世界と日本の医療~課題と未来
この講義は登録不要で無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
次の動画も登録不要で無料視聴できます!
なぜ日本の医療現場は効率が悪いのか
第2話へ進む
なぜ日本の医療はグローバル化が遅れているのか
世界と日本の医療~課題と未来(1)グローバル化が遅れる日本の医療
最先端手術支援ロボット「ダヴィンチ」の価格は、世界の中で日本だけが圧倒的に高いといわれている。なぜそのようなことが起きるのか。また、グローバル化を推し進める上で、日本の医療のどこが問題点なのか。堀江重郎氏に解説いただく。(全6話中第1話)
※インタビュアー:神藏孝之(10MTVオピニオン論説主幹)
時間:9分14秒
収録日:2019年9月17日
追加日:2019年9月30日
≪全文≫

●戦争をきっかけにアイデアが生まれたダヴィンチ


―― 先生は前立腺がんをはじめ泌尿器科医療の第一人者で、かつアンチエンジングの学会(日本抗加齢医学会)会長を務めておられました(現在は理事長)。また、アメリカの医療にも詳しくて、かつ、医療費と財政の問題、あるいは日本人の死生観という部分と医療との関わり合いなど、昔からパブリックマインドがあったので、ものすごく全体感がある。今日はそのあたりの話を伺いたいと思っています。

堀江 それぞれが薄い金箔みたいなもので、ちょっと押すとはがれてしまうかもしれないですけど、よろしくお願いいたします。

―― 以前に、ダヴィンチ(最先端手術支援ロボット)での手術の映像を撮らせていただきました(<ロボット手術が拓く外科イノベーション「ダヴィンチ」>参照)。日本ではダヴィンチのコストが非常に高い。ダヴィンチは名人芸ではなくてもある程度の技能を習得すればみんなが使えるのに、なぜなかなか普及しないのか。そのあたりのところからお伺いできますでしょうか。

堀江 はい。ありがとうございます。手術ロボットであるダヴィンチは、もともとアメリカの国防総省が考えていたのですが、戦場で傷ついた兵隊さんにその場で手術するけれども、医師は後方にいる場合、どうやって遠隔で手術するか、というところから開発がスタートしました。要するに外科医と患者さんに距離がある、と。これはある種イノベーションで、それまでは手術というのは患者さんのそばでするものでしたが、そこから発想がスタートしました。

 だいたい、10年ちょっと前にはほぼ現在のプロトタイプが完成しました。臓器の特徴から前立腺がんというのは、非常に応用しやすいということもあり、最初は泌尿器から普及が進みました。


●ダヴィンチのメリット


堀江 ただ、アメリカの場合は、医療の中でいろいろな医療機器が出てくる場合、コストを削減する、という考えが第一になりますね。ダヴィンチというのは、医師が現場から離れたところにいて、医師ではない人でも対応できるということで、医師3人必要な場合が1人でもいい、ということが非常に大きなインセンティブになっています。

―― なるほどですね。コストに関して、ですね。

堀江 もう一つは、ダヴィンチで使う、患者のお腹の中に入れる器具は2、3種類しかないということです。それまで、お腹を開けて...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「健康と医療」でまず見るべき講義シリーズ
腸内細菌の可能性とマイクロバイオームのダイバーシティ
注目は納豆!腸内細菌が生成する若返り物質「ポリアミン」
堀江重郎
50代からの親の介護~その課題と準備(1)突然やってくる介護の問題
「親の介護」の問題…優しさだけでは続かない
太田差惠子
1分チャージ! 新・エクササイズ理論
たった1分で効果を上げる新運動理論と攻めのダイエット
堀江重郎
健診結果から考える健康管理・新5カ条(1)血管をより長く守ることが重要な時代
健康診断の結果が悪い人が絶対にやってはいけないこと
野口緑
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(1)老年病科と高齢者の疾患・病態の特徴
頻尿、低栄養、転倒、誤嚥、フレイル…増える老年症候群と高齢者の疾患・病態の特徴
小川純人
オートファジー入門~細胞内のリサイクル~(1)細胞と細胞内の入れ替え
ノーベル賞受賞「オートファジー」とは?その仕組みに迫る
水島昇

人気の講義ランキングTOP10
『万葉集』と律令社会~官僚の心得と歌宴(2)「出挙」と国司の仕事
地元の有力者の力を借りるために大伴家持が詠んだ歌とは?…今も奈良時代も変わらない中央官僚と地元有力者の関係
上野誠
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
「甘え」は現代においてダメなものなのか…名著『「甘え」の構造』への2種類の誤解とは?
與那覇潤
現代人に必要な「教養」とは?(1)そもそも教養とは何か
教養とは…本質を捉える知、他者を感じる力、先頭に立つ勇気
小宮山宏
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(5)サルコペニア・フレイル対策
認知症予防にはどんな食事がいいのか?鍵はビタミンDの充足
小川純人
「満洲」から考える日本とアジア(1)「満洲」を知る意義とは
「満洲史」はなぜ現代日本でタブー視されるのか?…王道楽土の夢とアヘンなどの裏面から見えてくる現代への教訓
宮脇淳子
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
編集部ラジオ2026(36)宮脇淳子先生「満洲史」講義の要点
【10min解説】「満洲史」はタブー?…そこから見えてくる教訓とは?
テンミニッツ・アカデミー編集部
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
進化的人間考~ヒトの性質と異様な現代社会(1)進化のスパンと現在の人間生活
ヒトの進化史を文明の発展の時間軸から考える
長谷川眞理子