プラトンの哲学を読む
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
プラトン対話篇にみる5つの特徴
プラトンの哲学を読む(2)対話篇の特徴
納富信留(東京大学大学院人文社会系研究科教授)
メインキャラクターがソクラテス、舞台はアテナイの日常、使われる言葉も難解ではなく、さながら歴史小説のようで、しかも著者プラトン自身は登場しない。こうしたプラトン対話篇の特徴について、東京大学大学院人文社会系研究科教授の納富信留氏が詳細に解説する。(全6話中第2話)
時間:11分00秒
収録日:2018年7月11日
追加日:2018年10月2日
カテゴリー:
≪全文≫

●対話篇の設定はソクラテス晩年の時代


 プラトンが書いた対話篇の特徴について述べていきます。

 対話と対話で書かれた形態である対話篇は、実は英語でいうと両方とも「dialogue(ダイアローグ)」となります。直接議論を交わす「対話」は、ギリシャ語で「ディアロゴス」、英語で「ダイアローグ」で、作品として書かれたものもダイアローグです。英語の場合は「a dialogue」とか「dialogues」と数えるような形ですが、両方とも対話、対話篇のことです。

 そういったものをプラトンがなぜ書いたかを考える上で、今から設定について考えていきたいと思います。というのは、対話篇は当然誰かが出てきて誰かと対話するからです。ほとんどの作品で、ソクラテスという人物が誰か特定の人物と出会います。複数の人と出会う場合と、一対一で対話する場合がありますが、そういう状況の中で議論を深めていくと、それが哲学の議論になっていく。その形態が対話篇です。

 ソクラテスが出てくるということでお分かりだと思いますが、これは実はソクラテスが生きている時代、特に晩年の時代に設定されています。つまり、紀元前5世紀の後半から終盤の時代が実際の舞台になっています。


●対話篇の特徴その1:メインキャラクターがソクラテス


 では対話篇のイメージを、5つほど特徴を挙げてお伝えしようと思います。

 1つ目の特徴は、今いいましたように、全てではないですが、ほとんどの対話篇でソクラテスというメインキャラクターが登場することです。

 そのメインキャラクターが誰かと会話するという形態を取ります。その場合、本当にいろいろな設定が可能です。誰も聞いていないような、二人だけの場所で親密な会話を交わすこともあれば、非常に多くの人がいる中など、複数の人とやり取りをすることもあります。場合によっては話者が入れ替わる、ということも生じます。こういうところはプラトンの文学的な才能の見せ所で、作品として非常に楽しめる作品もあれば、非常に密度の高い議論をする作品もあります。そこは、対話篇という、ある意味では共通のツールをさまざまなバリエーションで使い分けていくことになっていきます。


●対話篇の特徴その2:場所・時・語り手の設定と個性的な登場人物


 2つ目の特徴は、今いったような状況を対話篇として表す場合、当然、場所と時、語り手という3つの設定がなされる...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
「自分をコントロールする力」の仕組み(1)自制心と目標の達成
自制心の重要性…人間は1日4時間も何かを「欲求」している
森口佑介
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
「ホメロス叙事詩」を読むために(1)ホメロスを読む
2700年前のホメロスの叙事詩が感動を与え続ける理由
納富信留
今こそ問うべき「人間にとっての教養」(1)なぜ本を読むことが教養なのか
『人間にとって教養とはなにか』に学ぶ教養と本の関係
橋爪大三郎
プラトンの哲学を読む(1)対話篇という形式の哲学
ヨーロッパ哲学の伝統はプラトン哲学の脚注だ
納富信留
楽観は強い意志であり、悲観は人間の本性である
これからの時代をつくるのは、間違いなく「楽観主義」な人
小宮山宏

人気の講義ランキングTOP10
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(5)「原則なし」の日本
世界は「原則」でできているが、日本は「原則はなし」にする
橋爪大三郎
人生100年時代の「ライフシフト概論」(1)人生100年時代のインパクト
80歳まで現役でいるために大切なこと…人生100年時代の発想法
徳岡晃一郎
「講義ページ」と「便利機能」の使い方(1)講義ページの便利な使い方
「講義ページ」の便利な使い方…講義テキストの出し方、各話への飛び方、再生速度
テンミニッツ・アカデミー編集部
「ホメロス叙事詩」を読むために(1)ホメロスを読む
2700年前のホメロスの叙事詩が感動を与え続ける理由
納富信留
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
徳川将軍と江戸幕府~井伊直弼編(1)桜田門外の変と井伊直弼の人物像
「桜田門外の変」の謎…井伊直弼の警護に問題はなかったのか
山内昌之
お金とは何か?…金本位制とビットコイン(1)お金の機能とその要件
お金の「3大機能」とは何か? そしてお金のルーツとは?
養田功一郎
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
『「甘え」の構造』への誤解…甘えはダメなものなのか?
與那覇潤