茹でガエル日本への処方箋
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
日本で報酬を上げるべきなのは経営者だけではない
茹でガエル日本への処方箋(5)日本の給与水準はおかしい
小林喜光(東京電力ホールディングス株式会社 取締役会長)
官僚や教授など、社会で活躍すべき人材の給与水準が、日本はあまりに安すぎる。シンガポールの官僚は1億円以上もらっているのに、日本は総理大臣でも3000万円。グーグルの初任給が3000万円、4000万円なのに、日本の教授は1000万円。これでは優秀な人材が集められるはずがない。(全5話中第5話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
時間:9分39秒
収録日:2019年5月14日
追加日:2019年9月2日
≪全文≫

●「優秀な人の給与水準」があまりに低すぎる


―― 財務省の主計局もかわいそうなのは、とりあえず2~3年で変わるから、たまたまなって、半年間くらい猛烈に勉強して、それで転がすので、そのやり方では頭のいい人もロングランで考えられない。くるくる回されていったら。もったいないですよね。良い人材はいるはずなのですが。

小林:いまや、東大法学部を出ても、財務省になかなか行かない。行くのは、アクセンチュアなどといった海外のコンサルティング。日本ではせいぜい商社にしか行かないという。何か、次を暗示していますよね。

 やはり優秀な人間は日本の政策に関与してほしいですよね。

―― それが結局、国民のために一番なりますよね。

小林:なると思うのです。これでは先行き危ないのではないかと思います。

 もう一つ、コンペンセーションプランというか、企業の報酬体系ですが、日本の大企業の経営者の平均が1億円強、アメリカが14億円。大体10倍以上ですね。だから、日本のコーポレートガバナンスも、報酬をもっと上げるべきだと海外の方々もいいます。そうすれば、もっと、その気になるだろうと。

 しかし逆に一方では、事務次官が二千数百万円。大学教授が優秀な人も、たいして優秀でない方も一千万円ちょっとではないですか。そういう社会のなかで、民間の社長だけがそんなにもらっていいのか。ここもすごく大きな問題だと思います。

 AIの時代に、統計とかデータをきちんと解析できるスペシャリストを、アメリカなり国内でも優秀な人を取ろうとしたら、4000万円から5000万円出さないと来てくれないですよね、向こうの人は。1000万円では、ロクな人が来てくれませんよ。無理でしょう。そういうことを、もっと本当に真剣に考えないと。

―― 防衛省が、いくらサイバーセキュリティユニットをつくろうとしても、資格をつくれないから、ようやく尉官と並べるくらいでは来ないですよね。

小林:来ないと思いますよ。たとえば、イスラエルの優秀な人間を何人かリクルートしようと思っても無理です。アメリカへ行って、平気で一億円くらいもらっているわけですから。グーグルの初任給が2000万円~3000万円の時代に、日本の大学教授が1000万円というのは、無理というものです。シンガポールの官僚でも1億くらいもらっているじゃないですか。民間の社長、CEOの給与が安いという以前に、日本の...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
エンタテインメントビジネスと人的資本経営(1)ソニー流の多角化経営の真髄
ソニー流「多角化経営」と「人的資本経営」の成功法とは?
水野道訓
イノベーションの本質を考える(1)イノベーションの定義
イノベーションの定義はパフォーマンスの次元が変わること
楠木建
マザーテレサとの出会い
人生を変えたマザーテレサの言葉…あの人たちはキリストだ
上甲晃
ハラスメント防止に向けた風土づくり(1)ハラスメントの概要
増え続けるハラスメント…その背景としての職場の特徴
青島未佳
バブル世代の現実とこれからの生き方
バブル世代は「バブル崩壊世代」、苦労の先に見えるものがある
江上剛
キャリア転換で人生を成功させる方法(1)2つの大きな潮流
なぜ40歳でキャリアについて一度考え直す必要があるのか
為末大

人気の講義ランキングTOP10
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
日本でも中国でもない…ラストベルトをつくった張本人は?
島田晴雄
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(4)全てをつなぐ密教の世界観
密教の世界観は全宇宙を分割せずに「つないでいく」
鎌田東二
編集部ラジオ2025(28)内側から見た日米社会の実状とは
島田晴雄先生の体験談から浮かびあがるアメリカと日本
テンミニッツ・アカデミー編集部
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(3)認知バイアスとの正しい向き合い方
知ってるつもり、過大評価…バイアス解決の鍵は「謙虚さ」
今井むつみ
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
「宇宙の創生」の仕組みと宇宙物理学の歴史(1)宇宙の階層構造
「宇宙の階層構造」誕生の謎に迫るのが宇宙物理学のテーマ
岡朋治
歴史の探り方、活かし方(1)歴史小説と史料探索の基本
日本は素晴らしい歴史史料の宝庫…よい史料の見つけ方とは
中村彰彦
習近平―その政治の「核心」とは何か?(1)習近平政権の特徴
習近平への権力集中…習近平思想と中国の夢と強国強軍
小原雅博
デカルトの感情論に学ぶ(1)愛に現れる身体のメカニズム
デカルトが注目した心と体の条件づけのメカニズム
津崎良典
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(4)トランプ大統領VS.中国
トランプ政権は実は与しやすい?…ディールで「時間稼ぎ」
垂秀夫