四分治制時代のローマ史~ローマ史講座XI
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
コンスタンティヌスが継承したディオクレティアヌスの改革
四分治制時代のローマ史~ローマ史講座XI(5)コンスタンティヌスへの継承
本村凌二(東京大学名誉教授/文学博士)
キリスト教の考え方は、当時のローマで受け入れられていた多神教を認めないために迫害されていた。しかし、コンスタンティヌスはミラノ勅令でキリスト教を公認したが、それは従来のローマの宗教と確執をもたらすものだった。しかし、コンスタンティヌスはその絶大な権力の下でディオクレティアヌスの改革を継続していった、と本村氏は語る。(全6話中第5話)
時間:12分08秒
収録日:2019年2月26日
追加日:2019年10月19日
カテゴリー:
≪全文≫

●キリスト教はローマの神々を認めなかったために迫害された


 おそらくディオクレティアヌスという隠然たる力がどこかに働いていたのかもしれませんが、コンスタンティヌスは313年にいわゆるキリスト教を公認するわけですね。キリスト教徒になれと言ったわけではないのです。

 キリスト教徒が迫害され虐げられていたといいますけれども、はっきり言えばローマ帝国からすれば、キリスト教は本来ならば別に迫害すべき対象ではないのです。なぜかというと、ローマ帝国というのは大体全ての宗教は認めているからです。

 ところが、キリスト教徒だけは自分たちの宗教が正しい、他の神々は全部間違っている、あるいは他の神々はないのだと主張します。つまり唯一の神しかないというように考えますので、ローマ帝国の中で神々に対する祭礼がいろいろなところにありますが、そういうものを否定します。

 それから、ローマ皇帝をないがしろにするとか、そういうことをする。つまり、ローマが「これさえやればいい」と言っていることをやらないために、キリスト教徒は結局、迫害されざるを得なくなってしまったのです。

 ローマとしてはそれさえ守ってくれればキリスト教を別に迫害する必要はなかったのに、あまりにもかたくなに自分たちの宗教が正しいという形で主張するものですから、だんだんキリスト教を捨てろという形になってきたのです。

 キリスト教をもともと迫害していたわけではないけれども、キリスト教徒があまりにもかたくなにローマにあるさまざまな神々を否定するから、そうなったのです。


●当時のローマの民衆にとって一神教は異質だった


 その当時の人たちにとって、神々が存在するというのは当たり前のことでした。当然のことだと彼らは思っているわけなので、そういうものを否定するということは、ローマの民衆から見れば、キリスト教を信じる者が無神論者に見えるのです。神々の世界を否定しているわけですから。

 今でこそ、われわれは一神教というものの在り方を知っているものですから、キリスト教が無神論者の宗教だとはいいませんけれども、その当時の多神教の世界に生きて、それが当たり前だと思っている人にとって唯一の神しか存在しないなどというのは無神論者と同じようにしか見えないのです。

 ですから、そういう立場からすれば、キリスト教は自分たちが自然に信じている神...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
天下人・織田信長の実像に迫る(1)戦国時代の日本のすがた
近年の研究で変わってきた織田信長の実像
柴裕之
近現代史に学ぶ、日本の成功・失敗の本質(1)「無任所大臣」が生まれた経緯
現代の「担当大臣」の是非は戦前の「無任所大臣」でわかる
片山杜秀
戦国合戦の真実(1)兵の動員はこうして行なわれた
戦国時代の兵の動員とは?…無視できない農民の事情
中村彰彦
戦国武将の経済学(1)織田信長の経済政策
織田信長の経済政策…楽市楽座だけではない資金源とは?
小和田哲男
本当のことがわかる昭和史《1》誰が東アジアに戦乱を呼び込んだのか(1)「客観的かつ科学的な歴史」という偽り
半藤一利氏のベストセラー『昭和史』が持つ危険な面とは?
渡部昇一
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
2026年大河ドラマ『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の実像に迫る
黒田基樹

人気の講義ランキングTOP10
これからの社会・経済の構造変化(2)経済的利益と社会課題解決の両立へ
利益か社会課題解決か…かつての日本企業の美点を取り戻せ
柳川範之
和歌のレトリック~技法と鑑賞(1)枕詞:その1
ぬばたまの、あしひきの……不思議な「枕詞」の意味は?
渡部泰明
AI時代と人間の再定義(3)Human Co-becomingと存在神学への対抗
耳障りな言葉がポイント!?新しい概念を生み出すチャンス
中島隆博
「進化」への誤解…本当は何か?(9)AI時代の人間と科学の関係
科学は嫌われる!? なぜ「物語」のほうが重要視されるのか
長谷川眞理子
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(8)秀長の死の影響と秀吉政権の瓦解
「家康対奉行」の構図は真っ赤な嘘!? 秀吉政権瓦解の真相
黒田基樹
健診結果から考える健康管理・新5カ条(1)血管をより長く守ることが重要な時代
健康診断の結果が悪い人が絶対にやってはいけないこと
野口緑
ポスト国連と憲法9条・安保(1)国連の構造的問題
核保有する国連常任理事国は、むしろ安心して戦争できる
橋爪大三郎
歌舞伎はスゴイ(4)歌舞伎のサバイバル術(後編)
江戸時代の歌舞伎にも大波乱が…どうやって生き残ったか
堀口茉純
逆境に対峙する哲学(9)先人の知恵という友
本居宣長も白隠もハイデガーも友となる――大切なのは?
津崎良典
平和の追求~哲学者たちの構想(7)いかに平和を実現するか
国際機関やEUは、あまり欲張らないほうがいいのでは?
川出良枝