火山防災のため知っておくべきこと
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
火山防災の要は情報収集と情報伝達
火山防災のため知っておくべきこと(6)必要な防災対策
藤井敏嗣(東京大学名誉教授/環境防災総合政策研究機構・副理事長 兼 環境・防災研究所長/山梨県富士山科学研究所長)
火山防災のためには、情報収集が不可欠だ。その中でも気象庁が出している噴火警戒レベルを正しく理解することは重要である。しかし、現在の火山噴火予知技術がまだ確実とはいえない以上、こうした情報を適切に理解して行動しなければならない。(全6話中第6話)
時間:12分52秒
収録日:2019年3月29日
追加日:2019年6月26日
カテゴリー:
≪全文≫

●火山防災の要は情報収集と情報伝達である


 火山防災のために必要なことはまず、火山活動が異常になっているかどうかを的確に認識することです。火山の監視や状況判断の責任は、気象庁が負っているのですが、現在の火山学の実力だけでは全ての現象を事前に把握できるとは限りません。そのため、これから先も火山噴火に関する研究をもっと進めていく必要があります。噴火の様子が少しでも変わると予想できない事態に陥り、犠牲者が出ることもあるので、状況判断能力という点では今の技術はまだ足りていないのです。

 次に、火山に何か異常があった際には、その異常をきちんと伝達するということも重要です。そのため、気象庁には迅速に情報を伝えてほしいと思います。しかし、重要なのは気象庁だけではなりません。なぜなら、気象庁は山の近くにいるわけではなく、例えば東京の大手町で御嶽山の様子を計器を使って見ているからです。そのため、山の近くにいる人が異常に気付いたら、それを警察や気象台に迅速に伝えることが重要です。そうすれば、気象庁も新たな観測を展開することもできます。

 個人のレベルでは、火山噴火について、正しい知識を持つことが火山防災につながります。火山噴火はめったに起こらないことなので、普通の人は火山についての詳しい知識を持っていないことが多いのです。ですが、いったん起こってしまうと、とんでもない被害につながることがありますから、適切な知識を持っていただきたいと思います。

 注意する必要があるのは、前回お見せしたハザードマップのような噴火シナリオが、全くその通りに現実化するわけではないということです。これは。特定の火山現象が特定の地域において被害が及ぶことがある、という例示のようなものなのです。ですから、このハザードマップに書いてある、溶岩流が流れてくる範囲の外側にいれば安全だ、と解釈しないでいただきたいのです。津波のケースでも同様でしたが、浸水域の外側にいるから大丈夫だと思っていたところ、実際には浸水域に津波が襲ってきて、亡くなった方もいました。このように、次の現象が事前に予測できるわけではないので、ハザードマップが全て正しいと思わないことが重要です。

 ですから、それぞれの現象に応じて、適切に避難を...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子
レアメタルの光と影(1)イントロ
イノベーションがレアメタルをコモンメタルにする
岡部徹
生成AI・大規模言語モデルのしくみ(1)生成AIとは何か
10年で劇的な進歩を遂げた生成AIと日本の開発事情
岡野原大輔
発酵はマジックだ!
色を消し、脂を溶かし、水を分解―スゴすぎる発酵の力!
小泉武夫
現在の宇宙の姿(1)星はなぜ自ら輝くのか
星はなぜ自ら輝くのか…宇宙と銀河の「現在の姿」を概観する
岡村定矩
水から考える「持続可能」な未来(1)気候変動の現在地
最悪10メートル以上海面上昇…将来に禍根残す温暖化の影響
沖大幹

人気の講義ランキングTOP10
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
編集部ラジオ2026(30)AI時代の企業と道徳
【10minで考える】CPO(最高哲学責任者)…AI時代に必須の哲学とは
テンミニッツ・アカデミー編集部
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
資本主義の再定義…哲学で考える(1)アダム・スミスの「市場と感情」
資本主義を哲学する…まずアダム・スミスの見えざる手と道徳感情論
中島隆博
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(2)大規模言語モデルが孕む問題
AIは頭のないオウム?…AIがAIを引用する世界に創造性はあるか?
橋爪大三郎
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(1)なぜ「中国史はつまらない」のか?
驚きの中国史~「中国史はつまらない」という通説の裏の波乱の真実
宮脇淳子
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
日本人が知らない自由主義の歴史~前編(1)そもそも「自由主義」とは何か
消極的自由と積極的自由?…なぜ自由主義がわかりづらいか
柿埜真吾