人の行動の「なぜ」を読み解く行動分析学
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
三日坊主で達成できないという問題には二つ要因がある
人の行動の「なぜ」を読み解く行動分析学(4)三日坊主
島宗理(法政大学文学部心理学科教授)
目標をたてても三日坊主になり達成できないという問題を多くの人が持っているはずだ。島宗理氏は、人間は動物と違って言語を持っているため、長期的な目標に向かって行動できる生物だが、そこに落とし穴があるという。目標の達成を阻害する要因は、「ちりも積もれば山となる型」と「天災は忘れた頃にやってくる型」という2つに大別できる。(全7話中第4話)
時間:9分42秒
収録日:2019年2月21日
追加日:2019年9月5日
カテゴリー:
≪全文≫

●目標達成に向けて、まず行動と環境の関係性で考える


 皆さん取り組まれることが多いと思うのですが、お正月にその年の目標を立てたりしますね。例えば、仕事で今年こそ英会話を学ぼうとか、今年こそ健康のためにダイエットをしようとか、そのために毎日ジョギングをしようなどと決めて、実際に始めるのだけれども三日坊主になってしまうということがよくあると思います。これについてお話をしましょう。

 年の初めに(別に年の初めでなくてもいいのですが)、自分はこうありたいとかこういうことがしたい、こういうことができたらいいな、といった願いを立てるというのは、どういうことかと考えてみます。それは行動することによって、何か長期的なメリットがあるということだと思うのです。

 上記のダイエットを例にすると、特にお正月だとまだ寒いですね。寒い中、外に出てジョギングをするというのは短期的には、震えるような寒さであったり、疲れてしまったり、その間は家でぬくぬくできなかったりといった状況に陥ります。行動分析学で行うABC分析でいうと、服を着替えて外に出て走り始めるというだけでも、まず服を着替えなければいけません。それから寒い外に出なければいけません。走り始めたら息があがって疲れてきます。このように、行動を強化しない、いろいろな要因がたくさん出てくるので、それによって行動が自発されなくなるというのは、実は自明の理なのです。

 ですから、そういう環境でなかなかジョギングに出かけないというのは、個人攻撃の罠にはまって自分を責めてもあまり意味がないわけです。どうしてかというと、それはその人にやる気がないからではなく、しっかりした意志の力がないからでもなく、環境がそうだからです。なので、まずは行動と環境の関係性から、なぜジョギングに行かないのかということを冷静に考えてみるというのが、まず1つあると思います。


●言語があるから長期的な目標の達成に向かえる


 もう1つは、この点が多分、人間と動物の大きな違いになると思うのですが、動物は行動した直後の結果には強く影響されるのに対して、長期的な結果には影響されにくいのです。特に1年かけて成就したい目標とか、5年や10年かけて成就したい目標を達成できる生物というのは、人間しかいないと考えられています。なぜならば、人間には言葉があるからなのです。ですから、例えば、寒...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
『タテ社会の人間関係』と文明論(1)誤解を招いた「タテ社会」の定義
誤解された『タテ社会の人間関係』…日本社会の本質に迫る
與那覇潤
「怒り」の仕組みと感情のコントロール(1)「キレる高齢者」の正体
「キレやすい」の正体とは?…ヒトの「怒り」の本質に迫る
川合伸幸
「自分をコントロールする力」の仕組み(1)自制心と目標の達成
自制心の重要性…人間は1日4時間も何かを「欲求」している
森口佑介
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(1)AIに置き換わる仕事と人間がやる仕事
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か…人間がやるべきこととは?
橋爪大三郎
神話の「世界観」~日本と世界(1)踊りと物語
世界の神話の中で異彩を放つ日本神話の世界観
鎌田東二
プラトン『ソクラテスの弁明』を読む(1)真実の創作
プラトンの『ソクラテスの弁明』は謎多き作品
納富信留

人気の講義ランキングTOP10
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
編集部ラジオ2026(30)AI時代の企業と道徳
【10minで考える】CPO(最高哲学責任者)…AI時代に必須の哲学とは
テンミニッツ・アカデミー編集部
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(6)リベラルアーツの本質
自分にしかできない自分の世界を味わうために、他の人とつながる
橋爪大三郎
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
死と宗教~教養としての「死の講義」(5)仏教の死:日本編
極楽往生、坐禅、法華経…日本人はいかに死を乗り越えるか
橋爪大三郎
日本の財政の真実を検証する(1)膨らむ借金の知られざる実態
日本の財政の「真実」をデータで徹底検証…国際機関の分析は?
宮本弘曉
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(4)5人の皇帝と現代中国
特筆すべき5人の皇帝…中国史を知らなければ現代中国もわからない
宮脇淳子
日本人が知らない自由主義の歴史~前編(1)そもそも「自由主義」とは何か
消極的自由と積極的自由?…なぜ自由主義がわかりづらいか
柿埜真吾
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将