茹でガエル日本への処方箋
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
「外国人の取締役」か「若き日本人のファーストペンギン」か
茹でガエル日本への処方箋(2)人間の本性は「競争」
小林喜光(東京電力ホールディングス株式会社 取締役会長)
イスラエルの指導者・シモン・ペレス元大統領は、93歳になっても「自分は未来から学ぶのだ」という姿勢を崩さなかった。一方、日本人は存在感がふにゃふにゃである。GHQのつくった社会主義的な社会で、すっかり堕落してしまったようだ。これを立て直すために、どのようなことが必要なのか。(全5話中第2話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
時間:10分50秒
収録日:2019年5月14日
追加日:2019年8月19日
≪全文≫

●93歳のペレス元大統領が「未来から学んでいる」


小林:イスラエルの話が出ましたが、2016年にイスラエルのテルアビブに行ったときに、シモン・ペレス元大統領に会えました。彼が亡くなる直前、彼がつくった平和財団に招かれて30分くらい会ったのです。

 そのとき、シモン・ペレスが「自分は未来から学ぶのだ」とおっしゃった。実際にその時も、ウーバーなどのシェアリングエコノミーやAIなどの話しかしない。

 当時、彼は93歳でした。私が間違えて「90歳くらいですね」と聞くと、「いや違う、93歳だ」とおっしゃるので、長生きをすると、1歳、1歳が重要なのだと思いました。

 それで、本当に先の話しかしなかった。もちろん、自身がキブツ出身で、フランスやイギリスから兵器をもらいながら、あの当時、アラブに囲まれて、ベドウィンなどアラブの人たちと戦ってきた話は少しされました。私がイスラエルにいたときも、300万のイスラエル人が、3億以上のアラブ人に囲まれて戦っていたわけです。ほとんど100倍ですよね。

 シモン・ペレスは、「農業をやるのに水がどれほど大切か」という話も少ししましたが、ほとんどが21世紀的な話でした。「データがすべてを制する」という話もしていました。

 イスラエルの歴史学者のユヴァル・ノア・ハラリが、「キャピタリズムの時代がおわって、データイズムの時代だ」といっていますが、それに近いことを93歳の老人がいっていました。しかも、まさに、そうなっていますよね。

―― すごい人ですね。軍人だし、政治家ですが、それがイノベーションや経済に対して、それこまで言及していたのはすごいですね。

小林:時代感性というか、時代の風に対してものすごく敏感です。常に情報を得ている。そこは見上げたものです。8200部隊などもそうですが、国を守るという意識も大きいのではないでしょうか。

―― 日本でいえば、明治維新後、明治維新をやった長老が、まだ生きているようなものですね。

小林:そうですね。そこへ行くと、日本全体が、なんとなく骨がない。政治家も、経済人も、なんとなく存在感がふにゃふにゃですよね。そうかと思えば、変にしっかりしているのは、極端な右翼的言論を弄したりする。

 結局は、自分さえよければ、今さえよければ、ということが見えてしまう。

 もう少し、国家百年の計を考えながら、人間の原点は何か、人とは何か...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
野獣の経営、家畜の経営(1)経営センスが育つ土壌
ファーストリテイリングで経営者が育つ理由
楠木建
東洋の叡智に学ぶ経営の真髄(1)経営とは何かをひと言で?
経営をひと言で?…松下幸之助曰く「2つじゃいけないか」
田口佳史
エンタテインメントビジネスと人的資本経営(1)ソニー流の多角化経営の真髄
ソニー流「多角化経営」と「人的資本経営」の成功法とは?
水野道訓
メンタルヘルスの現在地とこれから(1)「心を病む」とはどういうことか
なぜ「心の病」が増えている?メンタルヘルスの実態に迫る
斎藤環
キャリア転換で人生を成功させる方法(1)2つの大きな潮流
なぜ40歳でキャリアについて一度考え直す必要があるのか
為末大
イノベーションの本質を考える(1)イノベーションの定義
イノベーションの定義はパフォーマンスの次元が変わること
楠木建

人気の講義ランキングTOP10
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二
熟睡できる環境・習慣とは(2)酒、コーヒー、ブルーライトは悪者か
ブルーライトは悪者か?近年分かった「第3の眼」との関係
西野精治
内側から見たアメリカと日本(7)ジャパン・アズ・ナンバーワンの弊害
ジャパン・アズ・ナンバーワンで満足!?学ばない日本の弊害
島田晴雄
歴史の探り方、活かし方(6)江戸時代の藩校レベルを分析
史料読解法…江戸時代の「全国の藩校ランキング」を探る
中村彰彦
習近平―その政治の「核心」とは何か?(1)習近平政権の特徴
習近平への権力集中…習近平思想と中国の夢と強国強軍
小原雅博
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫
「集権と分権」から考える日本の核心(5)島国という地理的条件と高い森林率
各々の地でそれぞれ勝手に…森林率が高い島国・日本の特徴
片山杜秀
編集部ラジオ2025(29)歴史作家の舞台裏を学べる
歴史作家・中村彰彦先生に学ぶ歴史の探り方、活かし方
テンミニッツ・アカデミー編集部