『歩こうアメリカ、語ろうニッポン』レポート
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
感動の大議論! ペンシルベニア大学に集った日本学研究者
『歩こうアメリカ、語ろうニッポン』レポート(5)フィラデルフィア編-2 米国で進む日本研究、見直したい日本の宝
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
議論爆発の最終日、これぞ『歩こうアメリカ、語ろうニッポン』の醍醐味! 団員たちは、ペンシルベニア大学の日本学研究者たちと白熱の議論を尽くした後、パネル・ディスカッションでさらに現代の日本をアメリカに伝達する。全ての旅程と議論を統率した島田晴雄氏の胸を熱くした「日本の宝」とは。シリーズ最終話。(全5話中第5話目)
時間:14分32秒
収録日:2014年6月24日
追加日:2014年9月16日
カテゴリー:
≪全文≫

●ペンシルベニア大学で日本学の研究者たちと会う


 その後は、ペンシルベニア大学へ行くことになりました。日本研究のディッキンソン先生という人を中心に、3、4人の先生が集まって、世界のビジネスマンのための教養を体系的に学習するプログラムを推進されているのだそうです。

 いろいろな部局に分かれてやっているのですが、私はあまりあちこちを訪ねるのが嫌だったので、「ディッキンソンさんの所へ、皆を集めてよ」とお願いし、何人もの先生と10人ぐらいの大学院生が集まってくれました。中国、韓国、日本、アメリカと、バラバラの国籍を持つ人たちです。

 「どういう研究をしているのですか?」と聞くと、「1920年代から30年までの日中関係」とか「30年代から40年代までの日中関係」と言う。これは、大違いなのです。20年代までの日中関係は日清戦争に勝った後であり、負けたはずの清国のエリートの人たちが実はこぞって日本にあこがれ、日本に来ていた時代なのです。


●1920年代の日中関係を研究するとは


 1920年代には、「フランス革命より日本の明治維新の革命から学ぶべきだ」と言われました。フランス革命は50年もかかって血で血を洗い、鈍刀で生き物を叩き殺すような革命でした。ところが、明治維新では実に10年かそこらで武士階級がなくなり、皆が「先生」になって、あらゆる社会構造が変わる。清国のエリートはこれを一番学びたかったそうであり、日本の知識人もよくそれを教えたようです。

 そういう中から孫文のような人が育っていったわけです。あるいは魯迅もそうです。魯迅は東北大学に来て、最初は医者になろうと思いましたが、「患者を何人治したところで大勢に影響はない。小説家になれば何万人にも影響を与えられる」と考えて、小説家になったそうです。実際、非常に立派な思想家でした。彼らは皆、日本で教育を受けました。

 何と米国で、その時代を研究している韓国人と会えたのです。かと思うと、関東軍がめちゃくちゃに中国大陸を荒らし回った時代を研究している日本人がいる。素晴らしいことだと思いました。

 

●神道を突き詰め、出羽三山を研究するアメリカ青年


 「日本は、やはり神道の国だ」というところから研究を深めたアメリカ青年にも会いました。

 神道は山岳宗教です。山岳宗教をずっと追いかけていくうちに、お寺も山の中に作...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
マルクス入門と資本主義の未来(1)マルクスとはどんな人物なのか
マルクスを理解するための4つの重要ポイント
橋爪大三郎
中国共産党と人権問題(1)中国共産党の思惑と歴史的背景
深刻化する中国の人権問題…中国共産党の思惑と人権の本質
橋爪大三郎
トランプ政権と「一寸先は闇」の国際秩序(1)国際秩序の転換点と既存秩序の崩壊
経済秩序や普遍的価値観を破壊し、軍事力行使も辞さぬ米国
佐橋亮
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫
外交とは何か~不戦不敗の要諦を問う(1)著書『外交とは何か』に込めた思い
外交とは何か…いかに軍事・内政と連動し国益を最大化するか
小原雅博
松下幸之助の人づくり≪3≫理想の政治(1)国家に経営理念があれば、もっと日本は発展する
無限の可能性に挑め…国家経営を創造し、新時代の憲法を!
松下幸之助

人気の講義ランキングTOP10
東大ハチ公物語―人と犬の関係(1)上野英三郎博士とハチ
忠犬ハチ公で哲学する…人と犬の関係から見えてくる道徳論
一ノ瀬正樹
エンタテインメントビジネスと人的資本経営(4)エンタメで一番重要なのは「人」
変人募集中…0から1を生める人、発掘する人、育てる人
水野道訓
徳と仏教の人生論(2)和合の至りと正直
正直とは何か――絶対的存在との信頼関係の根幹にあるもの
田口佳史
産業イニシアティブでつくるプラチナ社会(1)「プラチナ社会」構想と2050年問題
5つの産業で「資源自給・人財成長・住民出資」国家を実現
小宮山宏
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫
クーデターの条件~台湾を事例に考える(1)クーデターとは何か
台湾でクーデターは起きるのか?想定シナリオとその可能性
上杉勇司
学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(5)AIに記号接地は可能か
人間とAIの本質的な違いは?記号接地から迫る理解の本質
今井むつみ
大谷翔平の育て方・育ち方(1)花巻東高校までの歩み
大谷翔平の育ち方…「自分を高めてゆく考え方」の秘密とは
桑原晃弥
未来を知るための宇宙開発の歴史(14)宇宙開発は未来をどう変えるか
『2001年宇宙の旅』が現実になる!?カギは宇宙医学
川口淳一郎
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(6)政治と経済をつなぐ公共哲学
どのような経済レジームを選ぶか…倫理資本主義の可能性
齋藤純一