認知症とは何か
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遠藤英俊(元国立研究開発法人国立長寿医療研究センター 長寿医療研修センター長/いのくちファミリークリニック院長)
認知症は高齢化に伴ってますます増加しており、今後は「当たり前の病気」となる。国立研究開発法人国立長寿医療研究センター長寿医療研修センター長の遠藤英俊氏によれば、認知症に対する偏見をなくし、正しい知識を身に付けることが、対処のためのスタート地点であるという。(全7話中第1話)
時間:12分58秒
収録日:2018年5月26日
追加日:2018年9月1日
カテゴリー:
≪全文≫

●認知症に対する偏見をなくし、知識を得るのがスタートだ


 国立長寿医療研究センターの遠藤英俊です。今回のテーマは認知症です。最初のセッションは概論です。

 認知症は高齢化に伴って非常に増えており、現在、高齢者人口の15パーセントを占めています。2025年には推計値が700万人を超え、さらに右肩上がりで増えていくといわれています。

 ところが海外では、認知症はこの10年間で約20パーセント減っているというデータがあります。その一番の理由は、学歴の上昇です。学齢が1.5年高くなると、認知症が年間2パーセント減るというデータもあります。学歴はなかなか変わらないものですが、今後は薬への期待もしつつ、まずは生活習慣や運動を通じて、認知症を減らしていくことが重要です。

 認知症は、昔は「ボケ」や「痴呆症」と呼ばれていました。そのため今でも、「ボケたら何も分からない」「ボケたらおしまいだ」というような、病気に対する偏見があります。「人生100年時代」と安倍晋三総理もおっしゃっているように、現在、人間は60歳を超えて100歳まで生きる時代が来たといわれています。その中では、おそらく2人に1人が認知症になるのではないかと思います。実際には高齢者人口の15パーセントですが、個人にとっては2分の1の確率で認知症になるかもしれないという状況です。つまり、認知症は「当たり前の病気(コモンディジーズ)」なのです。その中で、認知症に対する偏見をなくし、認知症の知識を得るということは、スタート時点として重要だと考えています。

 概論として今回は、認知症の原因となる病気の種類についての説明と、その6割を占めるアルツハイマー病の説明をしたいと思います。

 ちなみに最近では、地域包括支援センターや認知症の初期集中支援チームが全国の市町村にあります。親や自分が「ちょっとおかしいな」と思ったときには、そちらが相談窓口となります。


●あと数年で、認知症の予防薬ができる


 それでは本論に入ります。認知症には認知機能や記憶が低下したり、計画が立てられない、料理が作れないといった、実行機能が低下していくイメージがあります。しかし、全く何も分からなくなるというのは(認知症が進行して)最後の方の2~3年です。最初の10年ほどは感情や好き嫌いもあり、やれることも多いのです。

 また、一般的に「認知症にだけはなりたくない」「家族...

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