ルネサンス美術の見方
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
「最初の近代人」レオナルド・ダ・ヴィンチの『受胎告知』
ルネサンス美術の見方(4)レオナルド・ダ・ヴィンチ~前編~
池上英洋(東京造形大学教授)
2019年は、レオナルド・ダ・ヴィンチの没後500年に当たるが、彼の功績はいまだに解読し尽くされていない。しかし、彼の重要性は、彼が「最初の近代人」であるという点にある。美を追求するだけでなく、観察に従った描写を目指す、科学者としての姿が、そこにある。(全8話中第4話)
時間:12分46秒
収録日:2019年9月6日
追加日:2019年11月13日
カテゴリー:
≪全文≫

●レオナルド・ダ・ヴィンチは「最初の近代人」である


 それでは、いわゆるルネサンス美術における3巨匠を取り上げていきましょう。

 まず1人目が、レオナルド・ダ・ヴィンチです。ちょうど2019年が、彼の没後500年に相当します。500年前に亡くなったこの一人の人物を、私も含めた世界中の多くの人が勉強して、彼が残したノートを分析しています。彼については、その研究が始まって以来100年ほどたつのですが、それでもまだ解読し終わっていません。これは本当に驚くべきことなのですが、彼のことは知の巨人として、皆さんもよくご存じだと思います。

 まず彼の生涯の前半を取り上げますが、彼の重要性は、彼が「最初の近代人」であるという、この1点にあります。彼はよく、「万能の天才」と呼ばれますが、天才という言葉は、実は彼にはふさわしくないかもしれません。というのも、天才からわれわれが学ぶことはあまりなく、「すごいな」で終わってしまうからです。けれども、彼は非常に苦労と努力を重ねて、あの域に到達した人物です。だからこそ、われわれは彼から多くを学ぶことができる、そういう良い教材として扱った方が良いと思います。


●ダ・ヴィンチ家とレオナルド出生の真実


 彼は、ヴィンチ村という所で生まれます。ヴィンチ村は、イタリア語でダ・ヴィンチなので、これが彼の姓として代用されているのです。正確には姓ではないのですが、苗字の代わりをしていたのです。これは昔の日本と同じで、よほどの王侯貴族でなければ、苗字など普通の人には付いていませんでした。

 これは彼が5歳の時の税の申告記録なのですが、ダ・ヴィンチ家の当時の当主であるアントニオというおじいさんが書いたものです。1行目と2行目にアントニオとその妻、ノンナルチアと書いてあります。年齢も85歳と64歳と書いてあります。21歳も差があるのですが、これは当主として当たり前の姿です。

 これは、Tornabuoni家というフィレンツェの名家の娘が出産の際に命を落とした時の姿で、母子彫刻としてヴェロッキオという人が彫ったものです。ちなみにヴェロッキオは、レオナルドが弟子入りした先生に相当します。出産時に命を...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「芸術と文化」でまず見るべき講義シリーズ
ピアノでたどる西洋音楽史(1)ヴィヴァルディとバッハ
ピアノの歴史は江戸時代に始まった
野本由紀夫
『源氏物語』ともののあはれ(1)雅な『源氏物語』の再発見
『源氏物語』の謎…なぜ藤壺とのスキャンダルが話のコアに?
板東洋介
「ホメロス叙事詩」を読むために(1)ホメロスを読む
2700年前のホメロスの叙事詩が感動を与え続ける理由
納富信留
『古今和歌集』仮名序を読む(1)日本文化の原点となった「仮名序」
『古今和歌集』仮名序とは…日本文化の原点にして精華
渡部泰明
印象派の解体と最後の印象派展(1)セザンヌと印象派
印象派の画家に大きな影響を与えたセザンヌの構築的筆触
安井裕雄
『ロビンソン・クルーソー』とは何か(1)読み続けられる18世紀の小説
なぜ『ロビンソン・クルーソー』は“最初の近代小説”なのか
武田将明

人気の講義ランキングTOP10
百人一首の和歌(1)謎の多い『百人一首』
『百人一首』の歌が選ばれた理由とは?今も残る3つの謎
渡部泰明
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(4)注目されるタスクベース・アプローチ
AIは「まあまあの技術」?…タスクベース・アプローチでわかること
宮本弘曉
ウェルビーイングを高めるDE&I(4)人的資本経営の核となるDE&I:後編
日本は不寛容な国か?完璧主義の弊害とDE&Iを進める必要性
青島未佳
昭和の名将・樋口季一郎…キスカ・占守島編(3)占守島での「戦後の激闘」
ソ連軍に断乎反撃せよ…終戦後の占守島侵攻をなぜ撃破できたか
門田隆将
イラン戦争と終末論(1)イラン戦争の戦略的背景と米国の政策
なぜイラン戦争がこのタイミングなのか?戦略的背景に迫る
東秀敏
石原慎太郎と三島由紀夫と近衛文麿(1)政治家・石原慎太郎の源流と核の問題
石原慎太郎と三島由紀夫と近衛文麿…対比で見えてくる現代的課題
片山杜秀
Microsoft Copilot~AIで仕事はどう変わるか(1)「生成AI」の画期性
「生成AI」実装の衝撃…人工知能の歴史と特長
渡辺宣彦
哲学から考える日本の課題~正しさとは何か(4)2段階の教育
プラトンが『ポリティア』で書いた2段階の教育論とは
中島隆博
インフレの行方…歴史から将来を予測する(1)インフレの具体像を探る
270年の物価の歴史に学べ…急激な物価上昇期の特徴と教訓
養田功一郎
今こそ問うべき「人間にとっての教養」(1)なぜ本を読むことが教養なのか
『人間にとって教養とはなにか』に学ぶ教養と本の関係
橋爪大三郎