火山の仕組みを知る
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
富士山の噴火はいつ?予想される被害や影響とは
火山の仕組みを知る(3)富士山の噴火はあるか?
藤井敏嗣(東京大学名誉教授/環境防災総合政策研究機構・副理事長 兼 環境・防災研究所長/山梨県富士山科学研究所長)
「富士山は遠くない将来に必ず噴火する」―東京大学名誉教授の藤井敏嗣氏はそう語る。300年の休止期間を経た噴火は、爆発的な噴火となる可能性がある。仮に富士山が噴火して火山灰が降れば、首都圏の交通や経済に大きな影響が出ると予測される。噴火に向けた動きがみられない現状では、噴火の火口が予測できないため、広い地域で備える必要がある。(全4話中第3話)
時間:14分46秒
収録日:2018年4月16日
追加日:2018年6月1日
カテゴリー:
≪全文≫

●富士山の噴火は3種類あり得る


 3回目の今回は、富士山が噴火するのかどうかというお話をします。

 結論からいうと、綺麗な格好をしている富士山ですが、これは将来的には必ず噴火をします。明確にいつ噴火するとは言えませんが、そう遠くない将来、必ず噴火します。

 富士山が噴火する場合、基本的にはマグマ噴火なのですが、いろいろなタイプの噴火が考えられます。まず、一番左の写真のように、マグマのしぶきを数百メートルぐらいまで噴き上げて小山をつくり、その小山の麓から溶岩流がドロドロと流れ出すというタイプの噴火があり得ます。次に真ん中の写真のように、非常に爆発的な噴火が発生する可能性もあります。これは1980年に発生したアメリカのセント・へレンズ山の写真ですが、これと同じような非常に爆発的な噴火もあり得るわけで、そうなると噴煙を数万メートルまで噴き上げる可能性もあります。最後に一番右の写真ですが、富士山でも火砕流が出たことが地質調査で確認されています。このように、いろいろなタイプの噴火が起こり得ると考えています。


●最近までの3200年間における富士山の噴火を調査


 富士山が何回くらい噴火したかということを、最近までの3200年間にわたって数えた調査があります。この図で横軸に書いてあるのは、噴出物の量です。ですから、右に行くほど噴火の規模が大きくなります。縦軸の方は同じ規模の噴火が起こった回数です。

 図の一番右の「貞観」というところを見ると、これが歴史上最大の噴火になり、この規模の噴火は一回しか起こっていません。少し左に行ったところに「700」と書いてありますが、この宝永の噴火における噴出物の量が7億立方メートルです。この規模の噴火もまた、一回だけということになります。

 この図から全部で何回の噴火があったのかを見てみると、100回あります。3200年間に100回の噴火があったということは、平均で約30年に1回噴火をしていることになります。それが、1707年の宝永の噴火以来、300年間も噴火をしていないのです。つまり、平均的な休止期間の10倍の期間がたっているということです。そういう意味でも、富士山はいつ噴火してもおかしくないということになります。

 そ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
「宇宙の創生」の仕組みと宇宙物理学の歴史(1)宇宙の階層構造
「宇宙の階層構造」誕生の謎に迫るのが宇宙物理学のテーマ
岡朋治
五島列島沖合の海没処分潜水艦群調査(1)目的と潜水艦史
海底に突き刺さる旧日本海軍の潜水艦「伊58」を特定!
浦環
ブラックホールとは何か(1)私たちが住む銀河系
太陽系は銀河系の中で塵のように小さな存在でしかない
岡朋治
新しい循環文明への道(1)採掘文明から循環文明へ
2026年頭所感~循環文明の「三つの柱」…いよいよ実現へ
小宮山宏
培養肉研究の現在地と未来図(1)フェイクミート市場とリアルミート研究
食肉3.0時代に突入、「培養肉」研究の今に迫る
竹内昌治
ChatGPT~AIと人間の未来(1)ChatGPTは何ができて、何ができないか
ChatGPTは考えてない?…「AIの回答」の本質とは
西垣通

人気の講義ランキングTOP10
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
2026年大河ドラマ『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の実像に迫る
黒田基樹
戦略的資本主義と日本~アメリカの復活に学ぶ5つの提言
戦略的資本主義とは?日本再生へアメリカに学ぶ5つの提言
片瀬裕文
「次世代地熱発電」の可能性~地熱革命が拓く未来
地熱革命が世界を変える――次世代地熱の可能性に迫る
片瀬裕文
逆境に対峙する哲学(7)試練と祟りと弱さの力
モンテーニュの告白「学が邪魔をすることがある」と百姓の力
津崎良典
定年後の人生を設計する(1)定年後の不安と「黄金の15年」
不安な定年後を人生の「黄金の15年」に変えるポイント
楠木新
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子
百姓からみた戦国大名~国家の本質(1)戦国時代の過酷な生存環境
戦国時代、民衆にとっての課題は生き延びること
黒田基樹
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
健診結果から考える健康管理・新5カ条(1)血管をより長く守ることが重要な時代
健康診断の結果が悪い人が絶対にやってはいけないこと
野口緑
新しい循環文明への道(1)採掘文明から循環文明へ
2026年頭所感~循環文明の「三つの柱」…いよいよ実現へ
小宮山宏