北朝鮮危機の本質と核問題
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
北朝鮮の核問題の本質はどこにあるのか
北朝鮮危機の本質と核問題
日高義樹 (ハドソン研究所首席研究員)
トランプ大統領は北朝鮮をアメリカと対等に語り得る核保有国と見なし、米朝会談を持ちかけたが、日高氏は北朝鮮は独裁国家であり、核保有国に必要な政治体制、チェック機能や仕組みを持っていないことを指摘する。アメリカの専門家が最も問題にしているのも、その点だという。大問題なのは、核の恐ろしさとそれを使う人間の意図と能力について考えないことなのだ。
※インタビュアー:川上達史(10MTVオピニオン編集長)
時間:12分06秒
収録日:2019年4月26日
追加日:2019年7月4日
カテゴリー:
≪全文≫

●トランプ大統領が米朝首脳会談を決めた理由


日高 今の北朝鮮の問題がどこにあるのかはほとんど誰も理解していないでしょうし、理解しようとも思っていません。私が朝鮮の取材を始めたのはNHKにいた頃です。NHKに入ったのが1960年頃で、東京に戻ってきたのが1965年で、そこから、ベトナムもアメリカもあるけれども、北朝鮮のことはずっと取材していいます。

 トランプ大統領が考えているのは「北朝鮮はやはり核保有国だ」ということです。したがって、アメリカと北朝鮮が平等の立場で核兵器を削減するという話を始めるということを言った。それで、金正恩が受けたと思うのです。

 ところが、それは考え方としてはいいのですが、核兵器の内容として、北朝鮮は2017年に水爆実験を行い、核分裂の爆発をトリガーにして核融合の爆発にまで成功した。それから火星15号を打ち込んでいるでしょう。つまり、兵器の能力としてはアメリカ、ロシア、中国と同じような兵器を持ってしまったわけです。ということは、核保有国といってもいいと、何も知らない素人のトランプ大統領はそう思ったので、それを金正恩に伝えた。それで話が始まったと私は思うのです。


●核兵器を使う仕組み、体制が整っていないのが大問題


日高 ところが、マイク・ポンペオ(国務長官)にしても、ジョン・ボルトン(国家安全保障問題担当大統領補佐官)にしても、アメリカの核問題の専門家がいうには、北朝鮮が置かれている今の独裁状況、それから国の仕組みからすると、どういう状態で誰が核兵器を使うかという命令の仕組みもないということです。アメリカの場合だったら、国家安全保障会議、あるいは統合参謀本部というところがあって、核兵器を使うときにはそこで討議をするという仕組みがあるんです。ところが、北朝鮮の場合は金正恩が一人で判を押せば、核戦争が始まるわけです。

 それに関してもう一ついうと、最前線の部隊が「核戦争だ」と動き出す場合、どうやってそれを味方の中で伝えて、どうやって動くのか、という体制が北朝鮮にはできていないんですよ。

 基本は、北朝鮮の核の能力は核保有国と同じくらいで中国よりも進んだ兵器を持っているけれども、例えば中国の場合は共産党があったり、いろいろな会議があったりすると思うのです。ロシアだって、KGBなどいろいろあると思います。ところが、北朝鮮の場合は金正恩が自分一人で全部...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
岸信介と日本の戦前・戦後(1)毀誉褒貶相半ばする政治家
「昭和の妖怪」岸信介の知られざる実像を検証する
井上正也
お金とは何か?…金本位制とビットコイン(1)お金の機能とその要件
お金の「3大機能」とは何か? そしてお金のルーツとは?
養田功一郎
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎
日本を復活させる国家戦略(1)戦後の復興戦略と日本経済の凋落
「所得倍増」はなぜ成功したか…日本経済の回復のヒント
島田晴雄
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
トランプの誤謬…米国製造業を壊した犯人は米国の経営者
島田晴雄
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉

人気の講義ランキングTOP10
徳川将軍と江戸幕府~井伊直弼編(4)官僚集団の問題と井伊直弼のジレンマ
井伊直弼のジレンマ…政治家の実力と同居した致命的な矛盾
山内昌之
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(2)教義の宗教と覚りの宗教
キリスト教は教義の宗教、仏教は覚りの宗教…仏教はなぜ普遍宗教か
橋爪大三郎
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
もののあはれと日本の道徳・倫理(1)もののあはれへの共感と倫理
本居宣長が考えた「もののあはれ」と倫理の基礎
板東洋介
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(3)全皇帝の4分の3は「非漢族」
6000万人の漢人が、三国志の戦乱後に400万人台に…衝撃の人口変動
宮脇淳子
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
日本の財政の真実を検証する(7)AIと長寿化&質疑応答
AI時代にこそ「熟達者の経験」が生きる&現状の日本経済の実情は
宮本弘曉
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
ラフカディオ・ハーン『神国日本』を読む(1)なぜ『神国日本』なのか?
ラフカディオ・ハーンが解明した「美しい日本」の秘密と未来
賴住光子