世界と日本の医療~課題と未来
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
医師に向いている人、向いていない人
世界と日本の医療~課題と未来(5)求められる医師の姿
医療の大原則は、「手当て」という言葉で表現されるように、患者さんと同じ場にいて、その場を共有することだと堀江重郎氏は話すが、現在の医療はそれを難しくしているという。いったいどういうことなのか。また、求められる医師の姿や医師に向いている人はどのような人なのか。(全6話中第5話)
※インタビュアー:神藏孝之(10MTVオピニオン論説主幹)
時間:10分05秒
収録日:2019年9月17日
追加日:2019年10月12日
≪全文≫

●標準化を求められる医学と教育


―― 今の医療って全て標準化じゃないと駄目だという話になるけど、実は医師の蓄えてきた経験とか勘とか、あるいは医師と患者の相性とかがすごく大事なのですね。

堀江 そうなんですね。病院と同じ頃にできたのが学校ですよね。子どもさんとか病人、ある種マイノリティの人に、ある一画に来ていただいて、悪くいえば隔離して、そこで教条的なことをするというのが医師であり教師なんですよ。

 ですから、医師というのは放っておくと制限したがる。例えば、患者が100人いた場合、その中で「あなたはすごい。治るとは思わなかったけど治っちゃった」という方がいた場合、それは医学ではないのですよ。これはオカルトになっちゃうんですね。そうじゃなくて、100人の平均値はこうです、というように、大事なのはエビデンスといわれています。おそらく教育でもそうで、「君はすごい、1,000人に1人の伸び方だね」というのは教育ではない。ボトムアップ、つまり底上げをしていこうというのが教育だ、と。

 ですから、教育者とか医師はどちらかというと、放っておくと、標準化とか制限するとか、「あなたはこれをしちゃいけません」とかそういう風に行きがちなんですね。きちんとした教育をすればするほど、そうなっていく。


●患者に寄り添い、「手を当てる」ことが求められる医師


堀江 しかし、ある意味、少しいい加減だけれども人間的にすごく面白くてあの先生に会うと、毎日楽しいと。

―― 毎日楽しい、ということですね。

堀江 会うだけで楽しいから会いに行こう、と。そっちの方がその病気を治すという意味ではいいかもしれないですね。ただそれは標準化され得る範疇ではないので、なかなか議論されないけれども、そういうことも当然のことながら大事ですよね。

 シリーズ内で「手当て」の話をしましたが、私が医師になったばかりの頃、学校を出て頭でっかちだったので治療のお薬などいろんなことを話した際に、年配の看護師さんから「『手当て』ということは手を当てることだよ」と言われました。「これはほんとうに素晴らしい。いいこと」を教えてもらったなと思いました。その場にいて、場を共有するというのが、医療の大原則ですよね。今は、現場というよりも、より標準化という名前の中で全部クロックワイズ(時計回り)に動いていく。

―― 大きい病院に行って検査...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「健康と医療」でまず見るべき講義シリーズ
「人生100年時代」の抗加齢医学と前立腺ガンの予防
前立腺ガンの進行を止めるための三次予防
堀江重郎
知られざる「脳」の仕組み~脳研究の最前線(1)脳科学と「ミクロのマクロの隔たり」
脳が生きている、死んでいるとは?最新研究で迫る脳の秘密
毛内拡
うつ病治療最前線(1)うつ病の身体症状と治療の実際
隠れたうつ病を確定診断するポイントとは
渡部芳德
オートファジー入門~細胞内のリサイクル~(1)細胞と細胞内の入れ替え
ノーベル賞受賞「オートファジー」とは?その仕組みに迫る
水島昇
生活習慣病予防に~健診結果の正しい読み方(1)データから生活習慣を考える
内臓脂肪がなぜ増えた?データから考えるリスクファクター
野口緑
認知症とは何か(1)疾患の種類と対応
多くの認知症の原因は「脳のゴミ」の蓄積
遠藤英俊

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(9)「トランプ大統領」の視点・論点
【テンミニッツで考える】「トランプ大統領」をどう見るか?
テンミニッツ・アカデミー編集部
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
万葉集の秘密~日本文化と中国文化(1)万葉集の歌と中国の影響
『万葉集』はいかなる歌集か…日本のルーツと中国の影響
上野誠
日本人とメンタルヘルス…心のあり方(6)日本人の当たり前と山本七平の違和感
日本の異様さ…フィリピンから復員した山本七平が驚いたこと
與那覇潤
インフレの行方…歴史から将来を予測する(1)インフレの具体像を探る
270年の物価の歴史に学べ…急激な物価上昇期の特徴と教訓
養田功一郎
これから必要な人材と人材教育とは?(1)人手の供給不足とマクロ経済への影響
ごく一部の人手不足が「致命的」になる…Oリング・セオリー
柳川範之
第二次世界大戦とソ連の真実(1)レーニンの思想的特徴
レーニン演説…革命のため帝国主義の3つの対立を利用せよ
福井義高
禅とは何か~禅と仏教の心(1)アメリカの禅と日本の禅
自発性を重んじる――藤田一照師が禅と仏教の心を説く
藤田一照
戦前、陸軍は歴史をどう動かしたか(1)総力戦時代の到来
日英同盟の廃棄、総力戦…世界秩序の激変に翻弄された日本
中西輝政
ソニー流「人的資本経営と新規事業」成功論(3)「現場の熱」こそ多角化の要点
新規事業を成功させるリーダーとは…上意下達はなぜダメか
水野道訓