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「忍者」は戦後の呼び方…海外の忍者ブームと史実の差は?

「忍者」とは何か(1)日本文化としての忍者

高尾善希
三重大学国際忍者研究センター 准教授
概要・テキスト
大学組織としては世界的にも珍しい国際忍者研究センターを持つ三重大学。その准教授・高尾善希氏が、「忍者とは何か」について解説する。忍者は映画などのフィクションの影響もあり、海外で非常に人気がある。しかし、内側、外側両方から見た日本文化という点からも、今一度、忍者について考え直そうという気運が高まっているのだ。(全5話中第1話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:10:00
収録日:2019/08/27
追加日:2020/01/17
キーワード:
≪全文≫

●三重大学には世界的にも珍しい国際忍者研究センターがある


―― 皆さま、こんにちは。本日は、三重大学国際忍者研究センター准教授でいらっしゃいます、高尾善希先生をお招きいたしまして、「忍者とは何か」というテーマでお話しいただこうと思っております。

 先生がいらっしゃるのは三重大学の国際忍者研究センターというところです。こちらはなかなか珍しい研究センターだと思うんですが、これはいつぐらいにできたんですか。

高尾 2017年の7月にセンターが組織的に立ち上がりまして、それとともに、私は三重大学に着任しました。大学組織としては、日本だけではなく世界的にも珍しいところだと思うんですね。インターネットで見ますと、国立大学なのに国民の税金を使ってふざけたことをやっているとか、そういうご批判も書いてあったりするんですけれども、いたって真面目な研究施設でございます。

―― 大学で忍者の研究センターは三重大学だけだと思うんですけど、全国で忍者の研究をされている専門の先生はだいたいどのくらいいるんですか。

高尾 大学の研究者としてはそんなにいないですね。三重大学には、私の同僚で山田雄司先生と吉丸雄哉先生がいらっしゃるんですが、それぞれ中世怨霊の研究をやっていたり、江戸時代の式亭三馬の文学の研究をしていた先生なんですが、最近になって忍者の研究を大学からの指示でやっています。

 ですので、三重大学のなかでも忍者の研究をやっている研究者はそんなにおりませんし、全国的にも忍者中心でやっている先生というのはそんなにいらっしゃいません。でも、いろいろな研究をやっているなかで、ところどころ忍者、忍びが出てくる研究はあるんですね。そこまで含めて見ると、まあまあいるかなという感じがします。例えば、幕府の役人の研究で、お庭番の研究をやっていらっしゃる先生とか、あるいは戦国時代の研究をしていらっしゃる方で、戦い方の研究のなかで忍びの史料をご覧になっている先生とか、そういう方はいらっしゃいます。

 だから何をもって忍者専門の研究者かというのは難しいんですが、史料はいろいろありますので、そうしたものの研究をしている方まで数えていうと、結構いるんじゃないかなと思います。


●忍者は国際的な広がりを持った研究テーマ

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