西洋文明の起源から見るグローバル化
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
「世界哲学」の可能性を日本から追求していく
西洋文明の起源から見るグローバル化(6)「世界哲学」
納富信留(東京大学大学院人文社会系研究科教授)
西洋文明の起源をたどりつつ世界のグローバル化を考えてきたが、現代の位置付けを探るには、ここにいたる全プロセスを俯瞰する必要がある。また、ギリシア・ローマの古典を現代にどう生かすかについても検討が必要だ。日本から「世界哲学」を発信することを通じて「対話」について再度考えてみたい。(全6話中第6話)
時間:11分38秒
収録日:2019年5月29日
追加日:2019年8月1日
≪全文≫

●古典文明を知るのはグローバル化の本質を理解するため


 西洋文明とグローバル化を考える最後の段階になりました。西洋文明の基盤と歴史を見極めることが、現在私たちが巻き込まれているグローバル化の本質を理解することにつながり、そしてグローバル化とは単に国境や地域がなくなった(ニュートラルになった)のではなく、西洋というものをかなりの部分においてみんなで共有し、あるいは共有せざるを得ない状況の中に置かれているということだとお伝えしてきたわけです。

 その場合に、日本人から見るとかなり遠く考えられがちなギリシア・ローマ世界の2千数百年から2千年ぐらい前までの文明を理解しないと、グローバル化の問題について、一番根っこのところは分からないままなのではないかということが、一つ目のポイントでした。

 もう一つは、キリスト教の問題があります。ギリシアとローマの古典文化は、非キリスト教の文化から始まります。ローマ時代にナザレのイエスがキリスト教をつくり、ギリシア語で新約聖書が書かれ、それが徐々にローマ帝国に普及して、最終的には全ローマ帝国がキリスト教化します。それが今日までつながったというストーリーなので、私の今回の話からいうと、キリスト教は次の段階の話なので、キリスト教の専門家にきちんとお話しいただきたいように思います。

 いずれにせよ、ギリシア・ローマだけで話が終わるわけではなく、キリスト教、近代科学や産業革命などの問題から現代にいたる図式の中で、現在はどういうところにあるのか。そのことをもう一回振り返らなくてはいけないということになるでしょう。

 ただし、ギリシア・ローマで一番古いところ、あるいは一番古いものがそこにあっただけではなく、実はどの時代にも一旦そこに戻りながら現代の問題を考えるように努めたことに、注意が必要だと思います。


●グローバル化にギリシア・ローマを生かす二つの方向性


 グローバル化を考える上で、ギリシア・ローマをどのように生かせばいいのかについて私自身は、二つぐらいの方向を考えています。

 私はギリシアの専門家なので、まず「ギリシア・ローマ」が実際にどういう文明だったのかをもう少し丁寧に見極めたい。現代に引き継がれている部分でないところ、古代にあったもっと別の可能性、当時の実際の論争状況などをより詳細に見ていくことです。これにより、もし...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
ヒトはなぜ罪を犯すのか(1)「善と悪の生物学」として
ヒトが罪を犯す理由…脳の働きから考える「善と悪」
長谷川眞理子
禅とは何か~禅と仏教の心(1)アメリカの禅と日本の禅
自発性を重んじる――藤田一照師が禅と仏教の心を説く
藤田一照
人の行動の「なぜ」を読み解く行動分析学(1)随伴性
「なぜ人は部屋を片付けられないか」を行動分析学で考える
島宗理
平和の追求~哲学者たちの構想(1)強力な世界政府?ホッブズの思想
平和の実現を哲学的に追求する…どんな平和でもいいのか?
川出良枝
神話の「世界観」~日本と世界(1)踊りと物語
世界の神話の中で異彩を放つ日本神話の世界観
鎌田東二
「50歳からの勉強法」を学ぶ(1)大人の学びの心得三箇条
大人の学び・3つの心得=自由、世間が教科書、孤独を覚悟
童門冬二

人気の講義ランキングTOP10
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
これから必要な人材と人材教育とは?(3)無謬性とジョブローテーション
もうゼネラリストを育てる人事制度では時代に対応できない
柳川範之
プロジェクトマネジメントの基本(10)大脳生理学によるモチベーション理論
論理的?計画的?社交的?冒険的?利き脳による4タイプ
大塚有希子
おもしろき『法華経』の世界(10)未来への智慧と希望
「未来応化=どんな未来も大丈夫」…ブレない臨機応変の力
鎌田東二
平和の追求~哲学者たちの構想(6)EU批判とアメリカの現状
理想を具現化した国連やEUへの批判がなぜ高まっているのか
川出良枝
逆境に対峙する哲学(9)先人の知恵という友
本居宣長も白隠もハイデガーも友となる――大切なのは?
津崎良典
学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(5)AIに記号接地は可能か
人間とAIの本質的な違いは?記号接地から迫る理解の本質
今井むつみ
聖徳太子「十七条憲法」を読む(1)十七条憲法を学ぶ現代的意義
聖徳太子の「和」は議論の重視…中華帝国への独立の気概
賴住光子
ChatGPT~AIと人間の未来(1)ChatGPTは何ができて、何ができないか
ChatGPTは考えてない?…「AIの回答」の本質とは
西垣通
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(6)曼荼羅の世界と未来のネットワーク
命は光なのだ…曼荼羅を読み解いて見えてくる空海のすごさ
鎌田東二