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アメリカの一流大学でMBAの学位を取得する3つの意義

経済と社会の本質を見抜く(5)MBAをアメリカで取得する意義

情報・テキスト
経済政策や企業経営に携わる人間にとって、いまや欠かせない学位となっているのが「MBA(経営学修士)」だ。日本国内でも取得可能な学位だが、アメリカの一流大学でのMBA取得にはとくに重要な意義があるようだ。AIなどの技術革新が進む現代社会でなお必要とされる人間の能力と照らし合わせ、その意義を具体的に解説していく。(全6話中第5話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
時間:09:02
収録日:2023/08/09
追加日:2023/11/26
≪全文≫

●アメリカの一流大学でMBAの学位を取得する3つの意義


―― 次は、ハーバード大学やコロンビア大学、スタンフォード大学などの「MBAを取りに行く」という部分についてです。

 そもそも、例えばハーバードのカリキュラムに価値があるのではなくて、ハーバードに行ったときの人脈構成ができ、いろいろな人たちのプラットフォームとして日本しかないプラットフォームと全然違う種類の人との出会いがあるとか、あるいはグローバルにやろうと思うと、いろいろな感じの人が出てくるので、(自分の)バックグラウンドを説明しなくて済むというメリットはあるのかなと思います。

 これについてはどのように考えていけばいいでしょうか。

柳川 そうですね。アメリカのそういう一流大学のMBAコースに行って学位を取ることの意義はすごく高いと思っています。理由は3つくらいあります。1つはおっしゃるような人脈づくりです。これは圧倒的に大きいと思います。

 2番目ですが、これはある種の最低条件で、その必要条件をちゃんと満たしている人物だということを周りが認識してくれるということは大きいのだと思います。

 だから、よく「MBAを取ったのに活躍できない」とか、「いや、取っても意味がないのだ」という話はあるのですけれども、それは半分誤解です。要するに、だいたいにおいて、アメリカの弁護士資格もそうですけど、最低条件をクリアしているだけなので、それで将来を保証するというものではないのです。一応、最低限のこういうものはちゃんと履修していますというクオリフィケーションなので、そこを保証しているだけではあるのです。でも、一応そこはクリアしているということは、周りに対するシグナリング効果としてすごく大きいのだと思うのです。

 これは労働市場全般の問題ですけれども、特にそういうマネジメントのスキルというのはあまり外からは分からないので、何を持っている人かということで、一応MBAコースを履修しているということは、そのレベルのクオリティは満たしているということを保証してくれるという意味がすごく大きいと思います。

 3番目は、それの裏表なのですけれども、自分自身にとっても非常に大きなところだと思っています。その最低限のところはちゃんと自分は理解しているのだという自信になるということです。

 なんとなく普通に日本で大学を出て普通に活躍していると、やれているように見えるのだけれども、自分は何か欠けている部分があるのではないかとか、ちゃんと学んでいないポイントがあるのではないかという自信のなさにけっこうつながったりするわけです。特にグローバルに働いていくときには、自分は何か大事なところが欠けてやしないかという、それは多くの場合、杞憂なのですけれども、そういう負い目があると積極的になれない部分が出てくるのですが、一応そういうスタンダードをクリアしていると自信になるので、それは大きいと思います。

―― それはすごく大きいですね。


●技術が発達しても必要であり続ける「ディスカッション能力」


柳川 今の話が(MBAを取りに)行ったほうがいい理由なのですけれども、ただ、どうせ行くのであれば最低ラインを満たすだけではなくて、その中でより何を伸ばすかということだと思います。

 MBAコースで私がとても重要だと思うのは、ディスカッション能力で、そこは非常に大きい。そのクラスを取って試験を受けるというのも大事なのですけれども、多くのクラスではディスカッションが要求されて、どうやってちゃんとしたプレゼン、議論ができるかを多くの人は見ていると思います。 MBAコースにいる同士で、「あいつはちゃんと説得力のある議論ができる」というところを見ていて、それが卒業したあとのネットワークになったときも、「あいつはすごくいい議論をしていたよな」というところを多くの人は見ていると思います。

 せっかくならそのスキルを在籍中に磨くということで、これからChatGPTとか、生成AIが出てきたりして、相当MBAの能力で要求されるものも変わっていくと思うのですけれども、AIがこれだけ発達してくるからこそ、伸びしろの部分として、そのディスカッション能力というのはますます重要になると思うのです。

―― なるほど。

柳川 なので、どれだけ翻訳ソフトが出てこようと、何をしようと、それは必要な部分です。

 これは、そういう能力のある人たちと真剣勝負の議論をしてこそ、初めて磨かれる部分だということを考えると、そういう場でそういうクラスで議論をするということはものすごく大きな経験だし、そこで自分の能力を伸ばすということはすごく価値のあることかなと思います。

―― なるほど。でも、そういう空間は日本には(なかなか)ないですよね。日本語でやっていたのではできないことですよね。

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