2020年頭所感
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東京オリンピックを持続可能社会のショーウィンドウに
2020年頭所感(2)東京オリンピックと持続可能社会
小宮山宏(東京大学第28代総長/株式会社三菱総合研究所 理事長/テンミニッツ・アカデミー座長)
2020年の重要テーマとして二つ目に挙げるのは東京オリンピックだ。小宮山氏は、「オリンピックを持続可能社会のショーウィンドウにしよう」と考えている。そのための試みとして、例えば、新たな競技場の建設において再生鉄を利用したり、聖火には再生可能エネルギーからつくった水素を使うなど、「持続可能社会」に向けたさまざまなアイデアが形になりつつある。(全3話中第2話)
時間:8分36秒
収録日:2019年12月9日
追加日:2020年1月1日
≪全文≫

●オリンピックを持続可能社会のショーウィンドウに


 次はオリンピックです。オリンピックの意味をよく考えてみる必要があります。もちろんスポーツの祭典であるわけですが、世界平和のためであるし、時代によっては人権の向上のためでありました。今はどうなってきているかというと、「持続可能社会」ということが明確にオリンピックの目的になってきています。そうしたなかで東京オリンピックをどういうものにするか。これは極めて重要な問いだと思います。

 私は大会組織委員会の下にある委員会(「街づくり・持続可能性委員会」)の委員長をしているのですが、われわれの間で議論しているのは、「オリンピックを持続可能社会のショーウィンドウにしよう」ということを提案しています。


●持続可能社会を具体的な形で示すさまざまな試み


 これはどういう意味かというと、持続可能社会というのもいろいろな観点から言う人がいて、何なのかということがなかなか分かりにくいところがあるのです。これを具体的なアイテムで見せよう。その全体を見てみると、「なるほど、持続というのはそういうことなんだ」ということが分かってくるんじゃないか。そういった意味でのショーウィンドウにしよう、ということを委員の先生方と話していて、ある程度そういう方向に来ています。

 例えば、金・銀・銅のメダルは市民が供出したスマホやパソコンなど、そういった家電から回収した金、銀、銅でつくられます。それから、たくさん競技場が建設されますけれども、その建設に使われる鉄鋼の77パーセントは再生鉄です。これはスクラップを溶かしてつくる鉄のことですが、その再生鉄によってつくられるということです。

 何が言いたいかというと、都市鉱山というものが21世紀の主力になるということです。21世紀は都市鉱山による循環社会、金属の循環社会というものになるということです。それはいいことで、それを象徴的に示すのがメダルであるし、競技場であるといえます。それから聖火もオリンピックならではの象徴の1つですが、そこで燃える火(炎)は再生可能エネルギー、具体的には福島の太陽光発電でつくった水素を使うということが、おそらく実現すると思います。

 これは、要するに21世紀は再生可能エネルギーの時代になるということの象徴で、持続可能社会とはそういうものだということの象徴です。またプラスチッ...

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