『歩こうアメリカ、語ろうニッポン』レポート
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
「これが日本よ!」独立宣言の町で遭遇した、しつらえの感動
『歩こうアメリカ、語ろうニッポン』レポート(4)フィラデルフィア篇-1 美術館の茶室と浮世絵に見る貴重な日本研究
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
 『歩こうアメリカ、語ろうニッポン』の旅も後半となり、島田晴雄氏以下メンバーはいよいよ「独立宣言の町」フィラデルフィアへ。フィラデルフィア美術館にあるのは、ロッキーが駆け上がった階段だけではない。日本の美術を研究し、広めている人材がたくさんいるのだ。(全5話中第4話目)
時間:7分34秒
収録日:2014年6月24日
追加日:2014年9月4日
カテゴリー:
≪全文≫

●旅程の最後はフィラデルフィアへ。総領事から情報収集


 残りあと2日の行程になったので、ペンシルベニア州のフィラデルフィアへ行きました。

 ケンタッキーでは非常に濃密なプランが組まれていて、行く前から誰が来るかも分かり、その人の履歴等も全部手に入っていたのですが、フィラデルフィアではほとんど何も手に入らない。なぜかと言うと、フィラデルフィア方面で面倒を見てくれるニューヨーク総領事館が、あまり協力してくれなかったようなのです。

 もしかしたら外務省の方には、「外交は俺たちがやるのだ」「官邸が思いつきで何かやるなんて」という感じがあったのかもしれません。私は、それは少しおかしいのではないかと思いましたから、到着すると総領事館へ連絡して、「少なくとも総領事は、必要な情報を私に提供する義務があるのではないですか」とお願いをしました。総領事が電話をかけてくれて、熱心にいろいろと情報をくださったので、とりあえず私としてはそれを了として、現地活動を始めたのです。

 ここでもやはり日米協会が大変頑張ってくれ、すてきなレストランで実に素晴らしいレセプションを開いてくれました。いろいろな立場の皆さんが会場に集まってくれました。


●独立宣言の町フィラデルフィアは、芸術と文学の都


 フィラデルフィアは、アメリカの中でも大変誇りの高い、伝統的な土地柄です。なぜかと言うと、フィラデルフィアは独立宣言が起草された町だからです。独立宣言が読まれたのもフィラデルフィアですし、ワシントンが首都になる前の10年間はアメリカの首都でもあったのです(その前はニューヨークがやっていたようですけれど)。

 そういう故事来歴があるため、遺跡が随分ありますし、芸術・文学の都です。ハーバードやコロンビアと同じクラスのペンシルベニア大学という、相当にレベルの高い大学があります。それから、全世界の美術品を集めたフィラデルフィア・ミュージアム・オブ・アート(フィラデルフィア美術館)。こちらはルーブル美術館やボストン美術館などと肩を並べる存在で、キュレーターさんたちも非常にレベルの高い人ばかりです。

 私たちのレセプションに来てくれたフィッシャーさんという方は、ここの東洋美術部長で、日本への関心がとりわけ深い方でした。長い間の貢献に対して、日本政府からの勲章を受賞されています。そういう方をはじめ、...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
クーデターの条件~台湾を事例に考える(1)クーデターとは何か
台湾でクーデターは起きるのか?想定シナリオとその可能性
上杉勇司
ポスト国連と憲法9条・安保(1)国連の構造的問題
核保有する国連常任理事国は、むしろ安心して戦争できる
橋爪大三郎
本当によくわかる経済学史(1)経済学史の概観
経済学史の基礎知識…大きな流れをいかに理解すべきか
柿埜真吾
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫
墨子に学ぶ「防衛」の神髄(1)非攻と兼愛
『墨子』に記された「優れた国家防衛のためのヒント」
田口佳史
台湾有事を考える(1)中国の核心的利益と太平洋覇権構想
習近平政権の野望とそのカギを握る台湾の地理的条件
島田晴雄

人気の講義ランキングTOP10
折口信夫が語った日本文化の核心(1)「まれびと」と日本の「おもてなし」
「まれびと」とは何か?折口信夫が考えた日本文化の根源
上野誠
過激化した米国~MAGA内戦と民主党の逆襲(3)DSA化した民主党と今後の展望
DSAの民主党乗っ取り工作…世代交代で大躍進の可能性
東秀敏
逆境に対峙する哲学(1)日常性が「破れ」て思考が始まる
逆境にどう対峙するか…西洋哲学×東洋哲学で問う知的ライブ
津崎良典
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(4)信長の直臣、秀吉の与力としての秀長
最初は信長の直臣として活躍――武闘派・秀長の前半生は?
黒田基樹
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
平和の追求~哲学者たちの構想(1)強力な世界政府?ホッブズの思想
平和の実現を哲学的に追求する…どんな平和でもいいのか?
川出良枝
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
世界哲学のすすめ(1)世界哲学プロジェクト
日本発!危機の時代に始動する世界哲学プロジェクトの意義
納富信留
認知バイアス~その仕組みと可能性(2)創造のバイアス〈前編〉
創造の「4段階説」、ひらめきには準備が必要
鈴木宏昭
編集部ラジオ2025(31)絵で語る葛飾北斎と応為
葛飾北斎と応為の見事な「画狂人生」を絵と解説で辿る
テンミニッツ・アカデミー編集部