西洋哲学史の10人~哲学入門
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
アウグスティヌス:神は自分の外でなく内にあるという思想
西洋哲学史の10人~哲学入門(4)アウグスティヌス キリスト教の基礎
貫成人(専修大学文学部教授/文学博士)
無味乾燥になりがちな宗教や哲学を、中世の哲学者であるアウグスティヌスは人間味のある文体と赤裸々な心情から論じた。現代キリスト教における教義を確立する中で彼が見いだしたのは、「人間はいかに救われるか」に関するそれまでとは異なる考え方であった。専修大学文学部教授の貫成人氏が解説する。(全10話中第4話)
時間:11分25秒
収録日:2018年2月9日
追加日:2018年5月18日
カテゴリー:
≪全文≫

●アウグスティヌスは現代キリスト教の教義を確立した


 第4回はアウグスティヌスです。アウグスティヌスはこれまでの3名とは違い、いわゆる古代ギリシャの哲学者の範疇に入らない人です。むしろこの後に出てくる中世の人として、キリスト教を主なベースにし、その後のキリスト教の教義の基礎をつくったのがアウグスティヌスであるといわれています。

 生没年が354年から430年なのですが、ヨーロッパの中世が始まるのは彼が生まれた後なので、年代的には古代の哲学者です。しかし、やっていることは中世的であるといわれています。

 生まれた所もこれまでの人とは異なっていて、北アフリカです。現在のチュニジアあたりの生まれであり、初めはその地域の宗教であるマニ教を信仰していました。キリスト教徒に転向したのは大人になってからです。

 しかし、それ以前から彼は学問に大変志を立てており、キリスト教に転向してからはその研究を大成し、現代のキリスト教の教義を確立したといわれています。


●書いたものに人間味があり、非常に身近に感じられる


 アウグスティヌスは宗教的な哲学を確立したわけですが、現代でも非常に多くの人に愛されており、多くのファンがいます。どうしてかというと、書いた書物に人間味があるからです。

 『神の国』はまさに神の国の話をしていますが、もう1つ『告白』という書物があります。これはタイトルに表れているように、アウグスティヌス自身の、いわば知的な自叙伝になっていて、ここでは幼い頃からの自分がどういうことをして、どういうことを考えて、どんなことに気が付いたのかということを年代的に追っています。

 宗教は非常に無味乾燥なものになりがちです。また、哲学も非常に厳格で人間味がないものになりかねないものです。しかし、この本にはアウグスティヌス自身の赤裸々な心情が吐露されています。これが現代の私たちにとっても非常に身近に感じられるのです。

 その内容についてお話をするためには、まずキリスト教がそもそもどういうことなのかをあらかじめお話ししなければなりません。キリスト教がどういうものなのかということは、この後どのヨーロッパの哲学者にとっても重要になりますので、おさらいをします。


●キリスト教における天地創造と失楽園


 キリスト教の基本は、聖書の最初の部分にある創世記での、天地創造の話をみれ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(1)史上最大の問題作
全米TOP10大学の必読書1位が『ポリテイア(国家)』
納富信留
学びとは何か、教養とは何か
教養の基本は「世界史」と「古典」
本村凌二
ヒトはなぜ罪を犯すのか(1)「善と悪の生物学」として
ヒトが罪を犯す理由…脳の働きから考える「善と悪」
長谷川眞理子
世界神話の中の古事記・日本書紀(1)人間の位置づけ
世界神話と日本神話の違いの特徴は「人間の格づけ」にある
鎌田東二
日本文化を学び直す(1)忘れてはいけない縄文文化
日本の根源はダイナミックでエネルギッシュな縄文文化
田口佳史
神話の「世界観」~日本と世界(1)踊りと物語
世界の神話の中で異彩を放つ日本神話の世界観
鎌田東二

人気の講義ランキングTOP10
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子
歌舞伎はスゴイ(1)市川團十郎の何がスゴイか(前編)
市川團十郎の歴史…圧倒的才能の初代から六代目までの奮闘
堀口茉純
「次世代地熱発電」の可能性~地熱革命が拓く未来
地熱革命が世界を変える――次世代地熱の可能性に迫る
片瀬裕文
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
2026年大河ドラマ『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の実像に迫る
黒田基樹
過激化した米国~MAGA内戦と民主党の逆襲(1)米国の過激化とそのプロセス
トランプ政権と過激化した米国…MAGA内戦、DSAの台頭
東秀敏
戦略的資本主義と日本~アメリカの復活に学ぶ5つの提言
戦略的資本主義とは?日本再生へアメリカに学ぶ5つの提言
片瀬裕文
逆境に対峙する哲学(1)日常性が「破れ」て思考が始まる
逆境にどう対峙するか…西洋哲学×東洋哲学で問う知的ライブ
津崎良典
戦争とディール~米露外交とロシア・ウクライナ戦争の行方
「武器商人」となったアメリカ…ディール至上主義は失敗!?
東秀敏
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
新しい循環文明への道(1)採掘文明から循環文明へ
2026年頭所感~循環文明の「三つの柱」…いよいよ実現へ
小宮山宏