日本企業のグローバル化を考える
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
アジア在住の中国人は4千万人もいるのに日本人は40万人
日本企業のグローバル化を考える
大上二三雄(MICG代表取締役)
最近、日本企業のグローバル化がホットなイシューになっている。重要なポイントは、日本人、日本文化がどうグローバル化していくのかであると語る大上二三雄氏。日本の社会文化がどのように形成されてきたのか、そのプロセスをたどりながら、日本企業のグローバル化への課題を考えていく。
時間:12分31秒
収録日:2014年6月11日
追加日:2014年7月24日
≪全文≫

●日本企業のグローバル化とは、日本人、日本文化のグローバル化


 皆さん、こんにちは。これから少し、シリーズで日本企業のグローバル化ということを考えていきたいと思っています。

 最近、日本企業のグローバル化が言われ始めて、かなりホットなイシューになっていると思います。例えば、武田薬品の社長です。武田の役員は、実は主要な人がほとんど外人になっており、CEOもフランス人です。LIXIL(リクシル)という会社は、藤森義明さんというGEの経営をやっていた方がCEOとして、海外の企業をどんどん買収するとともに、グローバル経営に通じた人に今、どんどんと役員を入れ替えているという、かなり荒療治をやっています。

 そういった形でグローバル化がいろいろと進んでいます。こういうときに私は、一つ考えるべき重要なポイントがあると思うのです。日本企業のグローバル化というのは、すなわち「日本にとってのグローバル化をどう考えるか」で、それは「われわれ日本人、日本文化がどうグローバル化していくのか」というテーマではないかと思うわけです。

●あいまいさは、今でも日本に残るキーワードの一つ


 以前、大江健三郎さんという文学者がノーベル文学賞をもらったときに、『あいまいな日本の私』というタイトルで受賞演説をしました。結局あいまいさというものが、ある意味日本を象徴するワードであると、はっきり言われたのです。近代文学というのは、ある意味あいまいなわれわれと明確な西洋文明との葛藤に悩む人間の物語であったわけですが、受賞演説では、そういうことをテーマに語られたわけです。そういった意味では、あいまいさというのは、今でも日本に残るキーワードの一つだと、私は思っています。

 そういった日本の社会文化がどういう形でできてきたのか、という話を少ししていきたいと思います。

 なお、この議論は、2010年に松岡正剛事務局長のもとでまとめられた「平城京レポート」というものを参考にしております。

●江戸時代、鎖国によって、あいまいな日本が完成した


 古来、中国の影響を非常に強く受けてきた日本ですが、その中国の影響を受け日本というものが一つに完成したのが、初めての中央集権国家として天下を統一し、大々的に首都を造営した平城京の時代だったということではないかなと思うわけです。

 そして、それが平安京に移ってい...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
ハラスメント防止に向けた風土づくり(1)ハラスメントの概要
増え続けるハラスメント…その背景としての職場の特徴
青島未佳
野獣の経営、家畜の経営(1)経営センスが育つ土壌
ファーストリテイリングで経営者が育つ理由
楠木建
本質から考えるコンプライアンスと内部統制(1)「法令遵守」でリスクは管理できない
「コンプライアンス=法令遵守」ではない…実例が示す本質
國廣正
メンタルヘルスの現在地とこれから(1)「心を病む」とはどういうことか
なぜ「心の病」が増えている?メンタルヘルスの実態に迫る
斎藤環
オリエント 東西の戦略史と現代経営論に学ぶ(1)ビジネスのヒントは歴史にあり
歴史に教訓あり――東西の知恵を融合させた経営論を学ぶ
三谷宏治
イーロン・マスクの成功哲学(1)マスクが「世界一」になるまで
イーロン・マスクは何がすごい?生い立ちと経歴
桑原晃弥

人気の講義ランキングTOP10
「宇宙の創生」の仕組みと宇宙物理学の歴史(1)宇宙の階層構造
「宇宙の階層構造」誕生の謎に迫るのが宇宙物理学のテーマ
岡朋治
歴史の探り方、活かし方(1)歴史小説と史料探索の基本
日本は素晴らしい歴史史料の宝庫…よい史料の見つけ方とは
中村彰彦
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(2)量子論と空海密教の本質
脳内の量子的効果――ペンローズ=ハメロフ仮説とは
鎌田東二
編集部ラジオ2025(27)なぜ何回説明しても伝わらない?
なぜ伝わらない?理解の壁の正体を今井むつみ先生に学ぶ
テンミニッツ・アカデミー編集部
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
内側から見たアメリカと日本(2)アメリカの大転換とトランプの誤解
偉大だったアメリカを全否定…世界が驚いたトランプの言動
島田晴雄
デカルトの感情論に学ぶ(2)感情をコントロールするには
恐怖をなくす方法と感情のコントロール…デカルトの考え方
津崎良典
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(2)「ほめる」技術
男性は「ほめる」のが苦手?傾聴から始まる「ほめる」技術
三谷宏治
徳と仏教の人生論(1)経営者の条件と50年間悩み続けた命題
宇宙の理法――松下幸之助からの命題が50年後に解けた理由
田口佳史
学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(1)数が理解できない子どもたち
なぜ算数が苦手な子どもが多いのか?学力喪失の真相に迫る
今井むつみ