茹でガエル日本への処方箋
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茹でガエル日本への処方箋(3)学ばず尖らず考えない日本
経営ビジネス
小林喜光(東京電力ホールディングス株式会社 取締役会長)
GAFA(Google、Amazon、Facebook、Apple)はじめ世界の企業は、社会的な転換を必死に考え抜き、猛烈に手を打っている。だが、日本は真剣にそれを考えているだろうか? いまの日本人は勉強も足りず、ただ自分自身を守っているだけではないか? これでは、やがて共倒れの運命である。(全5話中第3話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
時間:11分47秒
収録日:2019年5月14日
追加日:2019年8月19日
≪全文≫

●日本人はまっとうに戦っているか?


小林:ここ5年~10年というのは、主体がユーザーになってきますよね。日本の資本主義そのものも、テクノロジーも、MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)に象徴されるように、既存の自動車屋さんが、自動車をつくってディーラーを通して売るという仕掛けから、グーグルのように自動運転をベースにして、シェアリングエコノミーで、いってみれば乗る人がモビリティを「アズ・ア・サービス」として見ていく。あと5年したらどちらが勝つかです。

 ヘルスケアも、みんな同じだと思います。かつては医者や病院が圧倒的な権威を持っていた。医学という情報を盾に、患者に対しては圧倒的な力で押さえてきた。あるいは厚生行政で守ってきた。しかし今、これからは予防医学とかヘルスケア・ソリューションの時代になってきました。

 どちらかといえば、人生100年時代に、ピンピンコロリをどう設計するか。患者自体が、そうとうレベル高く自分で決定しなければいけない。昔のような薬害はもちろん駄目ですが、お上が決めてくれたもの以外は一切やらないような文化圏ではなくて、ユーザーがヘルスケアやメディカルを自分なりに選ぶ。「ヘルスケア・アズ・ア・サービス」「メディスン・アズ・ア・サービス」の時代になってきています。

 私たち素材屋も、IT、デジタルの時代で、ただ「モノがあればいい」という時代は明らかに終わったと思います。社会性という意味で、CO2の削減、プラスチックごみの問題など、全体構造を見ながら、どうやってサプライするか。あるいはサーキュラー・エコノミーで、サプライしたものをいかにリサイクルしていくか。全体のデータのプラットフォームもありますが、モノのプラットフォームというようなものも考える。そういう社会的な転換を考えていかない人は、時代に取り残されます。全部がXaaSの時代になるのではないかと思います。

 そういうことに日本人がまっとうに戦っているかが気になるのです。ドイツの化学会社にせよ、アメリカにせよ、GAFAにせよ、絶対に先を考えています。そこが戦いの基本になっているのに、ここ5~6年前まで、日本はモノづくりが強いなどと、のんきなことを言っていた。そのうちに、あっという間にこういう状況になっている。それも非常に心配です。

 ものすごいスピードで変わっている。ガバナンス、産業構造、社会システムの...

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