プラトンの哲学を読む
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
対話篇のソクラテスはプラトンの想像による産物
プラトンの哲学を読む(4)ソクラテス対話篇
納富信留(東京大学大学院人文社会系研究科教授)
プラトンの描くソクラテスは何者なのか。東京大学大学院人文社会系研究科教授の納富信留氏は、当時ソクラテスを描く対話篇が多く書かれたことを挙げ、複数のソクラテス像が存在したと述べる。その中で、プラトンは際立ったソクラテス像を提示したのだ。(全6話中第4話)
時間:10分56秒
収録日:2018年7月11日
追加日:2018年10月4日
カテゴリー:
≪全文≫

●対話篇のソクラテスは、プラトンの想像による産物


 プラトンが書いた対話篇を読み解く作業として、前回はソクラテスという人物がメインキャラクターとして登場し対話を導いている意味は何なのかを考え始めました。プラトンが実際にお世話になったソクラテスという実在の先生が語っていることは、必ずしもソクラテスの歴史的な発言そのままではないでしょうし、プラトンの代弁というわけでもないでしょう。だとすると、ソクラテスとは何者だろうか。そのことを考え始めたということです。

 1つの見通しとしては、プラトンがソクラテスという人物との対話を借りながら、ソクラテスだったらどういうことを考えるのだろう、あるいはソクラテスだったらこういう質問に対してどう答えるのだろうと、いわば死んだソクラテスのことを自分の中で想像しながら作っているというものです。

 その意味でいうと、プラトンは、もしかしたらソクラテス本人というよりソクラテスの対話相手の方のポジションに近い形で書いていると読み解くことが、1つの可能性としてあるのではないかと思っています。


●プラトン対話篇の歴史的背景としてのソクラテス裁判


 それをさらに検討する上で、ソクラテスを登場させる対話篇とは結局、何だったのかということを歴史的に説明する必要があります。

 ソクラテスはなぜ紀元前399年に処刑されたのでしょう。彼は神を敬わない、若者を堕落させるという罪に問われて、アテナイの裁判で正式な手続きを経て評決され、死刑になったわけですが、そういった人物をなぜ登場させて作品を書くのでしょうか。

 プラトンの全ての作品が基本的にソクラテスの死後に書かれている前提で私はお話ししていますが、その問題をまずはじめから考えていきます。ソクラテスはなぜ告発されたのか。これはこれで非常に大きな問題ですが、基本的に、神を敬わないという罪は、反社会的な扇動活動をしているという罪だとご理解ください。つまり、宗教裁判という狭い意味というよりは、むしろ反社会的なイデオロギーを唱えているということです。

 ソクラテスは、反社会的なイデオロギーを自分で持ちながら、若い人たちに吹き込んでいるということで告発されて、死刑になってしまったというのが、紀元前399年の事件の大枠です。その時、親しく付き合っていた人物で、実際にソクラテスの教えを受けたという二人の(若...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(1)史上最大の問題作
全米TOP10大学の必読書1位が『ポリテイア(国家)』
納富信留
福田恆存とオルテガ、ロレンス~現代と幸福(1)曖昧になった日本人の「自然」
小林秀雄から福田和也まで、日本の文芸批評史を俯瞰する
浜崎洋介
【入門】日本仏教の名僧・名著~空海編(1)空海と最澄
空海と最澄の関係に大きな影響を与えた「密教」の位置づけ
賴住光子
キケロ『老年について』を読む(1)キケロの評価と「老年の心構え」
老年が惨めと思われる4つの理由とは…キケロの論駁に学べ
本村凌二
ラフカディオ・ハーン『神国日本』を読む(序)『ばけばけ』と『神国日本』
ラフカディオ・ハーンの遺著『神国日本』の深い意義とは?
賴住光子
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(18)4種の「利き脳タイプ」分析
【10min解説】最終話に注目!4種の「利き脳タイプ」分析
テンミニッツ・アカデミー編集部
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(4)情報と教養の違い
教養がおろそかな人の限界…「教養は頭の中に、情報は頭の外に」
橋爪大三郎
ウェルビーイングを高めるDE&I(7)エクイティ実現と特権性の理解:後編
パワハラもコンプラも…企業内エクイティで大事な「境界線」
青島未佳
プロジェクトマネジメントの基本(10)大脳生理学によるモチベーション理論
論理的?計画的?社交的?冒険的?利き脳による4タイプ
大塚有希子
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
地政学入門 歴史と理論編(1)地政学とは何か
地政学をわかりやすく解説…地政学の「3つの柱」とは?
小原雅博
飽食時代の「選食」のススメ(1)選食の提唱と「食の多様性」
肥満、認知症、低栄養…飽食の時代に大事な「選食力」3カ条
堀江重郎
天下人・織田信長の実像に迫る(1)戦国時代の日本のすがた
織田信長の「天下」とは…最新研究で激変する人物像・時代像
柴裕之
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(8)AI時代の人間の価値
労働市場改革を妨げる労組や、不登校を救えぬ文科省こそが邪魔だ
宮本弘曉
明智光秀の真実(1)謎につつまれた前半生
明智光秀は「主殺しの悪人」か?…諸説入り乱れる人物像の謎
小和田哲男