人の行動の「なぜ」を読み解く行動分析学
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「ABC分析」という手法から仮説・実験・検証を行う
人の行動の「なぜ」を読み解く行動分析学(2)ABC分析
島宗理(法政大学文学部心理学科教授)
行動分析学では、行動と環境の関係性が行動を変える要因となると考える。その関係性により、行動は強化されるか消去されるかが変わってくる。それを分析する手法が「ABC分析」だ。島宗理氏が、ある学生が「なぜ服が片付けられないのか」ということをテーマに行った自分実験を例に、ABC分析でどのような仮説を立て、実験、検証を行うかを解説する。(全7話中第2話)
時間:13分28秒
収録日:2019年2月21日
追加日:2019年8月22日
カテゴリー:
≪全文≫

●「ABC分析」~行動と環境との関係を絵にして仮説・実験へ~


 行動分析学では行動と環境との関係で考える、すなわち、環境が行動を変える要因であると考えるわけですが、それをどうやって分析していくかということをお話しします。ここから先は少し専門的な話になるので、もしかすると分かりにくいと思われるかもしれませんが、考え方としては2つあります。

 1つは行動と環境との関係をまずは絵にして描いてみるというものです。これをわれわれは「ABC分析」と呼んでいますが、それをまずやってみます。次にそのABC分析で、「きっとこの行動はこういう環境によって影響されているのだろうな」という仮説を立てます。仮説を立てた後、実験をすると、実際に行動に影響している要因について分かりますし、問題解決につなげることもできます。いわば一石二鳥のアプローチになっているわけです。


●先行事象、行動、後続事象を図にする


 今回いただいた課題で、片付けの行動について少しABC分析をやってみたので、スライドをご覧ください。

 非常に単純に書いているのですが、ABC分析では真ん中に行動を書きます。ABC分析のBは「Behavior」のB、英語で行動という意味です。左側には先行事象、これは行動の直前にあるできごとや環境について書きます。Aは少々難しい単語ですが、英語の「Antecedent」(できごと)のAになっています。Cは後続事象、つまり行動の後に生じる環境について書きます。これは「Consequence」(結果)という英語の頭文字を取ってCになっており、その3つを取って「ABC分析」と呼んでいるのです。要するに、どういうときに、どういうことをすると、どうなる、という3つの要素をよく観察してみて考えて書いてみましょうということです。


●服が片付けられない理由は「スペースがない」から


 今、このABC分析で書いてみたのは、例えば家に帰って、コートを脱ぎました。コートを脱いで、ハンガーにかけて片付けるというような行動です。Bで「ハンガーにかけようとする」と書いてありますが、ハンガーにかけてロッカーやクローゼットに片付けるという動作を考えてみてください。そうすると、家に帰ってきて上着やコートを脱いでいるので、それが先行事象になります。そして、それを持ってハンガーにかけようとするというのが行動になります。そこで...

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