四分治制時代のローマ史~ローマ史講座XI
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コンスタンティヌスが継承したディオクレティアヌスの改革
四分治制時代のローマ史~ローマ史講座XI(5)コンスタンティヌスへの継承
本村凌二(東京大学名誉教授/文学博士)
キリスト教の考え方は、当時のローマで受け入れられていた多神教を認めないために迫害されていた。しかし、コンスタンティヌスはミラノ勅令でキリスト教を公認したが、それは従来のローマの宗教と確執をもたらすものだった。しかし、コンスタンティヌスはその絶大な権力の下でディオクレティアヌスの改革を継続していった、と本村氏は語る。(全6話中第5話)
時間:12分08秒
収録日:2019年2月26日
追加日:2019年10月19日
カテゴリー:
≪全文≫

●キリスト教はローマの神々を認めなかったために迫害された


 おそらくディオクレティアヌスという隠然たる力がどこかに働いていたのかもしれませんが、コンスタンティヌスは313年にいわゆるキリスト教を公認するわけですね。キリスト教徒になれと言ったわけではないのです。

 キリスト教徒が迫害され虐げられていたといいますけれども、はっきり言えばローマ帝国からすれば、キリスト教は本来ならば別に迫害すべき対象ではないのです。なぜかというと、ローマ帝国というのは大体全ての宗教は認めているからです。

 ところが、キリスト教徒だけは自分たちの宗教が正しい、他の神々は全部間違っている、あるいは他の神々はないのだと主張します。つまり唯一の神しかないというように考えますので、ローマ帝国の中で神々に対する祭礼がいろいろなところにありますが、そういうものを否定します。

 それから、ローマ皇帝をないがしろにするとか、そういうことをする。つまり、ローマが「これさえやればいい」と言っていることをやらないために、キリスト教徒は結局、迫害されざるを得なくなってしまったのです。

 ローマとしてはそれさえ守ってくれればキリスト教を別に迫害する必要はなかったのに、あまりにもかたくなに自分たちの宗教が正しいという形で主張するものですから、だんだんキリスト教を捨てろという形になってきたのです。

 キリスト教をもともと迫害していたわけではないけれども、キリスト教徒があまりにもかたくなにローマにあるさまざまな神々を否定するから、そうなったのです。


●当時のローマの民衆にとって一神教は異質だった


 その当時の人たちにとって、神々が存在するというのは当たり前のことでした。当然のことだと彼らは思っているわけなので、そういうものを否定するということは、ローマの民衆から見れば、キリスト教を信じる者が無神論者に見えるのです。神々の世界を否定しているわけですから。

 今でこそ、われわれは一神教というものの在り方を知っているものですから、キリスト教が無神論者の宗教だとはいいませんけれども、その当時の多神教の世界に生きて、それが当たり前だと思っている人にとって唯一の神しか存在しないなどというのは無神論者と同じようにしか見えないのです。

 ですから、そういう立場からすれば、キリスト教は自分たちが自然に信じている神...

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