経済と社会の本質を見抜く
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
失敗もポジティブに評価――チャレンジできる社会つくりへ
経済と社会の本質を見抜く(3)スピード感のある意思決定
経済政策を考えるうえでは、国という単位にとらわれず、地域ごとの特性を見ていく視座が必要だ。それを可能にする細かなデータは、近年の研究や技術の発達で集まるようになっている。AI開発も著しい進展を見せる現代社会において、いかにそれらの技術やデータを活用し意思決定していくべきかを解説する。(全6話中第3話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
時間:11分16秒
収録日:2023年8月9日
追加日:2023年11月12日
≪全文≫

●情報技術で得られるデータをいかに活用できるか


―― モノの考え方については、前回の国単位でなくて地域で見ていくというやり方もそうですし、富裕層については、世界の富裕層のマップで見ていくというところが、全然今までと違うところなのですね。

柳川 そうですね。これもポイントが2つあります。1つ目ですが、われわれは、例えば1980年代に比べると圧倒的にグローバル化した社会の中で生きているので、国単位で考えることの限界というのが、30年前とは相当違ってしまっているということです。

―― そうでしょうね。

柳川 その実態を考えないといけないと思います。おっしゃるような世界の富裕層の人たちや、富裕層に限らず、世界でアクティブに働いている人は、場合によると住んでいる地域がグローバルに3つ4つあって、それぞれの国で所得を稼いでいるというような人がいっぱいいます。そんな実態を踏まえると、国単位で考えることの限界というのは、(30年前とは)相当違っているということが1つです。

 もう1つは、これもテクノロジーの発展で、そういうグローバルな動きだとか、あるいは地域単位の動きだとかということが分かるようになってきたので、結局、先ほどお話ししたことと少し関係するのですけれども、昔は、統計は国単位でしか取れなくて、その国単位の統計を見て、なんとなく100人の中で70人の人たちがこの薬が効いたからということと同じような意味で、日本という塊で何が起こっているのかくらいしか分からなかったのです。

―― なるほど。ぼやんとした(話だ)と。

柳川 はい。ぼやんとした話だから、そこしか分からなかったのです。

 ところが、だんだんとこれだけいろいろなデータが集まるようになり、細かい、いわゆるセミマクロというか、本当のマクロではなくて、もう少し細かい地域単位だったり、いろいろなことが分かるだけのデータが手に入るようになりました。そこを細かく見ていって、もう少しきめの細かい対応をしていく必要が出てきた。そういうときには、日本という枠組みよりはもう少し世界を見ながら(ということ。つまり)やや矛盾しているように聞こえるかもしれませんけれども、日本ではなくて地域の単位で見ていく。でも地域の単位でグローバル全体を見ていく。そういうことです。

―― なるほど。

柳川 そういう視点が可能になってきたし、必要になってきて...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
習近平―その政治の「核心」とは何か?(1)習近平政権の特徴
習近平への権力集中…習近平思想と中国の夢と強国強軍
小原雅博
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博
お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法(1)銀行がお金を生む仕組み
信用創造・預金創造とは?社会でお金が流通する仕組み
養田功一郎
日本の財政政策の効果を評価する(1)「高齢化」による効果の低下
高齢化で財政政策の有効性が低下…財政乗数に与える影響
宮本弘曉
墨子に学ぶ「防衛」の神髄(1)非攻と兼愛
『墨子』に記された「優れた国家防衛のためのヒント」
田口佳史
為替レートから考える日本の競争力・購買力(1)為替レートと物の値段で見る円の価値
ビッグマック指数から考える実質為替レートと購買力平価
養田功一郎

人気の講義ランキングTOP10
平和の追求~哲学者たちの構想(1)強力な世界政府?ホッブズの思想
平和の実現を哲学的に追求する…どんな平和でもいいのか?
川出良枝
熟睡できる環境・習慣とは(3)睡眠にいい環境とお風呂の入り方
布団に入る何分前がいい?入眠しやすいお風呂の入り方
西野精治
葛飾北斎と応為~その生涯と作品(2)『富嶽三十六景』神奈川沖浪裏への道
『富嶽三十六景』神奈川沖浪裏のすごさ…波へのこだわり
堀口茉純
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
プロジェクトマネジメントの基本(1)国際標準とプロジェクトの定義
プロジェクトマネジメントとは?国際標準から考える特性
大塚有希子
中国共産党と人権問題(1)中国共産党の思惑と歴史的背景
深刻化する中国の人権問題…中国共産党の思惑と人権の本質
橋爪大三郎
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二
内側から見たアメリカと日本(7)ジャパン・アズ・ナンバーワンの弊害
ジャパン・アズ・ナンバーワンで満足!?学ばない日本の弊害
島田晴雄
経験学習を促すリーダーシップ(3)成功の再現性と教え上手の指導法
教え上手の指導法に学ぶ!成功の再現性を高める4ステップ
松尾睦
2025年、どん底日本を脱却する大戦略(1)日本が凋落した要因を総覧する
日本凋落の「7つの要因」と「10の復活大戦略」
島田晴雄