だったのです。そのため、ゲルマニクスが暗殺されたのではないか、毒殺されたのではないかという疑いが強く国民の間で広まりました。今の歴史学では、おそらくそうではないだろうといわれていますが、当時はそういううわさがずっと駆け巡っていたのです。


●抹殺されていくゲルマニクスの息子たち


 そうすると、ティベリウスにすれば面白くありません。実際にゲルマニクスの子どもたちは、何人もおりますけれども特に男の子はやがて処刑されたりして殺されてしまいます。これはある意味濡れ衣だと思いますが、ティベリウスに対する陰謀を起こしているということで殺されてしまうことになるのです。

 しかし、こうした処刑や暗殺にティベリウス自身が直接手を下したということはおそらくないのではないかと思います。というのは、その頃、ティベリウスはすでにカプリ島に隠棲していたからです。むしろローマにいて自分たちの後継者を擁立しようとしていた者たちが、ゲルマニクス系の人々のことを非常に邪魔でしょうがないと考えてのことでしょう。ゲルマニクスには男の子が5人もいました。昔ですから若くして亡くなってしまうのはありふれたことですが、少なくともゲルマニクスが亡くなった時点では、男の子は3人ほど残っており、そのうち上の2人がやがて暗殺、あるいは処刑されてしまうことになるのです。


●民衆の期待を背にゲルマニクスの息子ガイウスが3代皇帝へ

 
 その中で一番幼かったガイウスだけが、まだ幼いからということでそのまま残されました。最初ほんの幼児だったガイウスですが、やがて少年となると、その少年時代にも母親あるいは兄もいろいろな疑いをかけられて処刑されてしまいます。ですから、...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
『江戸名所図会』で歩く東京~日本橋 (1)日本橋に見る徳川家康の手腕
徳川家康と江戸の町づくりー江戸時代の「日本橋」の姿とは
堀口茉純
家康の人間成長~戦略性をいかに培ったか(1)今川「人質」時代と今川義元の思惑
徳川家康の秘密…「辛抱」イメージとは異なる自由奔放な人質時代
小和田哲男
戦前日本の「未完のファシズム」と現代(1)シラス論と日本の政治
独裁ができない戦前日本…大日本帝国憲法とシラスの論理
片山杜秀
戦史に見る意思決定プロセス~日本海軍の決断(1)日本海海戦・東郷平八郎
なぜ東郷平八郎はバルチック艦隊を対馬で迎え撃ったのか?
山下万喜
独裁の世界史~ギリシア編(1)世界史の始まり
「独裁政から始まる」という世界史の諸相に迫る
本村凌二
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(34)『オデュッセイア』の秘密と愉しみ
【10min解説】大ヒット映画『オデュッセイア』がもっと楽しくなる神話講義
テンミニッツ・アカデミー編集部
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(2)高齢者総合機能評価とフレイル
“マッチョな老衰”はいない!?若い頃からいかに骨格筋肉量を蓄えるかが健康長寿の鍵
小川純人
「満洲」から考える日本とアジア(5)ロシアのシベリア征服と日清日露戦争
「満洲利権」はなぜ日本の手に渡ったか?…ロシアの極東征服、そして朝鮮の混乱が日本を日清・日露戦争へ
宮脇淳子
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
モンゴル帝国の世界史(1)日本の世界史教育の大問題
なぜ日本の「世界史」はいびつなのか…東洋史と西洋史の違い
宮脇淳子
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二
核DNAからさぐる日本のルーツ(1)人類の起源と広がり
核DNAデータで日本人のルーツを探る…アフリカから日本まで来た行程と時期は?
斎藤成也
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(5)「原則なし」の日本
世界は「原則」でできているが、日本は「原則はなし」にする
橋爪大三郎
教養としての「人口減少問題と社会保障」(1)急速に人口減少する日本の現実
毎年100万人ずつ減少…急降下する日本の人口問題を考える
森田朗