対コロナ、危機の意思決定を考える
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
なぜWHOはマスクの効果について意見を変えたのか
対コロナ、危機の意思決定を考える(4)宣言解除のタイミング
曽根泰教(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
緊急事態宣言を解除するタイミングは、非常に慎重にならなければならない。解除することで第二波の感染が起こる可能性があるからだ。マスクの効果を再確認しつつ、時期を見定める必要がある。(全5話中第4話)
※司会者:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:8分48秒
収録日:2020年4月28日
追加日:2020年5月13日
≪全文≫

●自粛解除のタイミングは非常に難しい


―― 前回のお話の後半部分についてお聞きしたいことがございます。テンミニッツTVの講義でも、片山杜秀先生(慶應義塾大学法学部教授)が日本の法律の問題について指摘されていました。かつては伝染病予防法があり、政府が国民の行動を禁止することができました。しかし、現在の法律体系では行動を禁止することはなかなか難しいとのことです。このこともあり、日本の場合、政府が打ち出せる方針は、要請やお願いベースにとどまってきました。それゆえ、前回おっしゃった「寄り添う」や「一致団結」というキーワードに象徴されるように、国民が一丸となって問題に対応してきた側面が強いかと思います。

 しかしその反面、ここからどうやって抜け出すのかについては、考えが十分に深まっていないのではないでしょうか。現状では誰もが「ステイホーム」を正義のように思って行動を自粛しているという状況が見受けられますので、ステイホームを解除する切り替えが難しくなるように思います。とりわけ、状況が読みづらくなればなるほど、国民の中でも意見が割れていくでしょう。これは国民の自発性に頼っているがゆえに生まれる問題です。こうした問題については、日本の法体系を含め、どのような仕組み作りが必要なのでしょうか。

曽根 法律の問題については、過去の反省が関連していると思います。特にハンセン病患者の方々が被った問題への反省が、厚労省の関係者に根強くあったのだと思います。その他にも、血友病患者が厚生省を訴えたHIV訴訟もありました。このような過去の苦い経験があるので、ある程度慎重であるのは仕方がないことだと思います。

 しかし同時に、これに関する大きな決断を下さなければならない部分も出てくるでしょう。今回の場合、緊急事態宣言をどんな条件であれば解けるのかについての計算方法が問題です。8割の接触削減を行い、新規の感染者数が減りました。しかし今後、減っただけでなく「もう安心だ」と思えるのはどの程度なのでしょうか。緊急事態宣言を解除し、経済活動を再開して、再び満員電車で通勤したり、居酒屋で唾を飛ばしながら議論したりすることが可能になってしまうと、ウイルスがまた蔓延してしまう恐れもあります。海外から来る人によって第二波、第三波が起こることもあり得ます。この読みは、非常に難しいでしょう。


●マスクの効果に...


スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
ロシアのハイブリッド戦争と旧ソ連諸国(1)ロシアの勢力圏構想とNATO拡大
「ハイブリッド戦争」の実像…ロシアが考えていることとは何か?
廣瀬陽子
紛争が絶えない世界~私たちは何ができるか(1)「戦争の世紀」から再び戦争の時代へ
再び戦争の時代へ――私たちは何を考え、どう動くべきか
小原雅博
クライン『ショック・ドクトリン』の真実(1)ショック・ドクトリンとは何か
100分de名著!?『ショック・ドクトリン』驚愕の印象操作
柿埜真吾
戦略的資本主義と日本~アメリカの復活に学ぶ5つの提言
戦略的資本主義とは?日本再生へアメリカに学ぶ5つの提言
片瀬裕文
本当によくわかる経済学史(1)経済学史の概観
経済学史の基礎知識…大きな流れをいかに理解すべきか
柿埜真吾
第2次トランプ政権の危険性と本質(1)実は「経済重視」ではない?
トランプ政権の極右ポピュリズム…文化戦争を重視し経済軽視
柿埜真吾

人気の講義ランキングTOP10
もののあはれと日本の道徳・倫理(1)もののあはれへの共感と倫理
本居宣長が考えた「もののあはれ」と倫理の基礎
板東洋介
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(2)教義の宗教と覚りの宗教
キリスト教は教義の宗教、仏教は覚りの宗教…仏教はなぜ普遍宗教か
橋爪大三郎
徳川将軍と江戸幕府~井伊直弼編(1)桜田門外の変と井伊直弼の人物像
「桜田門外の変」の謎…井伊直弼の警護に問題はなかったのか
山内昌之
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
デカルトの存在論に学ぶ(1) 「我思う、ゆえに我在り」
「我思う、ゆえに我在り」はデカルトの専売特許ではない
津崎良典
編集部ラジオ2026(28)自由喪失の危機に考えるハイエク-1
斎藤幸平氏に物申す…自由喪失の危機に読みたい自由主義の近現代史
テンミニッツ・アカデミー編集部
ギリシア悲劇への誘い(7)ギリシア悲劇を論じた歴史
アリストテレス、ニーチェ…哲学者によるギリシア悲劇批評
納富信留
原因と結果の迷宮~因果関係と哲学(6)不在因果の問題
不作為(◯◯しなかったこと)の原因は無限に拡散する
一ノ瀬正樹
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
不便益システムデザインの魅力と可能性(2)不便がもたらす4つの益
写ルンです、おやつ300円まで…不便がもたらす益の数々
川上浩司