米中対立の行方をどう読むか
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
いまの米中関係は長期化するほどアメリカが不利になる
米中対立の行方をどう読むか(5)政策を操る中国の工作
中西輝政(京都大学名誉教授/歴史学者/国際政治学者)
中国は敵対する観念的思想の持ち主こそ操作の対象と見なす傾向があり、かつてはニクソン大統領がそうだった。今日のアメリカ共和党も危険である。アメリカは不利な条件を三つ持っており、それゆえ長期化させるべきではなく、どこかで妥協が必要だろう。(全7話中第5話)
時間:10分58秒
収録日:2018年12月25日
追加日:2019年6月7日
カテゴリー:
≪全文≫

●ニクソンは中国の情報操作に遭っていた


中西 いずれにしても個別の問題は山ほどありますが、それを省略して一言でいえば、近年のアメリカ、特にニクソン訪中以来のアメリカが米中関係の中で、いかに中国の情報工作によってその政策決定が操作されてきたかということは、ニクソン訪中の決定そのものがそもそも中国の工作によって実現したということを含めて、最近、多くのインテリジェンス専門家によって研究されています。特にフランスでは学者がたくさんいますので、中国インテリジェンス研究がかなり進んでいるのです。

 彼らによれば、フランス外務省系の特殊なソースによると、1950年代にジョセフ・マッカーシーと一緒になって、赤狩りで名を売った政治家であるリチャード・ニクソンは、その時代に中国の、一説にはハニートラップに遭って、それ以来中国が操作するアメリカの右派政治家になりました。どこの国にも右派政治家はだいたい共産主義国から見ると、操作対象にしやすい。しなくてはならない危険な要因の一つですから、浸透されます。
 そういう意味でいえば、今のアメリカの共和党ほど危ない集団はないでしょう。共和党ほど共産主義のそういう工作にかかりやすい人たちはいないと思います。


●民主主義国の観念化した保守派政党は絶好の工作対象


中西 今のアメリカの共和党の、ティーパーティ、あるいは宗教原理主義、あるいはレーガン派とかいった人たちは、非常にイデオロギー化した政治家が多いのです。共産主義の伝統を持ったインテリジェンス・サービスのアプローチの基本は、「敵性浸透」という、一番自分たちに敵対する勢力になりそうな人たちをオルグすることです。特に、イデオロギーで同じ思想を共有すると装って、接近します。

 昔からそうですよね。コミンテルンなんて、クー・クラックス・クラン(KKK)の中にものすごく浸透したわけです。戦前の日本、先ほどの統制派・皇道派の日本陸軍の派閥闘争にしてもそうなのです。あれは一番過激になりそうなところに浸透していっているのです。それで彼らを操って、自国の対外戦略に都合のいい方向を取らせるわけです。

 日本は戦前からこれをずっとやられっぱなしの歴史があるのですが、今のアメリカの共和党は、非常に観念化した保守主義です。保守主義といっても、ヨーロッパの保守主義とは全然違います。そういう意味で、柔軟性を欠いて...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
プーチンのロシア―その思想と戦略―(1)プーチン政治の特徴
ロシア皇帝のように悪者を叱る人…プーチンの思想と歴史観
山添博史
アメリカの理念と本質(1)西洋文明の行き着いた先と三つの建国
アメリカの理念と本質とは?…まず「三つの建国」から原点に迫る
中西輝政
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
トランプの誤謬…米国製造業を壊した犯人は米国の経営者
島田晴雄
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(1)ポピュリズムの台頭と社会の分断化
デモクラシーは大丈夫か…ポピュリズムの「反多元性」問題
齋藤純一
地政学入門 ヨーロッパ編(1)地図で読むヨーロッパ
ヨーロッパとは?地図で読み解く地政学と国際政治の関係
小原雅博
日本を復活させる国家戦略(1)戦後の復興戦略と日本経済の凋落
「所得倍増」はなぜ成功したか…日本経済の回復のヒント
島田晴雄

人気の講義ランキングTOP10
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(3)ヴァイキング招致説とキエフ・ルーシ
ロシアの起源はヴァイキング?…キエフ・ルーシの興亡と、ロシアとウクライナの決定的な「歴史的溝」
上月豊久
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
「甘え」は現代においてダメなものなのか…名著『「甘え」の構造』への2種類の誤解とは?
與那覇潤
プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(14)ポリスと魂の堕落過程〈下〉僭主の末路
僭主制は欲望の奴隷…過度の自由が過度の隷属に転換する
納富信留
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
『万葉集』と律令社会~官僚の心得と歌宴(3)国司と郡司のつきあい
郡司の妻たちと宴会!?……国司・大原真人今城へのはなむけの歌に記された「媚態表現」の真相と人心掌握術
上野誠
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(5)サルコペニア・フレイル対策
認知症予防にはどんな食事がいいのか?鍵はビタミンDの充足
小川純人
イラン戦争とトランプ大統領の戦争指導(1)米軍式戦略リーダーシップによる評価
イラン戦争…トランプ大統領の戦争指導のどこが問題なのか?
東秀敏
「発想力」の技法を学ぶ(1)発見と探究(前編)
“なぜ”を繰り返せ!『発想力の全技法』に学ぶ原因探究法
三谷宏治