西洋哲学史の10人~哲学入門
この講義は登録不要で無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
プラトン:イデアとは何か…なぜ目標や理想になるのか
西洋哲学史の10人~哲学入門(2)プラトン イデア説
貫成人(専修大学文学部教授/文学博士)
あらゆる人や物事の本質的理想とは何か。ソクラテスの弟子であったプラトンはそれについて考え抜き、「イデア説」を唱える。その意味と、そうしたプラトンの考えから分かることについて、専修大学文学部教授の貫成人氏が解説する。(全10話中第2話)
時間:10分29秒
収録日:2018年2月9日
追加日:2018年5月4日
カテゴリー:
≪全文≫

●プラトンはソクラテスの弟子であり、アリストテレスの師であった


 2回目はプラトンです。プラトンといえばイデア説が有名です。これがどのようなものか、そしてこれが私たちにとってどのような意味を持っているのかについて、お話をします。

 プラトンは紀元前427年から347年、ソクラテスよりも少し後の時代に生き、ソクラテスの弟子でした。この人はアテナイの王族の出身で、貴族でした。たくさん弟子がいましたが、その中に次回にお話しするアリストテレスがいました。

 ソクラテスは本を一冊も書きませんでしたが、プラトンはソクラテスを題材にした書物を非常にたくさん書いています。『饗宴』『ソクラテスの弁明』、あるいは晩年に書かれた『国家』などが有名です。スライドに示した絵はラファエロ・サンティが書いた「アテナイの学堂」という有名な絵画の一部です。ちょうど真ん中に二人の人物がいて、左を歩いている老人がプラトンであり、右の若干若い人がアリストテレスであるといわれています。手つきが非常に特徴的で、プラトンは上を指しており、アリストテレスは下を指しています。これが二人の哲学の方向性の違いに表されています。それはどういうことなのか、以下で解説します。


●イデアとはあるものがどのようなものかに関する定義である


 まず、イデア説についてお話しします。私たちの身の回りにはさまざまなものがあります。自分自身を含めた人がたくさんいたり、あるいはペットの犬がいたり、あるいは三角形の図形があります。こうしたものは一体何なのか。

 例えば、ここにイチローさんと花子さんとトムがいて、犬のハチ公とスヌーピーがいて、三角形が描いてあるという場合を考えます。私たちはこのイチロー、花子、トムは人間であり、ハチ公、スヌーピーは犬であるということをしっかり区別できます。どうしてかというと、それは私たちが人間はどういうものなのか、犬はどういうものかということを知っているからです。

 三角形であれば、これが三つの角を持つ図形であるといえるかもしれません。人間と犬の場合はもう少し複雑になります。いずれにしてもそうしたものが分かっていて、三角形を定義できるわけです。この定義のことをプラトンはイデアと呼びました。どうして定義といわずにイ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
現代の小児科学と最高の子育て(1)現代の小児科学の役割
困難の克服と幸せな人生の獲得、それが小児科学の目的
高橋孝雄
資本主義の再定義…哲学で考える(1)アダム・スミスの「市場と感情」
資本主義を哲学する…まずアダム・スミスの見えざる手と道徳感情論
中島隆博
『孫子』を読む :計篇(1)「戦わずして勝つ」の意味
「戦わずして勝つ」ことを唱える『孫子』が注目される理由
田口佳史
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(1)AIに置き換わる仕事と人間がやる仕事
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か…人間がやるべきこととは?
橋爪大三郎
今こそ問うべき「人間にとっての教養」(1)なぜ本を読むことが教養なのか
『人間にとって教養とはなにか』に学ぶ教養と本の関係
橋爪大三郎

人気の講義ランキングTOP10
『万葉集』と律令社会~官僚の心得と歌宴(2)「出挙」と国司の仕事
地元の有力者の力を借りるために大伴家持が詠んだ歌とは?…今も奈良時代も変わらない中央官僚と地元有力者の関係
上野誠
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
「甘え」は現代においてダメなものなのか…名著『「甘え」の構造』への2種類の誤解とは?
與那覇潤
現代人に必要な「教養」とは?(1)そもそも教養とは何か
教養とは…本質を捉える知、他者を感じる力、先頭に立つ勇気
小宮山宏
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(5)サルコペニア・フレイル対策
認知症予防にはどんな食事がいいのか?鍵はビタミンDの充足
小川純人
「満洲」から考える日本とアジア(1)「満洲」を知る意義とは
「満洲史」はなぜ現代日本でタブー視されるのか?…王道楽土の夢とアヘンなどの裏面から見えてくる現代への教訓
宮脇淳子
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
編集部ラジオ2026(36)宮脇淳子先生「満洲史」講義の要点
【10min解説】「満洲史」はタブー?…そこから見えてくる教訓とは?
テンミニッツ・アカデミー編集部
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
進化的人間考~ヒトの性質と異様な現代社会(1)進化のスパンと現在の人間生活
ヒトの進化史を文明の発展の時間軸から考える
長谷川眞理子